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ANCIENT WORLD ONLINE  作者: 桐に鳳凰
CHAPTER ONE
7/40

SEVENTH:水龍様と称号

「あ、あの、僕…ずっと…」


 その時、湖から、とんでもない者が飛び出してきた。

 形容するなら一言。龍。

 その瞬間。世界から音が消えた。


『わう!』


 榎が私の後ろに隠れる。

 唖然とする恋くんと私。


『ふむ。何やら懐かしい気配がしたと思ったら、人違いであったか。しかも邪魔してしまったようじゃ。すまぬな』


 その神々しく美しい鱗。威風堂々たる佇まい。ゲームの何らかの仕様なのか、それとも気のせいなのかは分からないが、龍からはかなりの「圧」を感じる。


【水龍様に発見された】


『だが…ふむふむ。森と平原のチビに気に入られとるな。しかも中々珍しい者よ。そうじゃのう。儂になにか御食を捧げ奉れ』


 カツアゲかな?

 ええっと何があるか…ウサギ肉と榎用の鶏肉と…木の実と…


『まあいいじゃろう』


 あ、食われた。


『ふむ。味は普通じゃが新鮮。及第点には程遠いが偶にはこういうのも悪くはないのぅ。ほれ』


 \ピコン/

【臨時称号:湖のなかま を獲得】

 ┣取得条件:湖の賢者の一人に特定のアイテムを30こあげる。

 ┣フィールド:湖の中に限り、自分からモンスターに攻撃しないかぎり、モンスターは攻撃してこない。

 ┗この称号は24時間後に消滅する


 \ピコン/

【レベルアップ LV7→LV10】


 めっちゃ上がった。

 ていうか称号のろい!嘘だろ…

 なぜだ…なぜこうなる…

 今回は何も集めてないのに…


『リスとコトリは人を見る目だけは在る故のぅ。将来に期待じゃな』


 そういうと龍は天に昇っていった。

 世界に音が戻った。


 というよりは時間が動き始めた?


「……最高速度の思考加速でしょうね。時間が止まるように見えるレベルの」

「そんな事して大丈夫なの?」


「大丈夫なんでしょうね。ヘッドマシンの装置が脳への負荷を軽減、消去するうんたらかんたらとか、説明書に書いてましたし、脳への負荷に対しては厳重な検査がありますから」


 \ピコン/

【称号:大自然のなかま を獲得】

 ┣獲得条件:『〇〇のなかま』の称号を3つ以上集める。

 ┣効果:賢者の許しを得たフィールドでは、自分から攻撃しない限りモンスターの攻撃を受けない。ただし、攻撃した場合、故意であれば、モンスターによる一斉攻撃の後、3時間『大樹の牢獄』に拘束され、この称号は剥奪される。裏切り者には粛清を。

 ┣効果:賢者の許しを得たフィールドにいる間、その場のモンスターに『なかま』として呼び出されることがある。これによる戦闘でPKした場合、PKペナルティは受けず、経験値は入らない。また、キルされたプレイヤーのドロップアイテムは即座に消滅する。

 ┣効果:賢者の許しを得たフィールドでは、自分に危害を及ぼす存在が現れた時、モンスターが守ってくれることもある。

 ┣効果:スキル《癒し》を使用可能。

 ┣効果:「森人系」への進化転職ランクアップが可能。

 ┗追記:この称号は「臨時」ではない。


「……なんか面白いの手に入れた」

「え?なんですか…」


 なにこれ。呪いの強化版?


