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1話

襲撃者アベンジャー 、彼らは30年前に突如として地球に現れた。彼らの攻撃で地球上の軍隊はほぼ壊滅した。

地球征服は目前と思われた中、日本のある科学者が 襲撃者のDNAからある薬を作り出した。


その名もFHV2020。 人間に超能力を与える薬である。

この薬品の開発により人類は襲撃者と互角に戦えるようになった。 守護者ガーディアン はそんな能力者達が集まった戦闘組織である


守護者の地方支部である白玉支部多目的戦闘課は中国地方の白玉市全域を守る部隊である。

そのメンバーもまた襲撃者と戦いを行っていた。








「襲撃者確認。数は3。種類は獣型。中心部から北東へ移動中」


多目的戦闘課の一員である八城友貴は襲撃者を追っていた。

今回の敵は獣型。襲撃者の中で最も多く見られるタイプだ。全長2mほど狼で狼のような姿をしている。動きは素早いが知能は低い。

彼が敵状を報告すると、オペレーターからの指示が帰ってきた。


『こちらでも確認しました。現在2班と4班が急行中です。彼らの到着まで取り敢えず時間稼ぎしておいて下さい』


「取り敢えずって…… 随分と適当だなおい」


『仕方ないじゃないですか。支部長の指示をそのまま伝えたんですから』


「あの人また徹夜か。そろそろ休めって言っといてくれ」


『了解しました。そちらも頑張って下さい』


そう言って通信が切られる。 彼が無線機を置いたのを見て隣にいた御華咲が話しかけてくる。


「オペレーターなんて言ってたの?」


「増援が来るまで時間稼ぎしろって。支部長からの指示だってよ」


「別に増援なくても勝てるんじゃない?」


「そんなんだからお前は一班に誘われるんだ。パトロール用装備でまともに戦えるわけないだろ」

1班は多目的戦闘課一番の戦闘部隊だ。その戦い方から戦闘バカだの脳筋小隊だの言われている。


「何よ、私が戦闘バカだって言いたいの?」


「良く分かってるじゃないか……痛っ! すまん、馬鹿にして悪かったって! だから殴るの止めて! ほら、先輩達来たから!」


八城と御華の近くに1台の車が止まる。そして中から1人の女性が降りてきた。


「車借りてきたよ、ってなにしてんのさ」

運転席から降りた女性は2人のじゃれあい(?)を見て呆れている。


「乙姫先輩! 助けて!」


「はいはい。ほら咲ちゃんストップストップ」


彼女のお陰で御華の攻撃が止まる。その隙に八城は車に飛び乗る。中にはもう1人女性が乗っていた。

その女性が八城に尋ねる。


「八城さん、外で御華さんと何されてましたの?」


「なに、いつものじゃれあいだよ」


「まあ楽しそう! 今度はぜひ混ぜて下さいませ」


その言葉に八城は青ざめる。


「止めてくれ頼むから」


「うふふ。冗談ですわ」


彼女、黒瀬ちよは笑う。だが八城は気づいた。彼女が割りと本気で言っていると。

八城の顔が更に青ざめた所で外の2人も車に乗り込んできた。


「友貴、後で覚えておきなさいよ」


御華が睨み付けるが八城は目を反らす。


「ふたりとも喧嘩しないの。早く襲撃者を追いかけるよ」


「天野先輩の言うとおりですわ。市民に被害が出ないうちに倒しましょう!」


その言葉を聞いた八城と御華は気持ちを切り替える。


「その通りだな。乙姫先輩、北東の一番大きい道路を走ってくれ」


「分かったよ。皆いいかい? いくよ!」


その瞬間車は勢いよく発車する。明らかに制限速度を超えているが気にしない。襲撃者が現れた時点で市民は皆室内へと避難している為車は1台も走っていないからだ。


彼らの乗る車は放置された車をかわしながら襲撃者達へと接近する。 襲撃者も彼らに気づいたようで3匹同時に飛びかかってくる。

しかしその攻撃は当たらなかった。車が更に加速したからだ。

攻撃を外した3匹はもう一度車に襲いかかろうとする。その時彼らの前に筒状の物体が投げられた。

その物体は2、3回地面を跳ねたと思うと、爆発し爆音と閃光を辺りに発した。


筒状の物体、スタングレネードを投げた八城は車から降り、拳銃を抜いて襲撃者に対して発砲する。他の3人もそれに続く。


何度も発砲音が聞こえ、同時に襲撃者の身体からどす黒い液体が吹き出す。八城らはひたすら撃ち続ける。しかし威力不足か、襲撃者が倒れる様子はない。

それでも撃ち続けるが、遂に弾が切れた。さらに悪いことにスタングレネードの効果が切れたのか襲撃者達が真っ直ぐこちらを見ていた。


「まずい、早く車に乗り込め!」


八城の声に促され、皆大急ぎで車に乗る。車が急発進した直後その場所に襲撃者の攻撃が飛んできた。


「これからどうするんですの?」

後部座席に座る黒瀬が心配そうな声で聞く。彼女の隣では御華が窓からみを乗り出し予備の拳銃で射撃を続けていた。


「大丈夫だ。俺たちの役割は時間稼ぎだ。もうすぐ……」


彼の言葉に割り込むように無線機が鳴る。八城は待ってましたとばかりに無線機をとる。


『もしもし、こちら4班。聞こえるか?』


無線機のむこうから男の声が聞こえてくる。


「こちら3班、聞こえてるぞ。遅かったじゃないか」


『文句いうなよ。昼食切り上げて大急ぎで来たんだ。』


「それはお気の毒に。俺たちはまだ食べてすらいないがな。それでお前達は何処にいる?」


話を切り上げ八城は4班の居場所を聞く。


『303号線を西に進んでくれ。消防署前に2班と4班共に展開してる』


「了解だ。 乙姫先輩3つ先の交差点を左折してくれ」


無線機を置き八城は道案内を始める。襲撃者の攻撃を避けながら5分ほど走り、ようやく消防署が見えた。消防署前には8人の人影があった。


そして車が消防署前を通過した瞬間、後ろから追って来ていた襲撃者達に大量の弾丸が浴びせられた。

機関銃4丁、アサルトライフル4丁によって放たれる銃弾によって襲撃者達は動きを止め、大量の液体を身体から吹き出しながら倒れた。





8月1日、多目的戦闘課3班の戦闘はこうして終結した。彼らは戦いが終わったことに安堵し、全員無事なことを喜んだ。


これから起こる大事件を彼らはまだ知らない。

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