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ANCIENT WORLD ONLINE  作者: 桐に鳳凰
CHAPTER ONE
28/40

TWENRYEIGHTH:進化

 深緑魔結晶ゲット。

 まあまあ強かったけど、フィルワード君には全く及ばない感じの緑のゴーレムを倒したらゲットした。

 ボスは…まあ行っても良かったけど、フィルワード君でもうお腹いっぱいかな。リアルではお腹すいたけど。


 榎と私進化させたら落ちるか。明日も大学だし。


 ということでヌシの森。


 スライムや森子狼達と会うのは久しぶりだ。少しモフっていく。


 ついでにほら穴に行くと、クマさんとテンさんが丸くなって寝ていた。

 そういえば熊は昼行性だけど貂は夜行性だよね。テンさんは…寝てる。

 まあその辺は気にしない方が良いかな。


 あ、ふたりとも起きた。ごめん起こして。


『…ガウ』

『フィヤ』

『わうわう』


『ガウガ』

『わう』


「何話してるの…」

『フィヤフィヤ』


 まあいいか。


「榎!進化しよ!」

『わう!』


 てくてくとこちらに寄ってくる。

 榎の前に必要分の深緑魔結晶を置く。

 今のところ飛龍も「永遠」とやらも無いから、まあこれでいいか。


【進化を開始】

【深緑魔狼(子供) → 深緑魔狼・無垢之童 へ進化】

【進化獲得スキル:《成長》《枯命》《森遊戯》】

【進化を完了】


 リス様の介入は無し。まあ毎回あるわけでは無さそうだ。

 榎の緑の毛並みは深さを増し、心なしか雰囲気も変わった。


「榎!スキル試してみて!じゃあ《成長》!」

『わうっ!』


 すると、榎の足元の草が成長。

 ん?これは別に《深緑魔法》と変わらないのでは……


 ……あれ?


「榎?これどうなってるの?」

『わう……?』


 草がどんどん伸びる。MPを減らさず、ズンズン伸びる。

 もの●け姫で見たなこんなの。


 わあ。ただの草が木を越えたぁ。


「榎ストップ」

『わう!』


 成長が停止。


『ガウ…』


 クマさんもあっけに取られてる。


「じゃ、じゃあ榎、次。《枯命》!」

『わうっ!』


 これは分かりやすかった。

 さっきのびた草が枯れた。


「…なんかもシシガミみたいな能力手に入れたね」

『わう?』


「じゃ、次《森遊戯》」

『わう!…わう?』


【榎がスキル《森遊戯》を使用】

【遊び相手がランダムで決定】

【遊び相手:スライム】


 スライムがちょこんと飛び出してきた。


【遊びの内容を選択 景品:どんぐり10個】

 ▶手合わせ 追いかけっこ かくれんぼ やめる


 ふむふむなるほど。

 おもしろいスキルだな。じゃあ追いかけっこで。


【追いかけっこ を選択】

【開始まで】

【3】

【2】

【1】

【START!】


 スライムがピャッと逃げる。

 結構速い。

 けどすぐに榎が追いついて、ゲーム終了。


【どんぐり(10) を獲得】

【収納出来ない分がある】


 あ、じゃあスライムに返そ。


 スライムにどんぐりを返すと、喜ぶ素振りを見せて去っていった。

 おもしろいなこれ。まあ戦闘には使えないけど。


「さてと、次は私だね」


『クラスアップ可能』のところをタップする。



【クラスアップ選択肢】


 《自然の守護者☆☆★》

 ┣自然を狙う者に超絶特効

 ┣獲得スキル:《自然の天誅》《樹空》

 ┗STR大幅UP


 《命の守護者☆☆★》

 ┣仲間を守る時にSTR倍増

 ┣獲得スキル:《随身保命》《命命命殺》

 ┗STR大幅UP


 《森人☆★★》

 ┣植物・動物系と会話が可能

 ┣フィールド:森系または草原系に限り、AGI、STR倍増

 ┣フィールド:森系または草原系に限り、毎秒HP、SP回復(微)

 ┣STR UP

 ┣人工物に囲まれている場合、全ステータス低下(大)

 ┣機械系装備使用不可

 ┣限定的モンスター化

 ┣化学物質系収納不可

 ┣文字翻訳機能消去

 ┣獲得スキル:《苔生す大地》

 ┗解放条件:テイムをしていること 一定レベル以上の獣系モンスターと交流があること テイムモンスターの好感度が最大値であること



 なんか《森人》だけ異常味があるんだけど。

 ヤバい匂いがプンプンする。


 ん?この森人…植物・動物系と会話が可能?マジで?

