第42話 夏祭り1
〜幸晴side〜
8月になり、夏休みも中盤にさしかかる。相変わらず暑い日々が続いていた。
俺が部屋で宿題をやっている最中に携帯が鳴る。
「ん?玲那からメールだ」
俺はメッセージを確認する。
『ゆっきー、この前話してた夏祭りのことなんだけど、来週の日曜日にまたゆっきーの家集合でいい?足利さんと京極さんも一緒にくるからまた4人で楽しもうね!
それから、花火もあるからゆっきーにも見てほしい!』
花火か...もう何年も見てなかったな。
玲那のメッセージを読んでいると、今度は京極さんからメールが来た。
『前田君、お疲れ!
前田君って海に行った時に怪談は夏の風物詩って言ってたよね?私、この街の心霊スポットでいい感じなところを探してきたから夏祭りの2週間後に行かない?場所は東勝寺跡で、みんなで肝試しするの!この東勝寺は私の先祖である京極高氏と足利さんの先祖である足利高氏(のちの尊氏)の主君だった北条高時が住んでいた寺だよ。
高時は北条得宗家の人で第14代執権なの。多分執権と得宗がどう違うかわからないと思うから説明しておくけど、執権が鎌倉幕府の将軍を補佐する役職で、得宗家は北条一族の嫡流だよ。でも当時は傀儡になっている人も多くて、天皇、将軍、執権、得宗が全員象徴的な存在になっていたの。
最初は鎌倉幕府を開いた源頼朝が仕切っていたんだけど、1219年に源氏将軍が滅亡してからは完全に傀儡になって執権を担当していた北条一族が幕府の実権を握ったの。この辺は複雑だからリストも送っておくね。
鎌倉幕府の将軍
初代 源頼朝
2代 源頼家
3代 源実朝
4代 藤原頼経
5代 藤原頼嗣
6代 宗尊親王
7代 惟康親王
8代 久明親王
9代 守邦親王
歴代執権
初代 北条時政(得宗)
2代 北条義時(得宗)
3代 北条泰時(得宗)
4代 北条経時(得宗)
5代 北条時頼(得宗)
6代 北条長時
7代 北条政村
8代 北条時宗(得宗)
9代 北条貞時(得宗)
10代 北条師時
11代 北条宗宣
12代 北条煕時
13代 北条基時
14代 北条高時(得宗)
15代 北条貞顕
16代 北条守時
その後5代執権北条時頼の時代になると、北条一族の嫡流である得宗家が仕切るようになるよ。この得宗専制時代がしばらく続いて、蒙古襲来後の嘉元の乱で北条家の内紛が勃発したよ。この時代は得宗の家臣の御内人が実権を掌握している最高権力者だったの。
それから高氏の「高」の字は高時からもらっているの。東勝寺の跡地に北条さんたちの墓があるからそこまで歩いていく予定だよ。ここが心霊スポットになっている理由は北条一族の最期の地だからだよ。1333年に鎌倉幕府が新田義貞に攻められて滅亡した時に、北条高時率いる北条一族は全員自害しちゃったの。
まあみんなで行けば怖くないと思うから、足利さんと姫川さんも一緒に行く予定だよ。』
「なんかすごい長文が来たな...」
まあ京極さんのメッセージはいつも長文だからもう慣れている。
その時、俺の部屋のドアが開いて夏希が入ってきた。
「お兄ちゃん、もうご飯できたよーって何か難しそうな顔してるね」
「実は夏祭りと肝試しに誘われてな...」
「本当に!?めっちゃ青春できてるじゃん!誰と行くの?」
「いつものメンバーだけど」
「なるほど...」
夏希が少し考える素振りをする。また何か企んでるのか?
「お兄ちゃん、いつの間に遊びに誘われるくらいモテるようになったんだね。でも調子に乗らないようにね?」
夏希は俺に忠告をして部屋から出ていった。一体何だったんだ...
〜夏希side〜
私はご飯を食べて部屋に戻ると、お兄ちゃんから聞いた話を細川さんに伝えた。
細川さんからすぐにメッセージがくる。
『肝試しなら、この前のように吊り橋効果が期待できそうですね』
私は細川さんに返信した。
『それなら前みたいに吊り橋効果を私たちが仕掛ければいいんだよ』
『一体どんな策があるのですが?』
『それはね...』
私は細川さんに今回の作戦について話した。
〜幸晴side〜
「またメッセージが来てる...今度は足利さんか」
飯から戻ってくると、足利さんからメールが届いていた。
『前田君、約束のスク水写真だよ〜』
「!?」
画面にはスク水姿の足利さんが写っていた。スク水を着ていることによって足利さんのムチムチボディが強調されていた。さらに胸が隠しきれておらず、上乳がはみ出してしまっている。
俺はもしかしたら前世ですごい徳を積んできたんじゃないのかと思えてきた。




