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時層交錯ファンタジア  作者: トワイライト
第1章:ギルドと時層世界の門出

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第26話「未来を走る煌めき」

 未来列車の車両入口は、ハンガーの金属臭さとは違う匂いがした。


 タラップを上りきった瞬は、足を踏み入れた瞬間に、思わず息を呑む。靴底が触れた床は、磨き込まれた金属に薄い樹脂が被せられていて、わずかな弾力とともに振動を吸い込んでくれる。列車特有のきしみも揺れも、ほとんど伝わってこない。


 壁は柔らかな光沢を帯びた銀色で、縦に走る光のラインが、進行方向へ向かって流れていくように見える。視線を上げると、天井に埋め込まれた浮遊ディスプレイが、今いる車両番号と時層座標、目的地までの概算時刻を、淡い文字で映し出していた。


「わっ……本物だ。しかも最新型じゃん!」


 横から弾けるような声が上がる。


 振り向けば、そこには、茶色の短髪を無造作に撫でつけた少年――ミナトがいた。ギルドの工房でいつも油まみれになっている彼が、今日は珍しくきちんとした作業着を着ている。それでも、肩口にはうっすら油染みが残っているあたり、らしさは隠しきれていない。


 ミナトは、入口近くの手すりに駆け寄り、その材質を確かめるように指先でとん、と軽く叩いた。


「この触り心地……衝撃吸収層を二重にしてる。さすが輸送軍仕様、予算のかけ方が違うなぁ」


「そこ、触っていいのか?」


 思わず問いかけると、ミナトは「だ、大丈夫ですよ、多分」と曖昧に笑って手を引っ込めた。


 瞬は改めて、車内を見回す。


 通路の両側には、広い座席が等間隔に並んでいた。座面は厚くふかふかで、背もたれには小さなホログラムの案内が浮かんでいる。「着席すると自動で固定します」「飲み物メニューはこちら」――文字だけでなく、動く絵までついている。座席の間には、透明な仕切りがあり、必要に応じて濃さを変えられるらしい。


 足元の振動は、驚くほど少なかった。列車の外では、ハンガー全体が鉄と蒸気の唸りを上げているというのに、この車内だけは、違う世界のように静かだ。反重力……とまではいかないにせよ、何か特別な仕組みが床の下に組み込まれているのだろう。


(……すごいな)


 胸が高鳴る。これまで任務で乗った移動馬車や簡易列車とは、あまりにも違いすぎる。自分が場違いなんじゃないかという戸惑いと、それでも目を逸らしたくない好奇心とが、胸の中でせめぎ合う。


「瞬先輩、ほら見てくださいよ。ホログラム案内、触るとちゃんと反応する。うわ、座席角度まで調整できる……!」


 ミナトは、座席の脇に浮かんでいる半透明の表示に、恐る恐る指先を近づける。指が触れた瞬間、表示が淡く揺れて、いくつかのメニューが展開された。


「『睡眠モード』『読書モード』『時差調整モード』……時差調整モード?」


 瞬が思わず声に出すと、ミナトが鼻息荒く説明を始めた。


「たぶん、時層トンネルを抜けた先の時間帯に合わせて、乗客の体内時計を調整する簡易照射です。光と微弱な時素波を組み合わせて、眠気とかを誘導するんですよ。いやー、噂には聞いてたけど、実物見るとテンション上がるなぁ……!」


 言葉の半分も理解できていないのに、その興奮だけは伝わってくる。


 ミナトの顔は、勝手に笑みが零れそうになるのを必死で堪えているように、頬と口元がぴくぴくと動いていた。目は、完全に輝いている。


(ミナト、本当にこういうのが好きなんだな)


 工房で小さなクロノガジェットを弄っているときも同じ目をしていたが、今はそれに輪をかけていた。目の前に広がるのは、彼がいつも憧れていた「最前線」の技術なのだ。


 そんな彼を見ていると、瞬自身の胸の高鳴りも、少しだけ誇らしさに変わる。


 自分には、難しい理屈は分からない。だが――この世界のどこかに、誰かの生活を支え、未来へつなぐために、こうした技術を磨き続けている人間たちがいる。その現場に、自分も今、足を踏み入れているのだと思うと、足元がふわふわするような感覚があった。


