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2話 目眩

 アールズ大陸221年


 複数の種族、部族、国家が繁栄と衰退を繰り返


し、歴史的に最初にアールズ大陸の6割を統一した


のがアルガン帝国であったが、政治的腐敗と反乱、


他部族から度々侵略されることによりその支配力を


大きく失い、圧政に異を唱え各地反乱から国家独立


を許すことになり、今や風前の灯火に近い国となっ


てしまった。


しかし、そんな状況であろうと富と一度味わうと止


められない権力の密に溺れ権謀術数渦巻く宮廷内で


の闘争に明け暮れる貴族達。彼らはどれだけ民が貧


困に喘ごうが関係なく明日は誰を落とし入れるかし


か頭にないのだ。


 そんな状況に心を痛め、この国と民の為にバロ


ン・アルムスという名の1人の貴族が立ち上がっ


た。


貴族会議でこの国の在り方を、民の苦しみを必死に


他の貴族に問うが、気狂いとみなされ『忠誠心溢れ


る心と、深く民を愛する貴殿ならここを治めるに相


応しい』と僻地への左遷が決定した。


バロンはここで結果を出せば周囲の貴族もきっと考


えを変えるはずと意気込み、辺境伯バロン・ランサ


ードとして再起を胸に妻イザベラとまだ幼い息子ルークを連れて領へと赴いた。


 バロンは必死に働いたが軌道に乗るには難しく、


経済的にも何か特産を得なければジリ貧であり真綿


で首を締められているのと変わらない状況であっ


た。


そんな中吉報が舞い込んだ。雨で崩れた斜面の一部


から鉄鉱石が見つかったのだ。


 バロンは大変喜び、その喜んだ姿を見て息子のル


ークも嬉しくなり二人仲良く跳び跳ねる姿にイザベ


ラも『あらあら、私だけ仲間外れは寂しいわ』とい


い3人仲良く手を繋ぎながら笑い跳び跳ねる。その


様子を家中の者達が微笑ましく見守る。


ルークの過ごした時間の中でも一番幸せな時間であ


り大切な思い出である。


 バロンは鉄鉱石が出たお掛けで、調査隊の編成や


ら帝国へ開発費援助の申請と次々に起こる慌ただし


い毎日を送る。鉄鉱石発見から2週間後、帝国から


使者がやって来た。


皇帝から『一度顔を出せ』との勅命であった。


 バロンは悲願の陛下に自分の考えと貴族の考え


を変える機会がやっと巡ってきたと使命に震え、す


ぐに支度を整え家族皆で向かうつもりだったが、ル


ークが熱を出したため、バロンは妻と帝国へ出向


いた。しかし、向かう途中何者かの手により二人は


毒殺されたのだった。


ルークは悲しみにくれ、絶望に包まれるが休む暇な


しで、すぐに次の問題がやってきた。


鉄鉱石の噂を耳に入れた隣国からの手紙で、内容を


纏めると『鉄鉱石は我が国から出土したもので、す


ぐに返せ。一月以内に返さなかったら戦で決着をつ


ける』会戦の知らせであった。


慌てて使者を送るが返答もなく、帝国に支援を依頼


するも『何故支援を送らなければならないのか?あ


なたの父であるバロンは高い忠誠心と民を思う優し


い心と強さで陛下から領地を任されたのにその息子


である貴殿は出来ないというので?』と嫌みたっぷ


りの手紙が1枚きただけであった。


 バロンが数年尽力したが劇的変化は特になく、人


口900人と少なく、駐屯兵など憲兵入れても50人ほ


どしかおらず、練度も低い。



そしてルークの領はアルガン帝国の中でも辺境にあ


り立地が悪い上に敵対する国が2国も隣接するおま


け付きであった。


もともとは[勇敢なる土地]の意味を込め[ランサー


ド]と付けられた領であったが、政治、外交的理由


で常に荒れ続けた結果、近隣からは[ガザード][貧


しい土地]呼ばれるようになっていた。


帝国からの手紙を読み、怒りと混乱でルークは目眩


を覚えそのまま倒れるのだった。











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