旅路
うさぎが跳ねた。
ノートの端に描いたうさぎがページを捲るたび、ぎこちなく跳ねる。
それは、鉛筆の軌跡。
へたくそなうさぎだったけれど、きみは無邪気に喜んでくれた。
その笑顔を、ずっと見ていたいと思った。
初めてのデート。
ぼくの一方的な話を、真剣に聞いてくれた。
いつか追いつきたい人達がいる。
途方もない目標も、素敵なことだと言ってくれた。
きみが信じてくれるなら、どんな困難も越えられる気がした。
勝手な奴でごめん。
そんなぼくのことが好きなのだと、きみは微笑む。
きみを喜ばせたかった。
それだけは嘘じゃない。
今までも、そしてこれからも。
だから、信じてついて来てほしい。
必ず幸せにする、なんて格好良いことは言えないけれど。
でも、誰よりきみのことが好きなんだ。