 人工物に囲まれている場合全ステータス低下(大)は結構痛いけど…

 文字翻訳機能消去って…え?

 それってつまりこの世界の文字が読めなくなる?


 機械系装備なんてあるんだ…ロマンだな…

 限定的モンスター化?なんだこれ。


 デメリットがいくつかあるなあ。


 まあでもここで他のにするとかいう選択肢は無いよね☆

 ゲームだもん。好奇心の赴く儘に。


【クラスアップを開始】

【特殊イベントの条件達成済みを確認】

【やっときた。なんでぜんかいもりでしんかしなかったの?】

【はい。ぷれぜんと。これでさいごだよ?】

【リス様 より、禁断スキル《狂化》 を獲得】

【クラスアップを完了】


 ……《狂化》?

 使ってみよ。


「《狂化》」

【⚠警告⚠ 本当に《狂化》を使用する?】


 んん?こわい事言うな。

 だってスキルの説明、あるやつと無いやつがあるし…あ。これは説明ある!見よ。


《狂化》

 ┣死亡、または気絶するまで解除不可

 ┣STRが爆増

 ┣AGIが爆増

 ┣状態異常:返り血の量に比例してSTRが増加

 ┣注目されている数に比例してAGIが増加

 ┣最大SPが増加

 ┣人語が理解できなくなる

 ┣10秒に一度誰かに攻撃しなければ、その後2秒毎に自分へダメージ最大HPの10%

 ┣発動5分後、死亡

 ┗生物を殺す度、HP、SPが回復


 ひっ。

 こわいこわい。なにこれ。

 奥の手って感じ?


「やっぱ使わない!」

【《狂化》の使用を取り下げた】


 ホントにいざという時だけだなこれは。5分で死ぬんじゃデメリットのが多い気がするけど。

 人語が理解できなくなるって…こっわ。


『わうっ!』

「お!ホントに理解できる!」

『ガウ?』


 マジで分かる…耳で聞く分にはいつも通りの鳴き声なのにちゃんと理解できる…

 どうなってんのこれ。どういうプログラム?


 具体的に言うなら、声を聞くと、それが意味する単語が頭に浮かぶって感じ。

 おもしろいなこれ。


 ま、その他の検証は明日にして、そろそろ落ちよ。


『わうっ』

「うん。じゃまた明日ね」


 ◆◇◆◇


「よっちゃん。オークションは結局誰になったの?」

「ああ。落雷さんが165万で持ってったよ」


「まあそれくらいするよね。再生する氷属性の剣とか初めてみたもん」

「春香は要らなかったの?」


「私は『狂イ落』があるからなあ。私のジョブ、刀系でしか使えないスキルばっかだから。装備はできることはできるんだけどね」

「へえ。装備不可とかじゃないんだ」


「うん。その気になれば弓でも槍でも使えるよ。ただ向いてないってだけ。だからよっちゃんの武器使用不可っていうのは驚いたね」

「そういえば春香の『狂イ落』の《落首》ってやつ。あれなに?」


「ああ。あれはねぇ。距離無視の即死属性斬撃攻撃。けどもちろん制限はあって、指定対象が少ないほど強力になる」

「なにそれおもしろそう」


「例えば『世界中の全員』にしたら、世界中の全員に蚊が止まったくらいのダメージが行くだけだけど、『ギルメンだけ』にしたら喰らえばほぼ即死の斬撃になるよ。まあ即死無効があったり、斬撃を防げるほどの防御力か躱せるほどの俊敏性があったら別だけどね。よっちゃんは安全エリアに居たから無理だったけど」

「へえ。それにしても距離無視ってすごいね」


 あーあ。帰ってゲームしたい…

 授業退屈だし、榎が恋しい。


 あ。そういえばこの前大学図書館で借りた本返してなかった。返却期限今日までだ。

 めんどくさいけど行かなきゃなぁ。


「春香。ちょっと図書館行ってくるね」

「りょーかい。じゃ先に帰ってるね」


 ◆◇◆◇


 この大学図書館はかなり広い。

 結構おしゃれで静かだから、課題消費スポットらしい。

 まあ私は家で十分だけど。


 受付に行って、本を返却する。

 どうせなら何か借りようかな……ん?


 ドサドサと、大きめの音。

 振り返ると、茶髪の、19〜20くらいの女性が、本をぶちまけていた。

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