偵察
早朝に山に詳しい狩人と木こりの男が我が家を訪ねてきた。
「お… おはようごぜぇいます領主様。ほ…本日はどの様な用がおら…私達にございやすか?」
木こりの男は開口一番に挨拶をしてくれたが、普段使わない言葉で詰まり詰まりの挨拶に思わず吹き出してしまった。
「ぶは…緊張しなくてもいいよ。話しにくかったら普段通りの口調で構わないよ。無礼とかそんなの気にするぐらいなら別のことに気をつけたい時だからね」
「へ…へぃ、いや、それはしかし…」
困った顔をする木こりの男に狩人が横から声をかける。
「なぁ領主様もこういってくれてんだから、その気持ちに答えようぜ。俺としては難しい言葉を考えなくて済むからそのほうが助かるしな」
狩人が砕けた口調になっても僕が何も咎めないのを見てようやく木こりのも普段の口調に変わる。
「まぁ、坊っちゃんがそう言うのならおらもそうさせてもらうだぁ」
木こりの緊張が解けたのを見計らい早速本題にはいる。
「じゃあ、早速で悪いんだけど、僕に森を案内してほしいんだ。あっ……勘違いしないで貰いたいのは散歩とか行楽とかじゃなくて、僕が望む地形とか場所に案内して欲しいって意味だからね」
狩人も木こりもポカーンとした表情で僕を見る。
「え…っと、 坊っちゃんの望む地形?ってのは… なんだべ?」
「そうだ、もっと分かりやすく言わねぇとわかんねぇよ」
抗議する2人を宥めつつ言葉で遮る。
「慌てない、慌てない。それはこれから説明するよ」
庭にでて地面に地形の要図を軽く書き口頭で特徴を説明する。
二人とも「う~ん、 見たことあるようなないような」
と腕を組ながら記憶にある地形を探す。
「あ…そういえばこの間の土砂崩れで山のほうも少し形が変わって…… う~ん 」
気になる言葉が聞こえてきたので直ぐに声をかける。
「理想はこうだけど完璧は求めてないよ。少しでも思い当たる場所があるのなら一度そこに案内してよ。」
狩人は僕が急に声をかけたのでびっくりした様子で答える。
「わ! ……こ…心当たりと言うかなんというか、まぁ、坊っちゃんがそういうなら一度は案内してもいいが、坊っちゃん大丈夫なんですかい?」
「心強い共がいるから大丈夫さ」
僕が満面の笑顔で返すと二人とも「「それならば案内しましょう」」と快諾してくれた。
実の所最後まで執事長とかは反対していたが、これは僕の命に関わる重大案件なのでグズグズしてはいられないのだ。
僕は善は急げと家の者に山に行くことを伝え、支度を整え山に向かった。




