人間より上位な者2
「アイツ手で顔隠してたけど隙間空いてたしバッチリ見てたな……」
まあ、あまり時間に余裕は無いしさっさと着替える事にする。
高校生ではあるが、普通とは少し違う。
でも、そんな事は些細な事で、意識しなければ分からない程度だ。
「おはよう」
「もう、やっと来た」
「ははは、もっと言ってくれ。コイツと来たら儚ちゃんの言葉しか聞いてくれないからな」
とは、親父の言葉だ。
新聞を読みながらズラしたメガネ越しに俺と儚を交互にみてのんびりしている。
儚は家事をよくしてくれる。居候という事を負い目と感じてる節はあるが、顔が赤くなるまで急かせかと働かれてもコッチが申し訳なくなってくる。
「親父は余計なこと言うな。儚、顔少し赤いぞ」
「うへっ、な、な」
「家事が負担になってないか?」
「なー……はぁ、鈍いな」
「ん、何だって?」
「なんでもない、別に負担じゃないし、これくらいはやらせてよね」
ため息を吐かれてしまう。何がいけなかったのだろうか。親父はニヤニヤしてるし。
俺は席に着いて用意されている朝食を食べようと、いただきますしようとして、固まる。
嫌いな物があるとか、量が少ないとかそんな事じゃなくて、俺の膝の上に座るおかっぱ少女。
座敷わらしだ。