第49話 肝試し3
〜幸晴side〜
京極さんを先頭にして、俺たちは一本道を進んでいく。俺たち以外人気もなく、風の音だけが聞こえてくる。
「なかなか幽霊出てこないねー」
京極さんが辺りを見渡す。何でこんなに元気なんだろう。
「京極さんって怖いもの知らずだよな...あと幽霊は探すものじゃないと思うぞ」
俺は後ろからツッコミを入れる。
「そうかな?幽霊もずっとここにいて退屈な気持ちになってそうだから、会って話してあげたいんだよねー」
その時、隣にいた玲那が悲鳴をあげた。
「きゃあああぁぁぁああ!?」
「玲那!?どうしたんだ?」
「あーしの服の中に何か入ってきたぁ!」
どうやら玲那の背中に何かがくっついているらしい。服の中に手を入れて必死に取ろうとしている。
「んん...取れない...そうだ」
「玲那...!?」
玲那は異物を取り除くために服を脱いだ。服を捲り上げた瞬間、黄色い下着に包まれた玲那の豊満な胸が姿を現した。
「やば、虫ついてるんだけど!...えい!」
服を上下に振って、くっついている虫を飛ばすことに成功させた。服を上下に振っている間、胸がたぷんたぷんと揺れていた。俺はその姿に目が離せなかった。
「よし、やっと取れた...」
「...え!?」
しかし、今度は俺に超常現象が襲いかかる。俺の右足を何者かが掴んで引っ張ったのだ。
「うわあぁぁああ!?」
俺は後に引っ張られて前に倒れる。
「大変!前田君が黄泉の世界に連れていかれちゃう!」
京極さんが後ろを振り返って叫んだ。
「ゆっきー捕まって!」
玲那は手を伸ばすが、俺はその手を掴むことができなかった。
ガシッ
「えっ...!?」
俺は玲那の手ではなく、ミニスカートを掴んでしまった。
ずるるるるっっ!!
「いやあぁぁぁぁああ!」
そしてそのままミニスカートをずり下ろしたことで、玲那は一瞬で上下下着姿にされてしまった。
「ご、ごめん」
俺は慌てて顔を逸らす。顔を逸らしている間に、玲那は急いで服を着た。
「すごい、やっぱり幽霊いるんじゃないの?」
京極さんは今の現象を見てとても嬉しそうにしていた。
「だとしたら随分変態さんな幽霊だね〜。前田君、私の肩に捕まって」
足利さんが肩を貸してくれた。
「何だったんだ今のは...」
俺は立ち上がりながら言った。
「きっと誰からも愛されることのなかった人の霊だと思うよ!」
俺の呟きに対して、京極さんが元気よく答えた。
「ええ...それは流石に可哀想になってくるわ」
服を着た玲那が同情していた。
アクシデントはあったが、俺たちはようやく目的地に到着した。洞窟のような大きな穴があった。
「着いたね...もう大丈夫かな?」
玲那が周りを見ながら言った。
「...何もなさそうだな」
俺も周りを見てつぶやいた。
「ここが腹切りやぐらだね」
京極さんが元気よく言う。
「何だその物騒な名前は...」
「そりゃあここで北条一族が切腹して滅亡したからだよ。確か600人くらいが犠牲になってたはず...」
さらっと説明しているが、俺はあまり長居したくないと思った。
「京極さん、もうそろそろ帰らないか?俺たちは十分この肝試しを満喫したと思うんだ」
「えー?...前田君、やっぱり怖かった?」
京極さんが俺の方に近づいて聞いてくる。
「正直俺は幽霊とかよりも、幽霊に出てきてほしいと考えている京極さんの方が怖かったよ」
「そっかー...わかった、もう夕方だし帰ろうか。色々付き合わせちゃってごめんね」
京極さんは意外なことに、俺の提案を受け入れてくれた。




