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7 美少女コブシ



 さすがに気になって質問したりしたので翌日まで疑問山積み、にはなりませんでした。そりゃあ聞くよね、気になるもの。


 昔、東の大陸で魔物が発生したけれど召喚された勇者がやっつけた。

 しかし汚染された東の大陸に住めないいくつかの種族は西の大陸に移った。

 年月とともに汚染は解消され東の大陸の一部には出て行った種族も戻ってきた。

 けれどここ数年で不思議なことが起こり始めた。

 ずばり魔物が復活。

 魔物もあんまり強くないので今は自力で食いとめられているが昔の言い伝えによるとこれから魔物の力が増してしまうらしい。

 手遅れになる前に今回も勇者召喚!

 しようと思ったのだがやり方がいまいちわからず、あきらめかけていたところでわたしたちをよぶことに成功、と。

 ちなみにここは東の大陸でも西の大陸でもなくその間の海に浮かぶ小島です。

 大陸間を行き来する船舶やらドラゴンやらの中継地として栄え、てるのは別の島でここは昔の勇者さまの別荘地だったとかいう言い伝えが残っていたりするただの田舎島なんだそう。のわりに立派な砦があるのは平和すぎて暇なのでなんとなーく作ったらしい。ほんまか。

 千花ちゃんがただの田舎島に砦があるのもそこの住人が勇者召喚できちゃったのも、おそらく勇者の別荘地の言い伝えは本当であの美少女は実は勇者か勇者召喚した巫女の末裔だったりするんじゃないのかと聞いたのですが、美少女は「わかりませ~ん♪」とかのん気に答えていました。

 それから過去の勇者は日本人の模様。

 黒目黒髪で名前はサダツグだって。

 サダツグ、平成生まれではなさそうです。


 そうそういつまでも金髪美少女はないよね。

 彼女の名前はコブシちゃん。


「え?古武士?」

「拳?」


 それを聞いた時、わたしは居合斬り、小梅はファイティングポーズを取った。

 やっぱり勇者の末裔?

 きょとんとした顔のコブシちゃん。


「ちがうちがう、花だよきっと」


 千花ちゃんがあきれた顔でわたしたちを見る。

 それからコブシちゃんにコブシの説明をしてた。春に白い花が咲くんだって。

 わたしと小梅で「へぇ~」と聞いていたら


「鈴木豆腐店の庭にある春に白い花が咲く木があるでしょ。あれがコブシ」


 あれですか!

 コブシちゃんのイメージからスイトピーみたいな華奢なひらひらした花束に入ってそうな花を想像してたんですが、まさか木だったとは!でもたしかに綺麗だったよね、小学校の裏門のそばの鈴木豆腐店の庭の白い花が咲く木。

 桜じゃないのはさすがにわかっていましたが、名前は知りませんでした。あれ、コブシっていうんですか。へぇ~。女子力低くてごめんなさい。

 そのあと千花ちゃんが気になって質問したら他にもコハギちゃんとかボタンちゃん、ツバキちゃんとかいるらしい。昔から女の子の名前なんだって。過去の勇者、これは日本人確定でしょう。


 それから美少女と一緒にいた二人の男性。

 若い方がリオン。銀髪美形の平執事。

 年配の方がセバスチャン。茶髪ダンディーです。彼は執事長。

 なんで執事が武器持ってるのよ!と思って聞いたらどうやら仕事の内容は本当に執事的なことに加えて兵士とか庭師とか、要するになんでも屋らしい。

 でもお茶を上手に入れられない執事はいても武器を扱えない執事はいないんだって。

 つまりどう見ても砦で働いてるひとを兵士と呼ばずに無理矢理執事と呼んでいる模様。どんな意味が?自己紹介の時に相手を油断させるため?

 そしてセバスチャンさんは(素敵なおじさまを呼び捨てるのはやはり心苦しい)なんと魔法が使えるのです!

 千花ちゃんが魔法を使えるはずなんだけど使い方がわからないから教えてほしいってお願いしたのだけど、明日エルフのひとに教えてもらった方がいいよって言われてました。

 千花ちゃんの魔力保有量とかいうのが結構すごいらしくて暴発した場合を考えるとそれなりな魔法使いがそばにいないと危ないって。わたしと小梅から魔力は感じないそうです。残念。


「人間の場合はある日突然魔力持ちになったりするからそんなに残念がらなくてもいいんじゃないかな」


 セバスチャンさんはそういってダンディースマイルを浮かべたけれど、人間で魔力持ちは過去にエルフの血が混ざって気まぐれな先祖がえりで魔法を使えるようになるって説明したのセバスチャンさんですよね?

 わたしたちのご先祖さまにエルフは100%、ええ、ひゃくぱーいないです。


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