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BLUE-HEAVEN  作者: 月色六華
Someday in the summer. Daydream of No. 14
8/40

「白絣、代赭色の線路に」

      挿絵(By みてみん)




 point:35.310921 139.534789。白絣しろがすりのような陽だまり。クラスの友達と会う約束。揺られる路面電車の車窓から覗いた夏が残る青空。午前中の陽射しは暑くも優しい。


 あまりにも晴れ渡っていたので、私は散歩がてら一つ前の駅で降りた。それは、待ち合わせの時間まで余裕があったのと、この路線の駅間が短いせいでもあった。


「今日は、とても良い気分」


 ゴトゴトと音を立て、ゆっくりと走り去る電車の後ろ姿。緑に鮮やかな花の色が咲き匂う。ただ、あとに残された代赭たいしゃ色の線路が、少し寂しげでもあった。


 友達は人生を続く線路に例えたけれど、

――どこに行くのかは分かっていても、どこから来たのか誰も知らない――。


 そして、私たちは

――どこから来たのか分かっていても、どこに行くのかは誰も知らない――。


 だから、それを生命の恒常性ホメオスタシスに照らすなら。


「いつか真希を月でもドコでも、オレが連れてく!」


 彼はそう言ってくれたから。だから、このまま線路の向こうの遠い場所へ行ってみたい。それが月ではなくても。神話に語られる“アアル”や“ティル・ナ・ノーグ”でなくても。ここではない、行くべき何処かであるのなら。


 でも、零号。

 あなたなら分かるのかしら?

 真昼の陽だまりのような眩い場所を。

 それとも、零号。

 あなたは知っているのかしら?

 私たちを待っている、そんな居場所なんて無い事を。

 それでも、無邪気過ぎる私たちは、届くと信じて青空に手をかざす。

・彼女のSNS:https://www.instagram.com/maki_rombach_0/

・聖地巡礼:35.310921 139.534789(←数字をgoogle検索)

・引用:Talking Heads - Road To Nowhere(←google検索BGM)

※本作品中で使用されている画像は、全て作者のオリジナル撮影写真です。また、この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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∎∎∎彼女のSNS∎∎∎
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