表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

幕間 狼神社神主の独白

「ふぁ~あ」

 わたしー狼神社神主の春野武信は、本殿の縁側に腰を下ろすと、あくびしながら体を反らした。

 背中の筋肉がほぐれてくのが分かる。気持ちいい。

(そういえば・・・・・)

 今日はアイツらいないんだったな。

 うちの息子、春野雄太とその妹分御先愛美は、いろいろあって出かけていそる。

 ピリリリリッ!ピリリリリッ!

 突然、電子音が鳴り響いた。

 作務衣の懐から携帯電話を取り出す。

「もしもし?」

「はい、ニホンオオカミ保護センターの秋葉です。この前お預かりしました絵巻物についてお話があります。」

「はい、なんでしょうか?」

 わたしが問うと、秋葉さんは言った。

「ほんの些細なことなんですけどね。絵巻物に描かれている人が愛美ちゃんと雄太君にそっくりでして。他人のそら似ですかね。」

「ええ、多分そうだと思いますよ。」

 そう返して電話を切ると、わたしは大きくため息をついた。

(やはり、言い伝えは本当だったか)

 この神社には、代々伝えられた言い伝えがある。

 かつて悪しき熊神を退治した先祖は、千五百年後に生まれ変わる。

 そのとき、再び熊神が現れ、生まれ変わりの二人はそれを退治る。と。

(あの二人は、まさに絵図に描かれた先祖に生き写し。)

 あの二人と絵図に描かれた先祖を見たとき、確信したのだ。

 あれは、先祖の生まれ変わりだと。

 そして、再び人食い熊が現れ、愛美たちは黒狼山津見と白狼吾妻に率いられた群れとともに旅立った。

(しかも雄太。社宝「破邪ノ短槍」まで持ち出した。)

 これは、先祖が熊神退治に用いたものだ。

(それを持った先祖の生まれ変わり。あの二人なら大丈夫だろう。)

 わたしは少し安心すると、社務所に向かって歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