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第52話 お泊まり1

〜幸晴side〜


「...なるほど、そんなことがあったんだね〜」


足利さんは、俺の話を最後まで聞いてくれた。


「こういう時、どうすればいいと思う?」


俺は足利さんに助けを求めた。


「う〜ん...前田君は神崎君にそこまでしなきゃいけない理由でもあるのかな?」

「まあ、いつもつるんでるだけで特別何かしてもらった訳じゃないけど...」

「おい幸晴!?俺を見捨てる気なのか!?」

「だったら水着写真を送るという約束は果たしてるんだから、これ以上の恩を売る必要はないと思うよ〜」

「拓人、残念だけど金を積まれても水着写真は送れないよ。玲那も断ってるし...」

「くっ...」


拓人は何も言えなくなってしまった。


「神崎君、先に言っておくけど足利さんに逆らったら私も敵に回るからね」


京極さんが追い打ちを仕掛けてきた。


「...」


拓人は黙って自分の席へ戻っていった。流石に京極さんと敵対するつもりはないみたいだ。


「足利さんありがとう。足利さんがいなかったら収拾がつかなかったよ。足利さんにはいつも助けられてばっかりだから何かお礼したいんだけど、俺に何かできることとかないかな?」


俺は足利さんに礼を言った。


「やってほしいことか〜。前田君は姫川さんとしかやってないことってある?」

「えっと...放課後一緒に帰ったことくらいかな」

「なら今月の3連休使って...前田君の家に泊まってもいい?」

「おお!足利さんが前より積極的になってる!?」


俺が返事するよりも前に京極さんが反応した。


「それなら全然いいよ」

「ちょっと待ってよ!足利さんゆっきーの家に泊まりに行くの?」


そこへ、話を聞いた玲那が駆けつけてきた。


「そうだよ〜」


足利さんがニコニコしながら言う。


「ねえ、あーしもゆっきーの家に泊まりに行ってもいいかな?」

「ええ!?マジで!?」


何だかとんでもない流れになってしまった。


「いいよ〜、姫川さんも一緒に楽しもう。前田君もいいよね?」

「え?まあいいけど...」


俺は来週の楽しみができたおかげで、休み明けの鬱が吹き飛ばされていった。



〜放課後〜


「ねえ前田君、ちょっといいかな?」


京極さんが俺の席まできて話しかけてきた。


「京極さん、どうしたんだ?」

「あの、さっきの話の続きなんだけど...前田君は毛沢東のこと、『あんなハゲてるおっさん』なんて言わないよね?」


京極さんが少し不安そうにしている。


「いや言う訳ないだろ、俺は京極さんと同じ共産主義に属しているんだから」

「じゃあ朱元璋のこともハゲ呼ばわりしない?」

「!?」


京極さんの怒涛のハゲネタが続くせいで俺は思わず吹き出しそうになってしまう。


「呼ばないけど...朱元璋もハゲてたのか?」


俺は話を合わせようとするが、そもそも朱元璋のことがよくわからない。


「そうだよ!朱元璋はハゲ呼ばわりされるとすぐに怒っちゃう人だったの。だからハゲって言ってくる人はすぐに消されちゃってたよ。他にもツルツルとか、眩しいとか、光ってるとか言ってくる人もみーんな粛清して二度と喋れないようにしてたよ」


そこまでする必要があるのか...


「でも今の返事を聞いて前田君なら粛清から逃れられそうだなって思ったよ」

「なんでそうなるんだよ...そもそもそんな人のところに仕えたくないって」


ハゲって言っただけで消されるとか怖すぎる。


「...何か前田君、私の話に対してちょっと微妙な反応してるね」


やばい、俺がその場しのぎで京極さんの話に合わせているのがバレそうになっている。


「ごめん、俺朱元璋のことは詳しく知らないんだ」

「あっそうだったのね。じゃあ説明してあげる。朱元璋は漢民族王朝である明を建国した人だよ。漢民族王朝っていうのは名前の通り漢民族が建国した国のことだよ。秦、前漢、新、後漢、三国(魏、蜀、呉)、西晋、東晋、南朝(宋、斉、梁、陳)、北宋、南宋、明が漢民族王朝だよ。漢民族王朝の他に異民族王朝があって、その中で征服王朝と浸透王朝の2種類が存在してるよ。浸透王朝は漢民族と同化していった異民族王朝で、北朝(北魏、東魏、西魏、北斉、北周)、隋、唐がこれに入るよ。征服王朝が漢民族を支配した王朝で、遼、金、元、清の4つが当てはまるね」

「...京極さん、いきなりたくさん国の名前が出てきて混乱するんだけど...」

「おっとごめんね。ちょっと話しすぎちゃったわ。でも安心して、前田君がこの先の人生でハゲ散らかしちゃっても、私は絶対にハゲ呼ばわりしないからね!それじゃあまた明日!」


そう言って京極さんは教室から出ていった。相変わらず何を考えているのかよくわからない。


「俺も帰るか...何かどっと疲れたな」



〜廊下〜


俺が廊下を歩いていると、細川さんに声をかけられた。夏休みは細川さんと会ってなかったから、話すのは久しぶりだ。


「先輩!?顔色が悪いですが何かあったのですか?」

「え?俺そんなにやばいのか?...まあ京極さんの話を聞いたり、次の3連休に玲那と足利さんとの約束があったり色々忙しくなってるからかな...」


俺は細川さんに事情を説明した。


「そうだったのですか...約束って何をするのですか?」

「来週玲那と足利さんと一緒に帰って泊まるだけだけど...」

「私からのアドバイスですが、その週は天気が悪くなるみたいなので、対策をした方がいいと思いますよ」

「わかった、2人にも連絡しておくよ。細川さん、生徒会で忙しいのに忠告してくれてありがとう。細川さんのおかげで元気が出たよ」

「それは良かったですね」


俺は改めて細川さんを見た。細川さんは夏服を着ているので、胸の膨らみがはっきりと確認できる。玲那や足利さんほど大きくはないが、京極さんと比べるとシャツを押し上げるだけの自己主張をしているな...って俺はどこを見ているんだ!


「...京極先輩から聞いたのですが、前田先輩は海へ行った時に姫川先輩や足利先輩から胸を押しつけられて嬉しそうな顔をしていたみたいですね」


やばい、完全に胸を見ているのがバレているな...ここは正直に答えよう。


「すいません、本当に目の保養になるくらい嬉しかったんです」

「まあこの程度で疲れが吹き飛ぶなら...多少は見ても大丈夫です。ただし、信頼できる相手だけにしてくださいね?」


細川さんからまた忠告を受ける俺だった。



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