「…文字通り『なかま』ですね」

「呼び出すってあれだよね。モンスターが偶にする、『なかまをよぶ』ってやつ」


「平原で狩りしてて、貴方が来たら絶望ですね」

「いやまだ私LVじゅ……」


 \ピコン/

湖子魚レイクリトルフィッシュが貴方を召喚しました。5秒後に転移します】


「あ、呼ばれた。」

「え?」


「ごめん!またこんd……」

「ちょっまっ」


 ◆◇◆◇


【PN:レイレイ(LV13)をキルしました。この戦闘によるPKペナルティはありません】


 対人戦初勝利。なんかこの魚、羽生えてて飛んでるんだけど。

 なんかお礼言ってる?かわい。

 いいよいいよなかまだもん。


 この称号いいかも。モンスター達と触れ合えるし、少なかった友達が増えていく。

 はっ!もしかしてこの称号呪いじゃない!?  ←今更


 あ、もうこんな時間か。今日はそろそろ落ちるか。恋くんには明日謝らなきゃな。


 一応謝罪メッセージ送って、ログアウト。


 ◆◇◆◇


 マイルーム。なんか久しぶりな気がする。

 お風呂入って着替えて、大学の課題終わらせて寝る。

 ふう。明日は何しよう。


 ―――――――――


「よっちゃん〜!おっはよー!」

「ああ。おはよう春香」


 大学。今朝寝坊したせいでログインできなかった。私のバカ。


「どう?AWO。最高でしょ」

「うん。なんか昨日いろいろあったけど」


「へえ〜何があったの?」

「それは後でログインしたら教えるね」


「もったいぶって〜気になるなあ」


 木下春香。名前だけで分かった君は記憶力が良いだろう。

『椿』だ。

 ちなみに私をAWOに誘ったのも春香。

 PNの由来は単に木と春で椿。


 私の名前?あらすじに書いてあるよ。

 モロ男の名前で親は何考えてつけたんだと思う。もう居ないけど。


 平野義意ひらのよしむね。戦国時代にいそうな名前だ。


 柊っていうのは9割語呂が良いから。

 一応椿と合わせたところもあるけど、あえて言うなら義が「ぎ」とも読めて、意が「い」とも読めるからそこから並び替えて。

 この名前で何度男子と間違えられたことか。背も高いし貧ny…控えめな胸だし、スカートよりズボンの方が好きだし。


 この男装女子の才能のロイヤルストレートフラッシュ。

 一応髪は肩まではあるけど基本縛ってるし、元々学校ではクールキャラで普通にイケメンだから、いまや男子より女子にモテるぜ!私は恋人なんざいた事無いけどな!


 バレンタインはチョコの数は食べすぎて鼻血が出る程度には毎年貰う!

 そして男子からは憧れの眼差し…ではなく嫉妬の眼差し!

 ざまあねえな男子!はっはっは。


 だからゲーム内ではお姫様系で行こうと思って髪伸ばして白にして、目の色変えて、印象ガラリと変えたのにどうしてあんな無骨なレアジョブを…魔術系とかにすればよかった…


 まあ面白いから良いけど…ウサギさんはいつかミートパイにしてやろうと思ってる。

 初っ端から露出高いんだよ!せめて「麻の服」とか寄越せよ!普通の初心者はそうじゃん!

 だいたいレアジョブならもうちょっと優遇を……


「あ、よっちゃん。そう言えば知ってる?第二回イベント」

「イベント?」


「そ。丁度再来週だって」

「なにすんの?」


「個人ではバトロワ→トーナメント。団体ではギルド対抗バトロワだって」

「ギルド人数制限とかは?」


「無し」

「小規模圧倒的不利」


「なんかバランス取る仕組み的なのはあるね。単純なバトロワじゃなくてポイント制っぽいし」

「まあいいか。ていうかそれって私もでるの?」


「あたぼうよ」

「何ムーブ?」


話していると教授が入ってきた。続きは後にしよう。


 ◆◇◆◇


『わふっ!』


 家に帰ってログイン。目を開くと平原に一人。

 え、リスポーン地点じゃ無いの?まあいいか。

 榎に鶏肉あげて、転移。


 宵ノ街。


 ギルドに入ると、ギルマスと目が合った。


「なんだそのオオカミ」

「あ、言ってなかったですね。マイテイムモンスターです」


「《ギルメン集合》」

「「「「馳せ参じました」」」」


 何このノリ。私知らない。

 なにかのギルマスの権限っぽい。『落雷』って人と恋くんがログイン中なのに来てないっぽいから拒否権はあるっぽいけど。


 その後は昨日あったことを根掘り葉掘り聞かれた。

 なお恋くんの事については一部隠蔽。


 なんやかんや盛り上がった。このギルドでなら上手くやれそうだ。

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