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第2章
第2章
あの世
体が重い。
風邪をひいたかのようにダルい。
目が開かない。
暑さ寒さは感じない。
寝ていた?ここは……どこだ?
体を動かす。手が動く。体を起こそう……
うっすら目を開くと周りは灰色の世界。
俺は……一体?
たしか武田と飲みに……
そうだ、車!
はっと目を開く。手はある。五体満足だ。立ち上がることも出来る。服は白くゆったりとした上下を着ている。靴は履いていない。
ここはどこだろう……周囲を見廻す。ただ白と灰色が入り交じりまだらになった世界。
空も地面も白と灰色だ。どこが上でしたなのか分からなくなる錯覚を感じる。
見たことがない景色だ
「お、目が覚めたかい」
ふいに女性に声をかけられる。
振り向くとそこには天女と見まごうような美しき妙齢の女性が佇立していた。
その服は羽衣のようで輝く黒髪を一つにまとめている。
「……あなたは?ここは一体……」
喉がかすれるが声は出る。
女性はふふっといたずらっぽく微笑む。その美しさに思わず息を飲む
「ここは天界です。あなたは死んだのですよ」