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ANCIENT WORLD ONLINE  作者: 桐に鳳凰
CHAPTER ONE
3/40

THIRD:初デスとリス様

 森を探索。


【どんぐり を獲得】

【薬草(微) を獲得】

【只の石ころ を獲得】


 色々落ちてる。

 こういうのワクワクするよね〜。


森子狼フォレストリトルウルフ に発見された】


 わっ小型犬サイズのオオカミだ!かわいy…


森子狼フォレストリトルウルフがスキル《カミツキ》を使用】


 うわっあぶな!地味に速い!

 私間合いが狭すぎるから当たりにくいし…

 ていうか私も持ってない「スキル」使えるんだ…なんかショック。


森子狼フォレストリトルウルフが突進した】


 ほいっと躱して、パンチ!


森子狼フォレストリトルウルフに88のダメージ OVERKILL! 森子狼フォレストリトルウルフは爆四散した】


 なんか風船みたいに弾けとんだ。まあそこまでリアルだったらグロゲーになるからだと思うけど…


【状態異常:返り血 を受けました】


 ん?状態異常?


 \ピコン/

【称号:初めての状態異常 を獲得】

 ┣取得条件:状態異常を初めて受ける

 ┗効果:メニュー欄の『状態異常について』の項目が開放


 ほう。どれどれ?


『状態異常について

 状態異常とは、条件を満たすことで有害な効果を付与された状態のことです。

 状態異常は数多くの種類が存在します。

 後述の状態異常は一部の代表的なものであり、全てではありません。

 臨機応変に対応しましょう。

 毒     【詳しく見る】

 睡眠    【詳しく見る】

 麻痺    【詳しく見る】

 硬直    【詳しく見る】

 骨折    【詳しく見る】

 恐怖    【詳しく見る】

 絶望    【詳しく見る】

 石化    【詳しく見る】

 返り血   【詳しく見る】』


 あったあった。返り血だ。タップ。


『返り血:「血の流れる生物」をOVERKILLした際に稀に受ける。肉食系モンスターが寄ってきやすくなり、憲兵NPCに警戒される』


 なるほどね。

 じゃあ。この目の前に現れたクマさんは、この匂いに釣られた訳だ。


 …低確率エンカウントって聞いてたんだけど。


【悪熊に目をつけられました】


 はい。フラグ回収☆

 いやー前話であれだけ言ってたんだから、そりゃあ出会うよね。


 即、逃走。

 私はラノベ主人公みたいにレベル1でボスモンスターに挑んだりしないから!


【悪熊がスキル《咆哮》を使用】

【状態異常:硬直 を受けた】


 一瞬、動きが止まる。

 その間に、クマさんが追いつく。


 硬直が解け、走り出すも虚しく、大きな爪が私の背中を切り裂いた。


【780のダメージ OVERKILL! 輪切りにされ、死亡した】


 ◆◇◆◇


 リスポーン地点へ。

 ああ!所持金500Gになってる!あとどんぐりも消えた!


 あいつ許さん。次会ったら殺して返り血を浴びてやる。


 500G、出し惜しみしてないで使っちゃえば良かった。

 よし!なんか買お。


 お店は…道具屋、武器屋、防具屋どれにするか。

 武器屋は意味ないのが悲しいけど…まあ防具屋かな。


「いらっしゃいませ~」


 店員NPC…じゃない!こいつプレイヤーだ!


「え?なんでプレイヤーが?」

「あ、新規の方ですか。今私アルバイト中です。お金貰えるんですよ」


「へえ〜そんなのあるんですね」

「もう何でもできますよ。憲兵NPCの中に偶にプレイヤーが混ざってることもありますし」


「ゲームの中でまで働きたくないですけどね」

「まあそれは言えてますけど、普通に狩るより安全で給料も高いですし。レベルは上がりませんけど」


「それはそうと、篭手とか無いですか?」


 篭手。せめて防御手段がほしいけど片手塞がれるのはキツイから。


「ああ。篭手なら、初心者に買える物ならこれですかね」


 〔森子狼フォレストリトルウルフの骨と毛皮の篭手 レアリティ:E 品質:C 耐久:30/30 価格:500G〕

 ┗腕のDEF上昇(小)


 うっ全財産ぴったり!


「さっき熊に殺されたんで、持ち金全額ですね…」

「へえ。熊に会ったんですか。まあそれはご愁傷様です。これ以上安いものはありませんよ」


「うう…じゃあ買います」


 両腕に付ける。


「そういえばその格好、どうしたんですか?」

「いやこれは私のレアジョブの影響でして…」


「へえ!レアジョブなんですか。一体どんな?あ、言いたくなければ言わなくても結構ですけど」

「別に良いですよ。今は〈狂戦士見習い☆☆☆〉です」


「ばーさーかー」

「はい」


「ほしみっつ」

「はい」


「それ無闇に言わない方がいいと思いますよ?なんか知らないところから勧誘されたりするかもなんで」

「いやこれ弱いんですよ。紙防御、MP無しの物理攻撃特化。そのくせ武器使用不可というクソ制限付き」


「武器使用不可!?ああ、だから篭手を…確かにこのゲーム、武器じゃなくても重いもの、硬いもので殴ると相応のダメージ受けますからね」

「え?そうなんですか?」


「あ、知らなかったんですね。この世界、めっちゃ物理法則に忠実ですよ。例えば上空に行き過ぎると状態異常:酸欠が付きますし、竹に火をつけても竹の水分でなかなか燃えませんし。運営によれば相対性理論まで再現してるらしいですよ」

「どんなプログラムしてるんですかね」


「ま、頑張ってください」

「はい。ではまた」


 いい人だった。PNが「メムメムメルメム」ね。癖強いな。

 め…めむめむめむ…めむめも…言い辛。


 さて、また森へ。今度は死なないぞ!


 ◆◇◆◇


 ……………


【どんぐり を獲得】

【ちょっときれいな小鳥の羽 を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【ちょっときれいな小鳥の羽 を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】

【ちょっときれいな小鳥の羽 を獲得】

【どんぐり を獲得】

【どんぐり を獲得】


 はっ!ついどんぐりコレクションを作ってしまった。

 全部形が違うんだよなあ。

 ん?なんだこいつ。


【リス様 を発見した】


 リス様?


『どんぐりちょーだい』


 かわい。あげよ。


「いいよ。何個?」

『さんじゅっこ』


「はいどうぞ」

『ありがと。はいおれい』


 \ピコン/

【臨時称号:森のなかま を獲得】

 ┣取得条件:森の賢者の一人に特定のアイテムを30こあげる。

 ┣フィールド:森の中に限り、自分からモンスターに攻撃しないかぎり、モンスターは攻撃してこない。

 ┗この称号は24時間後に消滅する。


 へえ〜こんなのあるんだ。まってこれ、私常にワンパンなんだから最強にならない?


『いっぴきでもこうげきしたらなくなるよ?』

「あっはい」


 そう簡単にはいかないか。


『あとこれ。はい』


【経験値を獲得】

【レベルアップ LV1→LV2】

【スキル《溜めパンチ》を獲得】


 経験値くれるの!?リス様最高!


『またね』

「ありがとうございます」


 その後、どうせならと森の中を探索。


 結論。森子狼フォレストリトルウルフちゃんもふもふだった。

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