3話 分析
早朝から色々考えたけど、今僕に出来るプランは
ランチェスター戦略しかないな。
(あと2週間しかないんだ。やれる事は全部やっ
ておきたいな。あるのかわからないけど、もし天国
とかそんなのがあって父様と母様が見守っているの
なら滅ぼされたりしたら優しい二人なら絶対悲しむ
もんなぁ)
ルークは執事と侍女達に何でもいいので最近の隣国
情報を集めてくるよう指示し、父が使っていた執務
室の椅子に座り夢の人の人生を思いだし、使えそう
なプランを木の板にナイフで刻み、最良の一手を出
す為に打ち込んだ。
まだ10歳にならない手には木の刺や切り損ねて切っ
た切り傷があちらこちらに出来るが気にしている暇
はない。
ある程度作戦の目処がたった頃、町で隣国の情勢を
集めてきた執事や侍女に話を聞いて情勢処理をする
つもりだったが傷つきまくった手を心配され『手当
てしなければ話しません!』と皆に言われしぶしぶ
手当てを受けることになった。
手当てを受け、ようやく聞けるようになり集まった
情勢と父の部屋にある本の中で隣国に関係するもの
がないかを探し出し、1つに纏めた。
隣国であるパライア国はもともとは帝国に属する
国であったが、帝国からの再三に渡る増税で疲弊
し、飢饉と疫病で国力ががた落ちして治安悪化の一
途をたどった。そこを狙ったのが当時『狼の爪』と
名乗る傭兵団団長ザリトン。彼は民衆を煽動し、反
乱を起こし、自分こそがパライア国の正統な王であ
ると発表し、帝国からの独立と帝国に国を売った者
として王族全てを処刑した。統治は順当に進んだよ
うに見えたが、支配は得意でも国政を回すには不得
意で主に戦での賠償金と略奪で国を維持していて、
言い換えれば戦で略奪し続けなければ破綻する国と
なっている。
(戦慣れしている分兵士の数、練度は向こうが上で武器性能(質)は帝国と余り変わらないだろうな)
ルークは大体のプランを纏め、今回最も重要なこと
に時間を割くことを決めた。
(よし、あとは場所の偵察だな)
ルークは執事長に、森に詳しい狩人を数人明日まで
に屋敷に連れてくるよう命じ、自らも森へ偵察に出
る事を伝えた所、皆に反対されたがルークもここで
引くつもりはなく、結局庭師のブランをお供に付け
ることで皆の了解が出た。
(皆心配なのは分かるけど、今は1秒でも惜しいんだよね)
軽くため息を吐きながら明日の偵察に向けて準備を
進めるルークであった。




