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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
サンリカ国 ウスリー・コモウェルの街
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6.まってまってまって!

「長い間、話をしていたようだ。私はそろそろ寝ようと思うが、リリもベッドに行くかい?」


「私はもう少し起きています」


「そう、おやすみ」


「はい、おやすみなさい」


隣の部屋に消えていくフェレルさんの背中を見送り、階段を上る足音を聞きながら、盛大に息を吐き出した。


「マジでさ、ムカつく通り越して呆れるわ」


守りたい気持ちが分からんでもない。助けたい、力になりたい気持ちも分からんでもない。だけど、巻き込まれてしまった子供の気持ちを考えなさすぎじゃないか。


もし、それしか選択肢がなかったんだとしても、きちんと話し合ったのかって話でさ。内容が分からなくても真摯に向き合ってくれたって態度は、子供の心に残るでしょうに。


ってかさ、父親の話が一切出てこなかったんだが? 父親はどこ行った? もしや、はじめからシンママだったの?


「あんまりやっちゃいけないんだろうけど」


個人情報だ。知らなくていいことを見てしまうかもしれない。クークーさん達は嘘か本当かで揉めていたから、試しを兼ねて見させてもらっただけだ。だけど、ここはもうググ先生に頼るしかない。私のモヤモヤを解消してください。


出てきてくれたググ先生で【マアラ】で検索をかけてみた。ルカくんのお母さんだ。状況が分かるかもしれない。


え? へ? 【検索条件を追加してください】って何? もしかしなくても、マアラさんって人が多いの?


じゃ、じゃあ、一旦【フェレル】さんでいかがでしょうか?


ぬおおお! 【検索条件を追加してください】がきたー! 名前だけじゃ無理なほどいるってことだよね。


えー、んー、だったら、【フェレル 植物学者】でどうかな?


あ! ヒットした! よかった。ちょこっと読んでみようかな。


えっと、【ラエルサレム国出身者。15歳でレンベル・ジョンズワードに弟子入り。20歳で独り立ちをし、植物学者として論文を発表する。バツ2。どちらも姉弟子マアラとの関係を疑われて破局】。


おん? おおん? これって……


オーケー、オーケー。人の恋路なんてどうでもいい。【酒と女が好き】とかもどうでもいい。誠実そうに見えたのにって、ちょっと裏切られたような気持ちになったけど、それは私の見る目の問題。フェレルさんが悪いわけじゃない。私やルカくんの害にならないなら、放っておこう。


ってか、現在進行的な物は載ってないんだよね。時差があるのかな?


まぁ、いいか。マアラさんも、植物学者を追加すれば検索できるでしょ。ある程度分かれば十分だよ。【マアラ 植物学者】っと。


ググ先生、よろしくお願いします!


は? ちょっと待って! 待って待って! 【閲覧条件を満たしていません】って、フィルタリング設定になってるの!? 私、してないよ。ってか、30歳だから!


って、まままさか……モモンガ年齢だと言うの? 大きさ的に大人だよ! チャメル長生きしたから、人間年齢だと80歳くらいだよ!


い、いや、落ち着け、私。深呼吸、深呼吸。スーハー、スーハー。


よし、今仮に0歳としよう。モモンガは2から3歳が16から25歳という感じだから、2歳と数ヶ月くらいになったらフィルタリング外れるかな?


というか、マアラさん……閲覧禁止ってことが怖いんだけど……子供には刺激が強すぎるって、何しちゃったの? ルカくんのお母さんなんだよぉ。やめてよぉ。泣いちゃいそうだよぉ。


あー、やだ。私が腐りそうだ。だから、もう知らん! 何も調べん! 私はルカくん中心で、楽しく生きていく!


「モモン・ガー、レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク。お願いします」


モモン・ガー達はいつも音もなく現れていたのに、シュッタッという着地する音を立てた。そして目の前で、レッドさんを真ん中に5匹ポーズを決めている。「見参」という文字を背負っているような錯覚まである。この5匹は皆、濃淡はあるもののプラチナカラーの子達のようだ。


あ、やっぱりポーズあったのか。私がいつも別々でお願いをしていたから、みんな出来なかったよね。本当にごめんなさい。これからはなるべく、2匹以上で呼ばせていただきます。


「皆さん、状況はご存知だと思いますが、改めてお願いをさせてください。どうか、ルカくんが安全に楽しく過ごせるよう、力を貸してください。お願いします」


私がペコリと頭を下げると、レッドさんが親指を立てながら『クックク(任せろ)』と言ってくれた。ブルーさん達4匹も、笑顔で頷いてくれている。さすがヒーロー。子供達の味方である。


能力については、レッドさんが体術、ブルーさんが魔法、グリーンさんが防御、イエローさんが料理、ピンクさんが掃除洗濯という、安心安全、美味しい、ぐうたらできる布陣である。


「私は今から寝ようと思うんですが、私が眠っていても、皆さんはずっと顕現可能なのでしょうか?」


そういえば、グリーンさんは私が起きるまで警戒してくれていたな。


『問題ないぞ。俺達は寝なくてもいいしな』


マジですか。ってか、レッドさんの鳴き方、特徴的で可愛いですね。ああ、照れちゃうんですね。そこも可愛いですね。


ブルーさん達4匹がレッドさんに温かい眼差しを向けているのを見て、やっぱりレッドはレンジャーの愛されキャラなんだと感じ、私の頬にも笑みが溢れたのだった。






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