第13話
琳と僕の過去が重なった。やっぱり、あの子は琳だったんだ。
そして僕は、貴女にー結香に拾われた猫だったんだ。
「私は、自由になりたかった」
琳は、子供の様に泣きじゃくった。
琳の気持ちは良く分かる。結香は意識してなくとも、琳への支配を続けてたから。でも、でも、殺すなんて、間違ってる。残された僕はどうしたら良いの?
それに、僕は知ってるよ?
結香の料理を食べる君、結香に勉強を教えてもらう君、すごく楽しそうだったし、嬉しそうだった。
「でも、結香の事は、嫌いじゃ無かったんでしょ?」
僕の問いに、琳は首を大きく横に振った。
「大嫌い」
「嘘だよ。結香と過ごす時、すごく楽しそうだったよ?」
「・・・・楽しく無かったって言ったら、嘘になる。けど、違うよ。私にとって母親は一人だけなのに、母親みたいに振舞って、それでいて、自由を奪うなんて」
琳は顔を上げて僕を睨んだ。
「いくら欲しいものを与えられたって、その時が楽しかったって、苦しいものは苦しいんだよ?!この気持ちが分かる?受け入れたく無いのに、受け入れてしまってる自分がいて、暴力を振るわれる度に、愛されてないんだって落ち込んで、でも何か与えられる度に愛されてるんだって錯覚して、こんなの、もう、訳分かんないよ!!」
琳は半ば発狂していた。
「だからと言って殺すのは間違ってる」
「じゃあずっと耐えなきゃいけなかったの?!ナイトは良いじゃない。あの人に愛されて、殴られることもなくて、私の気持ちなんか分からないくせに、言わないでよっ!!!」
琳はそう言って立ち上がり、走って行ってしまった。
「琳っ、待って!」
呼び止めはしたものの、僕の足は動かなかった。




