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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
ラポシューディブル大森林
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5.メニューバーを開いてみよう

ふと、画面右上に表示されている3本線が気になった。前世ならメニューを開けるのだが、まさかこの画面でも? と半信半疑で触れてみる。


ちょ、ちょ、すごくない? 「設定」「検索」「ブックマーク」「天気」「マップ」「グルメ」「アカウント」ってあるんだけど。


「アカウント」は、さっき検索した私の情報が載っていて……うん、載っていて……それ以外に「レンジャー設定」なるものがある。


え? なにこれ? 雲行き怪しくない? と、と、とりあえず開けてみるか。ポチッとな。


……私は今日、何回視力がマトモなのか確かめるんだろう。パチパチしすぎて、めちゃくちゃ潤ってますよ。何度も確認したところで、画面は変わらないんだけどね。


うん、まぁ、よく分からん画面だけど、対応しようじゃないか。


レッドやらイエローやらの色の横に、入力するところがある。


ってことは、どういうこと? 名前を決めるってこと? いや、でも、レンジャーは色で呼び合うから名前ってことはないか。


とすると……レンジャーのテーマ? 恐竜とか、怪盗とか、特命とか……でも、それなら個々に設定はおかしいしな。


ってことは、能力ってこと? 好き勝手、能力付与できるってこと?


ま、やってみよ。能力付与が1番できたら嬉しい設定だしね。ニヤリ。


カチャカチャカチャ。カチャカチャカチャ。


——空中の見えないキーボードなので、音なんてないよ。雰囲気を伝えてみただけ。てへ——


使えたら嬉しい魔法というか、レンジャー能力には関係ない夢物語を設定していく。試し打ちだから思い付くままでいいのだ。13色いるので、ぶっちゃけやりたい放題だ。


13色目のシルバーに【剣が得意・長剣短剣お手の物・素早いし、めちゃくちゃ強くて負け知らず】と入力し、最後に保存ボタンを押すと、画面が一瞬だけ光り輝いた。


「え? なに? え? え? 編集ボタンも保存ボタンも消えた? ちょっと待って! それならもっと慎重に考えた! あああああぁぁぁ……」


きっと私の背中は、哀愁が漂いまくりだろう。


ふっ。だって、5人で1つとかじゃなくて、個々で戦える能力なんだから。戦えない子も半分くらいいるけどね。それはそれ、これはこれってことで……保存してしまったものは仕方がない! 私は、このレンジャー達と生きていってみせる!


ただ、どうやって使うの? それはどこにも書いてないんだよねぇ。


「アカウント」の中を隈なく探してみたが、やはりどこにも、レンジャー魔法の使用方法について書かれていない。見落としていないはずだ。


何度、同じ画面を見返しても、答えを見つけられないので、他の機能を確認してみることにした。


やった! 「設定」は、画面や文字の色が変えられるって。日付と時間表示がある! 嬉しい!


すぐさま日時を表示オンに変えると、画面左上に『17:41 3月3日(月)』と表示される。


これって、私仕様ってことかな? キーボードはローマ字打ちだし、文字は間違いなく日本語表記だもんね。そう見えているわけじゃないと思う。困らないからどっちでもいいけど、不思議だな。


「検索」と「ブックマーク」、「天気」の機能は分かるとして、「マップ」はどこまで見せてくれるんだろう? ゲームみたいに私が行かないと表示されない仕組みなのか、ググマップみたいにどこでも見せてくれるのか……


「マップ」の文字に触れると、いつもお世話になっていた画面が映し出された。薄緑の上に青い丸が浮かんでいて、川や湖は水色で表示されている。


上部には検索バーがあり、目的地を決めると赤い風船のようなマークが立てられ、モモンガの足でどれくらいかかるか計算してくれる。道案内もあり、至れり尽くせりだ。


私は今、大陸の真ん中に居るみたいなので、どの国にも25日から30日くらいで到着するらしい。遠いけどね。だってここ、5ヵ国と隣接する大森林だもんね。どれだけ大きいかって、よく分かる。


これで迷子になることはないと心から安心し、謎しかない「グルメ」を爪で触れてみた。


画面が切り替わり、敷島莉里時代に食べた事がある物が赤枠付きの写真で表示され、見た事がない食べ物が青枠で映し出される。ただ青枠がはじまる1つ前の写真がスーベリだったので、青枠はこの世界の食べ物なんだと理解できた。


興味津々でスクロールしながらも、どうして食べ物の写真達があるのかと首を傾げてしまう。上には検索バーがあり、写真にはお気に入りを登録できる外枠のみのハートマークがある。


試しに、大好きだったタマゴサンドの写真に触れてみた。画面が切り替わると、タマゴサンドの写真が大きく表示され、ご丁寧に左右両端に><のマークがある。つまり、複数枚の写真があり、色んな角度からタマゴサンドを確かめられるようになっている。


細かい気配りに驚愕しつつも、写真下にある − 0+という表記に視線を集中させてしまう。「これって、何個注文するかのシステムだ」と慄き、完全に思考が止まった。


いや、もう凄すぎて、考えるのが馬鹿らしくなる。そんな感覚しかない。


数秒後に復活でき、現時点で試しようがないと気付いた。だって、お金なんて持っていない。身1つで、この世界に転生したのだから。


「買えないけど、取り寄せられる意味が本気で分からないけど、いくらいるのか確認しとこうかな。食べたくなるかもしれないし……機能としてあるってことは食べていいんだよね? 私、見た目だけモモンガってことだよね?」


若干不安になりながらも「どうせ今は食べられないし」と+に触れて、数字を1に増やした。下から金額のバーがひょこっと現れ、レンジャーポイント5と書かれている。


考えるとか以前の問題だ。知らないことばかりで、訳が分からなさすぎて、爪で頭を掻いてしまった。そして、見なかったことにして、ググ先生自体の画面を消した。






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