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人間より上位な者6
「颯太が魔法使いで華王先生が結界師!?」
儚が大きな声で繰り返す。
半分くらい放心状態の儚は無視して先生の話を聞くことにする。
「で、話って?」
先生は俺達をその辺の椅子に座らせる。宙に浮いてる湯呑みが机に置かれる。
「簡単だよ。学校の怪事件を解決してくれ」
「あ、あの、学校で多発している盗難事件ですか?」
儚は理解出来ないことを理解しない事で平然を保った様だ。
「人の仕業じゃ無いからね。かと言って表立ってそういうのを生業の人達に任せると生徒がビビる。だから、私のツテを使う訳だよ」
「そのツテって、俺ですか」
「それ以外誰がいる。儚か?一般人だろ」
「ねぇ!どういう事なの!?」
あの後、何事も無かったかのように時計の針は進んで放課後。
部活に出る生徒も多い中、教室に最後まで居座って2人きりになった途端詰め寄られる。
「ち、近いって!」
あわやキ、キキキ、キスができる距離だった。
心臓がドキドキなって、思わず儚の肩に手を置いて距離をとる。
その動きやした直後少し後悔が襲ったが。