第93話 クリスマス2
〜幸晴side〜
勉強漬けのテスト期間も終わり、いよいよ冬休みが迫ってきていた。ここから約1週間で俺は答えを決めなくてはいけない。
「...」
俺は教室の中で悩んでいた。
「ゆっきーどうしたの?」
玲那が心配そうに話しかけてきた。
「いや、その...今度クリスマスパーティーやる時にさ、玲那たちの彼女宣言に対する答えを言おうと思っているんだ」
「えっマジで!?」
玲那はすぐに食いついてきた。
「でも、答えを言うことによって誰かを傷つけてしまうことになるんじゃないかと思って不安な気持ちになっちゃってるんだ...」
「ゆっきー...」
「俺、みんなと出会えて本当に良かったって思ってるんだ。転校してきたばかりの頃は不安なことも多かったけど。今は毎日が輝いているし、これからもみんなとはずっと仲良くしてほしいって思っているんだ」
「何か色々思い詰めちゃったんだね...そうだ、今日の放課後一緒に帰らない?」
玲那は久しぶりに一緒に帰ることを提案した。
「ああ、もちろんいいぞ」
俺はすぐに承諾した。
〜放課後〜
俺たちは帰る途中で、クレープを買って公園のベンチに座った。
「こうしてると出会ったばかりの頃を思い出すよね」
「そうだな...」
周りを見ると、枯れ葉が積もっており季節の流れを感じた。出会ったばかりの頃は、もっと桜が咲いていたような気がする。
「ゆっきー、あーしはね...どんな答えを出したとしてもゆっきーとはずっと一緒にいたいって思ってるよ」
玲那が微笑みながら言ってくる。笑顔がとても眩しかった。何だか俺自身の心の闇を浄化してくれるような作用があるような感じがする。
「だから、あんまり考えすぎないでね。最近のゆっきー下向いてばっかりだからさ」
「うん...」
俺っていつも励まされてばっかりだよな...
「あっそうだ、あーしと手繋ぐ?」
「うん」
玲那が俺の手を握った。とても暖かい。
「ありがとう玲那」
「いーのいーの、そろそろ行こうか」
俺たちは手を繋いだまま下校した。
〜自宅〜
「ただいまー」
「お兄ちゃんおかえりー」
家に着くと、夏希がいつも通り出迎えてくれた。
「お兄ちゃん、もうすぐクリスマスだけど何かするの?」
「ああ、また玲那たちを呼んでパーティーしようかなって思ってるよ」
「本当に!?色々準備しなきゃだね!」
夏希の顔が一気に明るくなった。
「いつ頃来るの?」
「えっと、昼頃にはみんな来ることになっているよ」
「なるほど、それまでに私が料理とか準備しといてあげるね」
「ありがとう、助かるよ」
「お兄ちゃんたちの進展楽しみにしてるからね!」
「いやどんだけ気になってるんだよ...」
この妹は兄の恋路に口を出しすぎなんじゃないだろうか...?
〜自室〜
部屋に戻って携帯を確認すると、京極さんからメールが来ていた。
『前田君、今通話してもいいかな?』
「あれ?珍しいな。いつもだったらよくわからない長文メッセージがきているのに」
俺は疑問に思いながら、京極さんに連絡した。
『もしもし?京極さん?』
『前田君?今お話しして大丈夫?』
『大丈夫だけど...何の用だ?』
『来週のクリスマスなんだけど、前田君って欲しいものある?』
『いや、京極さんが用意してくれるものなら何でもいいよ』
正直、美少女がプレゼントを用意してくれること自体俺にとっては贅沢なことだと思う。
『わかったよ、前田君に受け入れてもらえるものを用意するね!』
そう言って京極さんは通話を終わらせた。
「受け入れてもらえるものって何なんだろう?」
京極さんの発言が俺の中で少し引っかかっていた。




