第56話 お泊まり5
〜幸晴side〜
俺たちは『太平記』というドラマを見た。正直歴史に詳しくない俺からしたら何が起こっているのかよくわからなかった。
「前田君、面白かった〜?」
足利さんがこちらを向いて感想を聞いてきた。こういう時、なんで答えるのが正解なのか...とりあえず、一番印象に残った場面を話そう。
俺は少し考えてから返事をした。
「えっと、一騎打ちしてるところが一番盛り上がってたと思う」
「足利尊氏と新田義貞の一騎打ちシーンだね。あの場面はドラマオリジナルかもしれないけど、私は描写して良かったと思うよ〜」
足利さんが話しているところに、玲那が質問をした。
「ねえ、新田義貞ってどんな人だったの?なんか突然退場してたんだけど...」
「新田義貞は群馬県の武将で、足利尊氏と遠い親戚の源氏の人だよ。1333年に群馬で挙兵して、そのまま鎌倉まで走って攻め滅ぼすことに成功したの。その後建武政権で官位を授かって南朝側で活躍したんだけど、最期は足利一門の斯波さんに討たれちゃったんだよね。でも新田家は生き残っていて、江戸幕府を開いた徳川家康は新田家の末裔と言われているよ」
「マジ!?新田家と徳川家って親戚だったんだ」
徳川家康なんて俺でも知っている大物だ。もしかして、こういう繋がりを把握しておけば俺ももっと歴史上の人物を覚えることができるのかな...
「...前田君、難しそうな顔してるね〜」
「うん、正直一回見ただけじゃよくわからなかったんだ」
「まあこの時代はちょっと難しいからね〜。あんまり無理して覚えなくても大丈夫だよ」
足利さんはディスクをパッケージに戻しながら言った。
「ねえ、そろそろお腹空いてきたんじゃない?よかったらあーしがみんなの夕飯作るよ」
玲那が俺たちに提案をした。玲那の腕なら任せても大丈夫だろう。
「ありがとう玲那、お言葉に甘えてお願いするよ」
「姫川さんマジ神だね〜」
「いや神は言い過ぎだって」
玲那が足利さんにツッコミを入れた。
食事をして後片付けを終えると、俺たちは部屋で寝る準備をすることにした。
だがここで問題が発生した。誰がどこで寝るのか決めていなかったのだ。
「俺が布団で寝るから、2人はベッド使っていいよ」
「いや、ゆっきーも一緒にベッドに入ればいいじゃん!」
「ええ...!?」
玲那の提案に俺は驚いた。
「でも狭くならないか?」
「私と姫川さんが前田君を抱き枕みたいにして寝れば問題ないんじゃないの〜?」
足利さんも大胆なことを言ってきた。
「抱き枕って...」
「前田君は嫌だった?」
「いやそんなことないよ」
俺は2人の意見を受け入れた。
俺たちは3人で同じベッドに入って布団をかけた。俺の右隣に玲那、左隣に足利さんがいる。
玲那と足利さんは俺の腕に抱きついているので、俺はほとんど身動きがとれなかった。
「前田君あったかいね〜」
「ゆっきードキドキしてる?」
「そりゃしない方がおかしいだろ...」
玲那と足利さんは、俺の腕を豊満な胸に押しつけていた。パジャマ越しでも柔らかい感触が伝わってきていた。
俺は最初は緊張してしまっていたが、美少女たちに包み込まれている安心感からすぐに寝ることができた。




