思惑
鉄が取れるとの噂を聞いたパライア国王は直ぐに
宰相、参謀長、騎士団長を集め会議に入った。
「はっはっはー。何もない暇潰しの土地かと思っ
ておったが、まさか鉄が出るとは思っても見なかっ
たわ。」
国王が高らかに笑いながら既に手に入れたも同然
で話を進める。
これについては家臣も完全同意である。誰もが知
る最弱の領地と言われる場所である。むしろ問題は
手に入れた後にある。
今度は鉄の採掘とそれを運ぶ道路などインフラ整備
と合わせて防衛も考えなければならないからだ。
それらを踏まえ議論した結果、戦争を吹っ掛けてボ
コボコにして、賠償と称して奴等に鉄を取らせ100
年間パライア国王に届けさせるという結論に至っ
た。
この作戦の成功は誰もが納得し、商人組合、鍛冶職
人組合のトップを呼びつけ売り買いの話で盛り上が
る。
兵士の編成など考えるのも馬鹿らしいと言った感
じで、昔から「略奪するのに50揃えれば臆病者と笑
われる」と言われる場所だが、今回は「パライア国
の鉄を盗んだ不心得者を討伐する」という大義名分
があるため、兵士1000人で出兵という形になっ
た。
兵士もこの略奪し放題のボーナス出兵に意気揚々と
しており、上官から「鉄を取らせるから、殺すのは
程ほどにしろよ」と注意を受けるものがいるくらい
だった。
現在のパライア国王は先勝気分一色のお祭り状態で
ある。
しかし彼らは知らない。この先に待ち受けている結
果を。




