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ANCIENT WORLD ONLINE  作者: 桐に鳳凰
CHAPTER ONE
19/40

NINETEENTH:闘技場、再

月間SFVRゲーム部門10位!


すごい!

 闘技場。

 経験値効率はやっぱここだね。あの鉱山、地潜子竜くん以外経験値クソだったし。

 現在LV39。多分40でなんかスキル修得できそうだから、ちゃっちゃとレベル上げちゃおう。

 榎もこれ以上進化させたら凄いことなりそうだし。わくわく。


 あとこの新装備も試したい。《爆裂拳》は私のリクエストだから良いとして、《鉄》って何?

 シュウマ…鍛冶王に聞いたら、「知らん。ただ、強力なんは確かやで」としか言わないし…

 本人によると、オリジナルスキルというのは普通、既存のスキルを『理想』に沿って変異させたものらしいけど、これは変異に変異を重ね、最終的に『概念』そのものになったスキルらしい。

『一文字スキル』と言うそうだ。効果は本当に使ってみるまで分からない。

 ただ、総じてぶっ壊れスキルらしい。


 《強者之魅了・戦場花魁》は、もう…なんだろう。嫌な予感がする。

 なんか…怖い。野生の感?多分魅了系の技なんだろうけど、ステータスにCHA(魅力)とか無いし…


 まあいいや。


【マッチングしました】

【PN:戦士君 LV87】


 ん?


『わう?』


 ◆◇◆◇


「おう?」

「マジですか…」

『わう…』


「お前なんでLV39の癖に俺とマッチングしてんだ?」

「前回66に勝って、それよりもっと強くなったからですかね」


「うわ『闘技場の新星』かよ。お前PVP得意なのか」

「というより周りの戦闘が完全に素人というか…」


「なるほどね。椿のPSオバケっていうのはマジってか。まあ俺も『孤高の剣聖』の戦闘みたことあるから知ってるけど」

「私は普通に相手の行動を分析して普通に殴ってるだけですよ」


「世界はそれを天才と言うんだぜ。ゲームなんだから戦闘素人で当たり前だろ」

「貴方は素人なんですか?」


「はっはっは。ヒント:戦士 せん−し〔名〕 戦場で戦う兵士」


 来る。


「《十字飛斬撃クロスロングスラッシュ》」

「《超速突進》《縮地》」


 上へ飛び上がり、飛ぶ斬撃を躱し、そこから縮地で移動。

 相手の得物は双剣。近距離連撃型。

 一撃は弱いが今の斬撃を見る限り振り抜く速さが尋常ではない

 出し惜しみしない方が良さそうだ。


「《回転斬撃トルネードスラッシュ》」

「《二段撃》《爆裂拳》」


 爆発。二連続。

 戦士君がノックバックし、3mほど吹っ飛ぶ。


「榎!」

『わうっ!』


 木の槍が出現し、地面から突き上げる。

 戦士君は空中で半回転し、剣を槍の先端に刺し、そこからバク転して回避。


「範囲攻撃中距離型(優秀)と単発攻撃近距離型(化物)か…そりゃ一対一なら無双するわ」

「《鉄拳》《二段撃》」


「《剣受相殺ソードパリィ…え?」


 それ分身。私は後ろ。

 よし!闘技場は相手の手札バレを防ぐためにバトルログは出ないけど、多分これはクリティカル!