 列車の車内を、ふたりでゆっくりと歩く。


 乗客用の車両は、思っていたほど混雑していなかった。座席には、軍服を着た兵士が数名、私服姿の商人らしき中年がひとり、その隣には旅装束の親子連れが静かに座っている。みんな声を潜め、互いの目をあまり合わせようとしない。車内の静けさは、豪華さゆえの上品さというより、どこか張り詰めたものに近かった。


 通路の中央付近には、小さなラウンジスペースが設けられている。円形の低いテーブルと、弧を描くソファ。天井から吊るされた照明は、青白く柔らかい光を落としていて、その中心には、砂時計のような形をした透明なデバイスが浮かんでいた。


 その中には、砂の代わりに、淡い光の粒が静かに降り積もっている。粒が下に溜まり切ると、ふわりと逆流し、また上から降り始める。その動きはどこかゆっくりで、見ていると時間の感覚が少しぼやけるような気がした。


「あれ、もしかして時間調整用のデバイスですかね」


 ミナトが目を輝かせて言う。


「時差ボケ防止のために、車内全体の“時間感覚”を一定に保つ装置。文字通り、空気の時間を調整してるんですよ。うわ、簡易型かと思ったら、結構本格的だ」


「空気の時間、って……」


 瞬は思わず、その光の砂時計を見上げる。確かに、ラウンジに足を踏み入れてから、時間の流れが少しだけゆっくりになったような気がしていた。焦りや緊張の尖った部分が、布で包まれたように丸くなる。ほっとするような、不安になるような、不思議な感覚。


「静かだな……」


 ぽつりと漏らすと、ミナトが頷く。


「音が吸われてるんだ、たぶん。周囲の雑音を、時間フィルターで遅延させてる。人が感じる前に消えるように。……やっぱりすげえな、未来列車」


 彼はラウンジの端に展示された小さな機器に近づき、ガラス越しに覗き込む。そこには、「時層安全ガイド」「緊急時の避難手順」と書かれたホログラム表示が浮かんでいた。


 瞬は、ソファの背もたれを軽く指で押してみる。すると、背もたれの内部から、ごく柔らかな反発力が返ってきた。指先で押した部分だけ、微妙に時間の流れが遅くなっているような、そんな違和感。押し込んだ感触が、すぐには戻らない。


「……なんか、変な感じだ」


 小声で呟く瞬の耳に、車内アナウンスが届く。


『当列車はまもなく、第七時層トンネル入口区画に接続します。乗客の皆様は、シートベルトの装着を確認し、指定のモードに切り替えてお待ちください』


 穏やかな声色だが、その背後には、わずかな緊張が混じっているように感じられた。


 ラウンジにいた乗客たちが、それぞれ自分の席へ戻っていく。親子連れの母親は、子どもの肩をそっと抱き寄せ、何かを囁く。兵士たちは無言で立ち上がり、規律正しく車両後方へ歩いていく。


 瞬は、その流れに逆らうように、まだ少しだけ車内を見回した。


 豪華さと先進性。光沢のある壁、浮遊するホログラム、静かな照明。確かにここは、憧れの「未来」を走る列車なのだろう。だが、その煌めきの下で、乗客たちの表情には、微かな陰が落ちている。


(やっぱり、異常の噂は広まってるのかな)


 列車が消えかけた、という話。その場にいたわけではない一般の客たちでさえ、このトンネルの向こうに「何か」があることを、どこかで感じ取っているようだった。


 ミナトの横顔を見やると、彼はまだ興奮を抑えきれずに、天井や壁の継ぎ目を目で追っていた。


「調査班のうち、技術スタッフのひとりは機関部の見学が許可されています」


 そんな案内をしてくれたのは、列車会社の職員であり、車両管理を担当している青年――サミュだった。制服は軍服よりも柔らかい印象だが、その目には、現場を預かる者の責任感が浮かんでいる。


