「炎陽、煌めく縹色の海と」
point:35.306614 139.502094。炎陽に眩く、キラキラと煌めく縹色の海。
夏休みの午後。熱く湿度をまとった空気の中にいると、まるで水槽に入った魚のように息も詰まりそう。
ただ、時折に吹く南風が汗ばむ額に冷たくて気持ちいい。そして、前髪をたくし上げた私の瞳に映る全てが、ありきたりだけど掛け替えのない美しく素敵な世界。
ヘミングウェイが書いていた。
――この世界は美しい――
それは私も全般的に賛成。零号、あなたもそう思う?
でも、レオナルド・ダ・ヴィンチが言う
――美しいものと醜いものは、ともにあると互いに引き立て合う――
が正しいのなら、醜いものって私なのかもしれない。
それは命の多様性のせいで
――すべてのものは見かけ通りとは限らないから――
なら、醜いものって女子高生の皮を被った私なのかもしれない。
本当は無知な私。
本当はズルイ私。
本当はイヤなヤツの私。
友達も知らない本当の私。
私が嫌いな私は、まるで水槽の中で煌めく熱帯魚の嘘みたい……。
・彼女のSNS:https://www.instagram.com/maki_rombach_0/
・聖地巡礼:35.306614 139.502094(←数字をgoogle検索)
・引用:Culture Club - Do you really want to hurt me(←google検索BGM)
※本作品中で使用されている画像は、全て作者のオリジナル撮影写真です。また、この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。