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俺達は世界の後始末  作者: 新規四季
4/8

人間より上位な者4

「はーい、おはようございます。なんか空席ありだけど出席取りマース」


ガラガラと大きな音が鳴る引き戸を開けてクラスの担任らしき人が入ってくる。

スラリとした体型と、キリリとツリ目っぽい凛々しい目は、長身と相まって冷たい印象を人に与える。

そんな雰囲気に似合わず、のんびりとした口調で空席を見ながらため息を着く。


「わー!待った、待った!」


誰も居ない廊下を爆走するのは俺と儚だ。

人の気配が静まった一本道を足音で乱していく。


家からずっと全力疾走でも何とかなってるのは、ひとえに魔法のおかげだが、儚は魔法は全く使えない。持ち前の身体能力だけで魔法を使った俺と同じ事が出来ることに悔しさと羨望が混ざる。


「またか墨田と、神之」

「す、すいませんでした」


俺が膝に手を置いてぜぇぜえ言っている隣で平然と息を整えて謝罪してる。


「ギリOKにしてやるから早く座れ」

「ありがとうございます」


担任の慈悲で何とか遅刻は免れてそれぞれ席に着く。

席に着いたのを見てから担任が話し始める。


「じゃ、まず連絡事項な。最近物が無くなる事が発生しているらしい。身に覚えのある奴もいると思うけど、今学校側でも調査してるけどあんまり貴重品とか持ってこないよーに」


「誰が犯人なんだろうね」


俺の前の席の女子で、お喋り好きな京子が俺の方に向き直って聞いてくる。


「京花さん。でもコレって学校全体で起こってるんだろ?犯人一人じゃ無理だよな」

「そうだねー、怖いねー」

「あんまり思ってなさそうだな」


京子と一言二言喋っただけなのに儚からのジトッとした視線を感じる。

京子は俺の視線の先の儚を見るとニマニマして満足そうに前を向く。


「あー、それと墨田と神之。あとで職員室来い」

「……怒られる?」

「ドンマイ」


京子がそう言って肩に手を置く。


「いい笑顔で言ってくれるぜ」

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