第24話 海水浴3
〜自室〜
あれから2週間後、ついに待ちに待った夏休みが始まった。
色々準備することはあったが、今日は思いっきり楽しまないとな。
その時、俺の携帯にメールが届く。
「京極さんからだ」
俺はすぐにメッセージを読んだ。
『前田君おはよう!
突然なんだけど、前田君は北朝鮮と韓国どっちが正統な朝鮮国家だと思う?』
何だこれ?どっちも朝鮮の国なのに正統とかあったのか?
俺は京極さんの好きそうな方である北朝鮮派だということを伝えた。
〜玲那side〜
あーしたちは3人で集まってから前田君の家へ向かった。
「みんな、今日はたくさん楽しんじゃおうね!」
京極さんが元気よく言う。
「前田君、私たちの水着姿気に入ってくれるといいね〜」
「足利さんは、結構攻めたやつ買ったんだよね?やっぱり今日はぐいぐい攻めていくってこと?」
あーしは足利さんに尋ねた。
「え?そ、そうだよ〜」
足利さんは否定しなかった。つまりこの海でゆっきーとの距離を縮めるつもりなのだろう。
あーしの中でどんどん足利さんへの対抗心が大きくなっていった。
「じゃああーしも足利さんに負けないくらい攻めちゃうからね!」
あーしが足利さんに向かって宣言すると京極さんが反応した。
「おー姫川さんやる気に満ち溢れてるね!私も前田君を共産主義に目覚めさせるように頑張るよ!」
「京極さんっていつもブレないよね...」
あーしは呆れながら突っ込んだ。
〜幸晴side〜
「お兄ちゃん、そろそろみんな来るんじゃない?」
準備を終えた俺の部屋に夏希が入ってくる。
「そうだな、忘れ物ないか確認しておくよ」
今日は玲那たちが俺の家まで来て、俺を連れて4人で歩いて由比ヶ浜まで行くことになっている。ここは鎌倉なので、由比ヶ浜までは歩いていけるくらい近いのだ。
「お兄ちゃんに忠告しておくけど、ちゃんとみんなの衣装とか見てあげるんだよ?男子はファッションに疎いかもしれないけど女子は細かいところまで見てるんだからね」
「わかってるよ、この日のために用意してきてくれたんだからな...」
「それから今日は暑いから日焼け止めも塗っておくんだよ」
「そうだった、普段アウトドアなことをしないから忘れてた」
俺は急いで日焼け止めを体に塗った。
家のチャイムが鳴る。玲那たちが到着したのだろう。
俺はすぐに部屋を出て玄関の扉を開けた。
「ゆっきー来たよー」
「前田君、おはよう〜」
「今日はたくさん遊ぼうね!」
3人が俺の家の前で挨拶する。
「今日はお兄ちゃんのこと、よろしくお願いします」
「夏希、その言い方だと夏希が俺の保護者みたいに聞こえるぞ」
「いいじゃん、私だってもう16歳なんだから。それより早くいってきな」
「ああ、行ってきます」
こうして、俺たちは家から出発した。
「今日は晴れてよかったね〜」
俺の前を歩く足利さんが言う。確かに今日は晴天だ。
「でも暑いな...もう少し日差しが弱ければ絶好の外出日和になったのに」
「私の扇子使う?」
足利さんが俺に扇子を差し出してきた。尊氏のサイン入りの物だった。
「いやそれ例の家宝じゃん、使えないって」
「そうなの?遠慮しなくていいのに」
「あと、何で足利さんが先頭なんだ?」
俺の前に足利さんがいて、玲那と京極さんが両隣を歩いている。
「それはね、もし敵襲がきても私が前田君を守れるようにするためだよ〜」
足利さんはいつの時代を生きているのだろうか。
「一体誰が襲いかかってくるんだよ...」
「ここは鎌倉だから、多分北条一族の末裔とかだと思うよ」
京極さんが俺の疑問に答える。
「足利家によって滅ぼされた人々の怨念がこの鎌倉に宿ってると思うから、きっと今でもどこかに潜んでるんじゃない?」
「怖いこと言わないでくれ」
「ゆっきー、怪談なんてただの戯言なんだから今は楽しむことを考えて!」
玲那が俺の腕を組んできた。玲那の胸が俺の腕にむぎゅっと当たる。玲那ってこんなに積極的だったっけ?
「あの、当たってるんだけど...」
「男の子ってこういうの好きなんでしょ?」
「そうだけどさ」
玲那の胸は服越しでも十分柔らくて弾力性があった。
「前田君って押しつけられるのが好きなんだ〜」
足利さんがジト目になりながら言ってくる。
「足利さん、これは玲那がやってるだけで俺が頼んだわけじゃないからね」
「...私も後でやってあげなきゃね」
足利さんが小さな声で呟いた。
「前田君って怪談とかに興味無いの?」
京極さんも俺の腕を掴んでくる。ちょっと怖いんですけど。
「いや、夏の風物詩だとは思ってるけど...」
「だよねー、夏に怪談は欠かせないよね!」
俺は京極さんの圧に屈してしまった。




