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ANCIENT WORLD ONLINE  作者: 桐に鳳凰
CHAPTER TWO
33/40

THIRTYTHIRD:炎と地獄

少し余裕があるので久々に投稿。

『よぉ来たな、柊とやら』


 燃え盛る炎の大樹の前で、赤い髪の、四本腕、七本指の少年(少女?)が顔に合わないドスの効いた声で言った。


『お主が用があるのは儂の飼い犬のようだが、少し儂も興味があってな。リスとコトリと水龍に許しを得て、エヴィから証を受け取った人間とは…中々おるまいて』


 少年の足元には、三首の、真紅の炎を纏う大狼。


『おっと、自己紹介が遅れたのぅ。儂は日神之人アルアスエート。火と光を司る神使よ』


 漆黒の瞳が私を見据える。

 なんかとんでもないものに会った気がするのは気の所為だろうか。



 始まりは数分前――――――


「やっと火山に着いた…」


 紆余曲折の末、漸く目的地に着いた私は、ほっと一息吐く。

 すると目の前に赤い大蛇。


炎大蛇フレアスネイクに発見された】

炎大蛇フレアスネイクは逃げ出した】


 戦闘態勢に入ろうとすると、私を見るなり一目散に逃げ出した。


『わう?』

「あ!逃げた!榎追うよ!」


 初手逃走のモンスターは経験値が美味しいと相場が決まっている。

 はぐれたメタル的な存在かもしれないし。


 しかし、しばらく追いかけると、そこに居たのはこちら。


紅陽プロミネンス偽竜ニアドラゴンに発見された】


 かっこいい名前と共に目に入ったのは、王鱓より一回りデカい、巨大な蛇。

 体に太陽の紋章が刻まれ、炎を纏うその姿は、竜に間違われるのも納得だ。

 めちゃめちゃ強そう。


「あ、お母様ですか、すいません息子さんにご迷惑おかけしました。それでは…」


紅陽プロミネンス偽竜ニアドラゴンがスキル《光煌牙》を使用】


 許してくれないようだ。

 なんかどう見ても即死しそうなくらい熱々に燃える牙が私に迫る。


 ギリギリで躱すと、後ろの岩が溶けて無くなった。


紅陽プロミネンス偽竜ニアドラゴンが…

『やめい赤蛇』


 来る次の攻撃に構えようとすると、そこに現れた。


日神之人アルアスエート に発見された】


『我が子を追いかけ回されて怒るのは当然だが、其の者は儂が饗そう』


 大蛇が沈黙し、私をキッと睨んで離れていった。


「えっと…」

『さて、《地獄ヘノ招待状》』


 ひらりと、私の手元に炎の文様が描かれたチケットサイズの赤い紙。

 眼の前が歪み、次の瞬間には広い部屋にいた。

 中華風の玉座の間。壁は溶岩に覆われ、柱は真紅の炎を纏う。

 周りには全身赤い甲冑の兵士がずらりと並び、玉座の横には三首の赤い大狼。


 彼(彼女?)はツカツカと玉座の方へ歩いていき、座った。


『よお来たな、柊とやら。

 お主が用があるのは儂の飼い犬のようだが、少し儂も興味があってな。リスとコトリと水龍に許しを得て、エヴィから証を受け取った人間とは…中々おるまいて。

 おっと、自己紹介が遅れたのぅ。儂は日神之人アルアスエート。火と光を司る神使よ』

「え?えっと…」


 え?なにこれどういうイベント?



 \ピコン/

【称号:真紅と新緑 を獲得】

 ┣獲得条件:特殊ルート[Gルート]でマップ”地獄”に踏み入る。

 ┗効果:地獄街八苦地区全ての施設が利用可能。


 \ピコン/

【称号:UNDER WORLD を獲得】

 ┣獲得条件:世界で最初にマップ”地獄”に踏み入る

 ┣効果:業炎属性獲得。

 ┣効果:炎属性耐性(大)

 ┣効果:即死属性耐性(大)

 ┗備考:まさかこのルートで入る人が最初になるとは…


 なんか称号もらったし。


『後継は積極的に増やして行かねばならん』

「後継?」


『そう。今のお主は我々「神之下僕」の一人に成る道の上よ』


 カミノシモベ?ああ、あの「森神之獣」とか「日神之人」とかか。


『では聞こう。お主が強くなりたい理由は?』


 なんか重要な分岐になりそうな質問だなぁ。

 なんか榎はさっきから困惑してるし。


 じゃ、ここは正直に。


「この世界を楽しむためですかね」

『…ほう。具体的にどうゆうことか』


「普通に強敵と戦うのは楽しいじゃないですか」

『なるほど』


「強敵と戦うためには強くないと無理でしょう」

『はっはっは。お主は単純で良いな』


「これでも頭は良いんですよ?」

『まあ良い。嘘ではないようだし、外道の行いの為に使うのでなければそれで良い』


 嘘ついたらアウトって感じなのかな。


『良し、この先へ進むことを許そう』


 \ピコン/

【エクストラユニークストーリー:THE WORLD GUARDIAN が開始された】


『それとほれ。2つ目の「証」よ。受け取れ』


【勇猛 を獲得した】


 ◆◇◆◇


「めっちゃ怖かった…」

「と、とりあえず再生してやるよ」


「頼む…」

「《部位再生》 それにしても何したんだお前」


「脅してタクシーにした」

「GMコールされなくて良かったな」


「そしたら人気のないところに連れてこられてボコられて百万ゴールドと国宝巻き上げられた」

「自業自得過ぎるな」


「なにあの娘。怖い。”ムカつくんで右足潰しますね”だぞ?」

「俺も怒らせないようにしよう」


「痛覚なくてもめちゃめちゃ怖いし…」

「普通強要してアイテム差し出させるとかするとBAN喰らうけど、お前の場合AIにも自業自得判定されてるな」


「マジで殺されるかと思った。リアルでも今俺背汗びっしょりだ」

「何取られたんだ?」


「時間の書」

「おまえ…それ大丈夫か?」


「国に帰れない…部下たちに殺されるかも…」

「まあその気になれば身包み剥がすことも出来たんだし、それよりはマシだと思えよ」


「あの娘のジョブ、レアジョブってこと以外、信長教えてくれなかったんだけど、何?敵殴り殺してたけど」

「言うわけねえだろバカ」


「だよなぁ。推測するに『蛮族』とか『拳闘士』とかか?」

「それはそうと、用事ってなんだ?」


「ああ。依頼があるんだけど、人伝に頼みにくくてな。個チャでやる内容でもないし、面と向かって」

「断る」


「そう言わずに。お前にとっても良い話だから」

「絶対めんどくせえじゃん」


「炎狼王討伐計画(有力)」

「…詳しく聞こう」

もし嘘を吐いた時の反応


『…心にも無いことを云うものよ。そなたに【真実】は似合わぬな』

    ⇓

アイテム【真実】没収

    ⇓

『不快だ、失せろ。貴様に用は無い』



分岐をミスればイベントがめんどくさい方向へ進み、最悪イベント失敗する

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