「本来は一般立ち入り禁止ですが、今回は異常調査ということで特別に。安全ラインから出ないこと、指示に従うこと、触っていいと言われていないものには絶対に手を出さないこと。それが守れるなら、どうぞ」


「は、はい! 絶対に触りません! いや、必要なら触らせてください!」


 ミナトが妙な返事をして、すぐに自分で赤面する。サミュは苦笑しながら、小さく頷いた。


「……技師志望の人は皆そう言います。気持ちは分かりますが、命あっての技術です」


 機関部への通路は、一般客車よりも照明が少し暗かった。壁には太いパイプやケーブルが這い、足元の床は格子状になっていて、その下には別の層の配管と光源が見える。通路の奥へ進むにつれて、空気の温度が微妙に変わっていった。


 熱と冷気が混ざり合った、独特の空気。


 ある地点を境に、ひやりとした冷たさが、話しかけてくるみたいに肌にまとわりついてくる。そのすぐ隣では、機械の発する熱が、じんわりと頬を温める。同じ空間に、違う温度の層が縫い合わされているのだ。


「すげぇ……ここ、完全に“生きてる”」


 ミナトの声が、抑えきれない熱を帯びる。


 機関部の主室に入ると、そこには一際大きな装置が鎮座していた。


 中央にそびえる円筒状のコア。その周囲を、無数のパイプとケーブルが取り巻いている。コアの表面には、青白い光が網目状に走り、その光が一定のリズムで脈動していた。まるで巨大な心臓の鼓動のように、列車全体にエネルギーを送り出している。


 コアの下部からは、金属製の羽根車のようなパーツがゆっくりと回転している。その回転に合わせて、床下から低い唸りが響いてくる。耳に届く音だけでなく、足裏から伝わる振動も、一定のリズムを刻んでいた。


「ここが、未来列車の心臓部――時層同調機関です」


 サミュが説明する。


「レールから供給されるエネルギーと、この機関内部で生成される時層制御波を組み合わせて、トンネル内の時間流に列車を“乗せる”仕組みになっています」


「やっぱり……時素制御の応用じゃないですか」


 ミナトの声は、完全に技師のそれになっていた。


「通常の蒸気機関や魔導エンジンとは、構造が根本的に違います。ここ、コアの脇にあるこのリング状の部分、時層同調用のフィードバック回路ですよね? 外部の時層揺らぎを読み取って、内部の位相を調整してる」


「言葉の半分も分からないけど、すごいってことは分かる」


 瞬は、安全ラインと刻まれた黄色の線のぎりぎり手前で立ち止まりながら、目を凝らす。


 青白い光は、美しいとさえ言えた。冷たい炎のように静かに揺れながら、一定のリズムで明滅を繰り返す。その明滅の合間に、ほんの一瞬だけ、光が強くなり、周囲の空気の密度が変わる――そんな気がする。


「このパイプ、熱交換だけじゃなくて、時間の“流れ”も調整してるな……。ああ、やっぱり産業国家の時層工学は進んでる。これ、工房のみんなに見せてやりたい……」


 ミナトは、ポケットから小さなノートを取り出し、手早くスケッチを始める。パイプの配置、リングの構造、コアの形状。目で見たものをそのまま線に変換するような速さだった。


 瞬は、その横顔を見ながら、胸の奥に温かいものが灯るのを感じた。


(ミナト、やっぱりこういう場所にいると、すごく生き生きしてる)


 自分の居場所がどこなのか。何をしたいのか。そう迷うことが多い自分に比べて、ミナトは、未来を見ている目をしている。そんな彼と一緒に、この列車に乗り込めたことが、なんだか誇らしかった。


 ただ、その一方で――。


 機関部の空気は、どこか不安を掻き立てるものも含んでいた。


 コアの鼓動は規則正しいが、そのリズムが時折、ほんのわずかに速くなる。そのたびに、青白い光が強く瞬き、周囲の空気がぴりりと震える。まるで、機関そのものが焦っているかのような、そんな印象さえ受けた。


