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僕が黙って、君も黙って、沈黙だけで会話して
僕が黙って
君も黙って
窓ガラスをときどき叩く
雨の音が部屋に響いて
いつも遠くを見ているような
作り笑顔の仮面のような
沈黙だけが会話して
僕らは互いに見つめあって
沈黙だけで会話して
君は全てを見透かして
僕は両手で耳を塞いで
水槽の水草がゆらゆら揺れて
窓ガラスを流れる雨が景色を歪めて
沈黙だけが会話して
沈黙だけで伝わる気がして
二人を隔てるテーブルがひんやりと冷たくて
君と僕の心のようで、
それでも僕は
君から離れるのが怖くて
両手で涙を抑えて
決して近づき過ぎない
沈黙の距離を守ってる
それから僕らは
沈黙だけで会話する