第1話 出会い1
初投稿です
〜朝〜
「お兄ちゃん、起きて!早く起きないと遅刻しちゃうよ!」
うるさい妹の声で目が覚める。
「うるさいなぁ夏希、今起きるから乗っかるなよ。」
「こうした方がすぐ起きるじゃん」
「...早く着替えるから、お前は階段降りてろ。」
俺はパジャマから新しい制服に袖を通した。
今日から新しい学校生活が始まる。
俺は階段を降りて、リビングに入る。
「母さん父さんおはよう」
「幸晴おはよう、朝ごはんできてるから早く食べちゃいなさい。」
「幸晴おはよう。忘れ物がないようにな。」
「わかってるよ」
俺はよく噛んで朝食を食べた。
「お兄ちゃんもう出る時間だよ。」
「やべ、もうそんな時間か!じゃあ行ってきまーす。」
「お兄ちゃん待ってよ!行ってきまーす!」
「「行ってらっしゃい」」
そして、俺は教室の前まで来た。
「みなさん、今日からこのクラスに入る転校生を紹介します。」
先生が言い終わると同時に俺は教室の扉を開けた。
「はい、早速だけど自己紹介してもらえる?」
俺は黒板の前に立った。
「前田幸晴といいます。よろしくお願いします。」
俺は深々とお辞儀をした。
「どんな子なんだろうね?」
「あとで話しかけてみようよ〜」
クラスのみんなが周りの子と話している。やはり転校生という存在なだけで注目を集めるのだろう。
「前田君の席はそこね」
俺が席に着くと、いきなり隣の席の子が声をかけてきた。
「君が噂の転校生君だね。あーしの名前は姫川玲那。これからよろしくね!」
「よ、よろしく...」
姫川さんは明るい金髪にポニーテールと一目でギャルとわかる派手な格好をしていた。
ブレザーのボタンを外していて、シャツのボタンも第二まで外していた。
胸も大きいようで、内側からシャツを押し上げている。そのせいで第三ボタンが苦しそうにしていた。
スカートも短くしており、むちむちの白い太ももが見える。俺は既に姫川さんに圧倒されていた。
その後、休み時間になり俺は2人のクラスメイトに話しかけられた。1人はピンク髪のショートボブの女の子で、膝上まである黒いニーソックスを履いていた。
スカートとニーソックスの間から見える太ももに目線が吸い寄せられてしまう。
もう1人は水色髪のツインテールの女の子だった。ピンク髪の子よりも背が高く、ブレザーの下に黄色いパーカーを着ていた。色白の姫川さんと比較すると、肌が日焼けしており、健康的な雰囲気を感じた。胸は姫川さんと同じくらい大きいようで、パーカーやブレザー越しでも胸の膨らみをはっきりと確認することができる。
「ねえねえ、前田君は日本の南北朝時代で南朝と北朝どっちが正統な天皇家の家系だと思う?私は北朝派なんだけど...」
「...?」
「あれ?固まってる...」
ピンク髪の子の質問に、俺は何も答えられなかった。ていうか近い。
「あーごめんね、京極さん思想強いから...」
隣にいた水色髪の子がツッコミを入れる。
「おっと、私の自己紹介がまだだったね。私の名前は京極美紀、宇多源氏佐々木流京極家の末裔だよ!」
「宇多...なんだって?」
「宇多天皇から臣籍降下した源氏の中の佐々木流の分家にあたる京極家の出身なの!」
京極さんの説明はよくわからなかったが、とりあえず偉い家だということは伝わってきた。
続いて水色髪の子が自己紹介をした。
「私は足利由理、清和源氏の足利家の末裔だよ〜」
「足利家!?」
俺は歴史にはあまり詳しくないが、足利という苗字は聞いたことがある。
「足利家って確か室町幕府の将軍をやっていたあの足利家なのか?」
「そうだよ〜」
「マジかよ...」
俺はとんでもない家柄の人と出会ってしまったのだった。
そしてようやく下校時間になった。
帰り支度をしていると、横から肩を叩かれた。振り向くとそこには姫川さんがいた。
「一緒に帰ろ♪」
「えっ?……」
「前田くんのこと気になってるんだよね〜」
そう言って姫川さんは強引に俺の腕を引っ張った。こうして俺達は学校を出た。
「へぇ〜、じゃあ前田くんって元々は東京にいたんだ」
「うん。だからこっちのこととか全然わかんなくて」
「なら私が案内してあげるよ!」
「ほんとにいいのか?」
「もちろん!」
「ありがとう、姫川さん」
「あーしのことは名前呼び捨てで呼んでいいよ」
「わかった。玲那も俺のこと好きに読んでくれていいよ」
「ありがと!それじゃあ……ゆっきーって呼ぶね!」
「あっ、そうだ。せっかくだし連絡先交換しない?」
「え、いいけど...」
「やった!」
転校していきなり女子と連絡先を交換してしまった。もしかして俺にもモテ期が到来したのだろうか。
登場人物紹介
前田幸晴
主人公。
姫川玲那
気さくなギャル。
足利由理
名門のお嬢様。
京極美紀
思想強めな美少女。