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ME&MYBOY  作者: 真矢裕美
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ハッピースクールデイ

時が流れて桜の季節がやってきました。

私が大学を入学して3回目の春を迎えました。

私は春に卒業した高校に教育実習に行くことになりました。

しかも私が担当するのは男子部の3年生です。

高校3年生に進級した拓哉と毎日顔を合わせるのです。

そう考えると今から緊張しています。

今日は教育実習の第一日目、生徒たちが私の授業を理解してくれるか不安です。

「石川さん、そんなに緊張しなくていいのよ。いつもの通りでいいから」

励ましてくれたのは3年の時の担任だった吉村先生だ。

吉村先生は私が卒業して後に男子部の生活指導に異動になったので

英語の指導も男子部でおこなうことになったのだ。

私が拓哉の学年を教えることになったことを拓哉に話したら

「毎日学校で会えるなんて嬉しいぜ」と能天気に言っていた。

「だけど、学校では先生と生徒で接していくからね」

「なんだよ、つまんねぇな。オレたち彼氏彼女なのに」

「公私混同していたら勉強に身が入らないでしょ。

とにかく、私の実習の間は先生と生徒で接していくからね」

「わかったよ。でもさ、英語のテストの問題内緒で教えて」

「それもダメ!他の生徒に不公平が出るから」

「あーぁ、つまんねぇな」

拓哉には悪いけど、実習期間まで我慢してね。

そして、実習第一日目。1時間目は拓哉のクラスだ。

吉村先生から私の紹介を生徒たちにしていた。

「今日から皆さんの授業を教えることになった石川ひろみさんです。

皆さん、しっかり勉強してくださいね。

それでは石川さん、ご挨拶をしてください」

「はじめまして、石川ひろみです。よろしくお願いします」

「それでは今日から石川さんが皆さんの授業をします。

皆さん、しっかり勉強をしてくださいね」

それまで緊張していた私は

自分の授業に生徒たちが打ち解けてくれるか不安だった。

だけど勇気を出して頑張っていこうと決めた。

「それでは今日から授業を始めていきますが、今日は第一日目なので、

皆さんの顔を覚えていきたいと思います。

それでは出席番号1番から順番に自己紹介をしてください。

そうですね、皆さんの将来の夢を聞いてみたいと思います」

そして出席番号1番から順番に自己紹介を聞いていた。

そして拓哉と友達の彰くん、尚志くん、和彦くんの自己紹介を聞いて

4人とも芸能界で活躍したいという夢を持っていることを私は確信していた。

この4人は将来それぞれの夢に向かって歩き出そうとしていることを

彼らの熱意が伝わってきた。

「それでは授業の内容は吉村先生から任されることになりましたので

少し内容を変えようと思います」

私は吉村先生に授業内容を変えて自分なりの授業したいと思った。

できるだけ細かく英語が楽しいものだとわかってほしかったから。

クラスの生徒たちは私が何を始めるのかザワザワしていた。

これから私が話すことで打ち解けてくれるといいんだけどな。

「皆さん、静かにしてください。私が変えたいのは授業での挨拶です。

このクラスの正委員は飛島くんですね。

まず、飛島くんが『Standup』と号令をかけてください。

次に私が今日は午前中なので、『Goodmorning,everybody』と

皆さんに声をかけていきます。

そこで皆さんは、『Goodmorning,MissIshikawa』と声をかけてください。

最後に私が、『Sitdown,please』と声をかけていきます。

そこで皆さん着席してください。

それから授業の終わりの挨拶ですが、サブの委員の城島くんが

『Standup』と号令をかけてください。

そこで私が『Goodbye,everybody』と皆さんに声をかけていきます。

そこで皆さんは、『Goodbye,MissIshikawa』と私に声をかけてください。

最後に私が『Goodbye,えeveeryone』と言って授業を終わりにします。

皆さん、わかりましたか?」

これで英語の楽しさをわかってくれると嬉しんだけどな。

これから1か月の実習頑張ります。

それから私の教育実習は順調に進んでいき、

一学期の英語のテストが始まろうとしていました。

英語の授業内容は赤い文型本から問題が出されるので

テスト内容に沿った授業をしないといけないのです。

拓哉と彰くんはクラス委員という関係だけではなく、

勉強でのライバルになっていました。

彰くんは学年で首席という秀才です。

その秀才の彰くんに負けまいと拓哉は勉強を頑張っています。

その頑張りで今では学年で第3位をとっています。

そして、テストが終わり採点をした答案を返す日が来ました。

「この前の英語テストの答案を返します。出席番号順に取りに来てください」

私は生徒全員の答案を返すと簡単に答えあわせをしていった。

「このクラスの平均点は70点でした。そして最高点の95点が二人いました。

最高点は城島くんと飛島くんです」

拓哉、彰くん、おめでとう。

二人とも頑張ったね。

これからも良きライバルでいてね。

そして、私の教育実習の1カ月があっという間に過ぎました。

あとは吉村先生からの結果待ちです。

この1カ月、拓哉の学校の様子が見れてよかったと思います。

先生と生徒で見ることしかできなかったけど、

拓哉の頑張りを垣間見ることができました。

私は放課後、拓哉のいる教室にいました。

なぜか、拓哉のぬくもりが残っているようで離れられませんでした。

「今日でお別れなんだな」と一人で拓哉の座っている席に私は座っていました。

そんな時でした。

忘れ物に気づいた拓哉が教室に入ったのは…。

「ひろみ、何しているの?」

「この教室が一番楽しかったなと思って最後のお別れ」

と私は拓哉に答えていた。

「ひろみ、1か月間お疲れさん。吉村の授業は文型中心だけど、

おまえの授業は会話中心の授業に変えて授業をわかりやすくした。

みんなも英語が好きになって言ったし、和彦も英語嫌いだったのが

英語を好きになっていったんだからな」

「それを聞いて安したわ。あとは吉村先生の評価を待つだけね」

「それは神のみぞ知るだから心配することないよ」

「ありがとう、できるだけのことをしたから悔いはないわ。

それに拓哉の学校の学校生活を見ることができてよかったわ」

本当に楽しかった教育実習も今日で終わり。

明日から大学生活に戻ります。

大学と舞台の両立生活がまた明日から始まる。

拓哉、恋人同士に戻っていいよ。

私の役目が終わったからね、ありがとう。

そして勉強と仕事との両立頑張ってね。

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