「うわ攻撃力たっか。ホントにレベル39かよ」

「なんかSTRは上昇効果けっこうついてるからね」


「本気出すか」


 多分ハッタリじゃない。今まで剣士系レベル30くらいから使える通常スキルしか使ってなかったし。


「《幻影分身》」

「《戦火纏》」


 戦士君の剣が赤い炎に燃えだした。


「うわ増えた。本物は…瞳の色で分かるか」

「燃える剣…浪漫だね」


 離脱。多分アレ攻撃力も上がるから紙装甲の私はだいぶ危ない。

 まあHPも高いから、即死は無いと思うけど…


「《戦火双剣術 上司の自棄糞、無謀な突撃》」


 超速の一線。

 うわ一撃でHP6割減った!即死判定は免れたけどお腹に火傷。


「なんで死なないんだ?39だよな…」

「《超速突進》」


 勢いを乗せてジャンピングキック。

 剣で受ける。


「榎!回復お願い!」

『わう!』


 3割ほど回復。これ以上は流石に隙になる。


「《二段撃》」

「《戦火双剣術 家族の御守、血の香》」


 爆発。しかし防御スキルで受けられる。


「榎!武器プリーズ!」

『わう!』


 槍や木刀が地面からたくさん。


「うりゃあ!」


 STRを込めて思いっきり投げる。

 10連続。


「《戦火双剣術 命と云う名の消耗品》」


 戦士君がその全てを斬り伏せる。


「終わりだ。《戦火双剣術 止めは情け、開放は其処に》」


 ◆◇◆◇


 負けましたねはい。まともに負けたのクマさん以来だな。

 けっこう瞬殺だった。

 最後のアレ。「命と云う名の消耗品」だっけ?あれがもう…馬鹿げてる。

 飛んでくる槍を縦に斬るとか、もはや漫画。緋○剣心とか石川○エ門のたぐい

 いや双剣だとリ○ァイ・アッカー○ンとかロ○ノア・ゾ○とか?あいつは三刀流か。


 〚戦士君:残念だったな。けど経験値めっちゃ少ない…〛

 〚そりゃあレベル半分以下の敵倒しても〛

 〚戦士君:そこそこ強かったんだが〛

 〚やっぱり手札が少ないですね私〛

 〚戦士君:まあ戦闘センスはイカれてるけどやっぱレベル差だな。仮にお前がLV80あったら余裕で負けてただろうよ〛

 〚そっちは少なくとも素人じゃ無かったですね〛

 〚戦士君:まあ一般人よりは戦闘に長けてるな〛

 〚まるで一般人では無いような言い方〛

 〚戦士君:リアルの話はマナー違反だぜ〛


 さて。気を取り直してもう一回。


 ◆◇◆◇


 負けた途端、LV60くらいにマッチングするようになった。連勝し続けたら上に当たりやすくなるのかな。


 それはそうとスキルを試すタイミングが無い…

 今試せてないのは…あ、結構ある。

 《丸呑み》《強者之魅了・戦場花魁》《鉄》

 そんでレベル上がって現在41になって、新スキル《鉄心》も覚えた。

 あと戦士君戦では榎の魔力、篭手に流す暇が無かったし、他は使うまでも無かったからそれも試せてない。


 来た意味無いじゃん。レベルは上がったけど。


 仕方ない。どっかで一人で試してみるか。


 榎は29。もう少しだけど急ぐ訳でもないし、後で良いか。


 ◆◇◆◇


『お、君は柊さんじゃないか。今日もMUSCLEしてるかい?』

「『MUSCLEする』とは」


『それはもちろん、MUSCLEをPOWERするってことさ!今日もMUSCLEをBUILDしていくかい?』

「ちょっと何言ってるかわからないですね」


 このNPC。会話は滑らかなのに成り立っていない。

 お察しの通り、流れ着いた海の漢達だ。こいつはそのリーダー。

 彼は私を筋トレに誘って居るようだが、やんわりと断る。


 今回用事があるのは彼ではない。が、近くに寄ったのでクエストクリア見ていくか。


 残っているのは木材あと20kg。こんなの一瞬じゃん。なんで椿放ってるの?


「榎、木ぃお願い」

『わう!』


 にょきにょきと、木が一本生える。

 それを殴り折って、榎に加工してもらい、渡す。


『おお!これで十分だ!ありがとう!』



【オリジナルイベント:海の漢達の頼み(ギルド受注) クリア】

 ┣貢献度:椿 33% 柊 32% 信長 18% 戦士君 17%

 ┣報酬:200000Gを貢献度に応じて配布

 ┣報酬:『トレーニングセット』開放

 ┣報酬:船乗の御守 配布

 ┗備考:彼等は再び海に旅立つ。更なる筋肉(MUSCLE)を求めて。



 ……トレーニングセット?

 取り出してみると、けっこうデカい。ていうか多い。

 えっと…ランニングマシン(トレッドミル)と、ダンベルセットと、チェストプレスとエキスパンダーと……

 うわ結構ある。ジムじゃん。


「じゃ、私はこれで」

『総員!敬礼!MUSCLE!』


 ブレないなこいつら。

 さて、あの海底洞窟ダンジョン行こ。あそこなら一人だし、マトもいるし、今のレベルなら余裕だろう。

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