「……おかしいな」


 ミナトが、ノートから顔を上げて呟いた。


 その声には、先ほどまでの純粋な興奮とは違う色が混じっていた。


「どうかした?」


 瞬が問いかけると、ミナトはコアの横に設置された計測パネルを指さした。パネルには、複数の曲線がリアルタイムで表示されている。素人目にはただの線の集まりにしか見えないが、ミナトの目は、その中のひとつに釘付けになっていた。


「これ、時層同調波のベースラインなんですけど……」


 早口になりかけるのを抑えながら、ミナトが説明を続ける。


「通常なら、もっと滑らかな波になるはずなんです。トンネルの揺らぎに合わせて、列車側が微調整してるから。なのに、ここ――」


 指先が、波形の一部をなぞる。そこには、細かいギザギザの乱れが混ざっていた。


「周期的に、必要以上の強度で“押し込み”が入ってる。まるで、無理やりトンネルの揺らぎをねじ伏せようとしてるみたいな……」


「無理やり、って?」


「トンネル側の揺らぎが危ないから、制御を強めて押さえ込もうとしてる……のか、あるいは――」


 ミナトは言葉を切り、コアのほうを見る。


 その瞬間、青白い光が、ひときわ強く瞬いた。わずかな時間、機関部の音が途切れたように感じられる。耳の奥が、きゅっと詰まる。


 次の瞬間には、何事もなかったように鼓動が再開していた。だが、一瞬の“空白”は、確かにそこにあった。


「……今の、分かった?」


 ミナトが小声で訊く。


「うん。なんか、一瞬……音が消えたみたいだった」


「ですよね。コアの出力波形が、一拍分“飛んだ”。普通の制御なら、あんな乱れ方はしない。誰かが、普通じゃない設定をかけてる」


 ミナトの額に、うっすら汗が浮かんでいた。興奮と、それに混じるわずかな不安。その両方が、彼の声に滲む。


「これ……普通の技術じゃない。時層トンネル専用技術を、規格以上の負荷で回してる。ギルドの工房じゃ、まずやらないやり方だ。……誰か、無理な改造してる」


「改造……」


 瞬は、コアから伸びるケーブルの束を見つめる。


 そこには、確かに違和感があった。太さや色の違うケーブルが、後付けされたように別のラインに無理やり接続されている箇所がある。パイプの一部にも、新しい金属が継ぎ足されたような部分が見えた。


(まるで――)


 リエールで見た、継ぎ目だらけの時間。時間の裂け目に、誰かが勝手な橋をかけたような、あの不自然さ。


「このままだと、トンネルの揺らぎと機関の制御が、どこかで噛み合わなくなる。……それが、“歪んだレール”の正体かもしれません」


 ミナトの声が、少しだけ低くなる。


「でも、それって……」


 瞬が言いかけたところで、サミュの声が背後から飛んだ。


「お二人とも、安全ラインから出ていませんか?」


「あ、すみません!」


 ミナトが慌てて線の内側に下がる。瞬も同じように一歩退き、コアから距離を取る。


 サミュの表情は厳しかったが、その奥には心配も含まれていた。


「今はまだ、機関部は“通常運行”の範囲内です。ただ……」


 サミュは、ちらりとコアのほうに視線を走らせる。


「最近の揺らぎで、こちらも予定外の調整を強いられているのは事実です。軍からの指示もあって、私たち現場の判断だけではどうにもならない部分もある。だからこそ、ギルドの皆さんに来てもらった」


 彼はそう言って、ほんの少しだけ肩の力を抜いた。


「機関部の見学は、このくらいにしておきましょう。トンネルに入る前に、それぞれの持ち場で準備をお願いします」


 ミナトは、未練たらしくコアを振り返りながらも、素直に頷いて通路へ戻った。


 背後で、青白い光がまたひとつ、強く瞬いた気がした。


 自分たちの指定された座席に戻ると、車内はすでに、トンネル突入前の準備が整いつつあった。


 乗客たちはそれぞれの席に腰を下ろし、ホログラム案内に従ってシートベルトを装着している。座席の側面から伸びてきた柔らかなベルトが、身体を包み込むように固定してくる。締め付けというより、支えるための抱擁に近い感覚だった。


「瞬先輩、ベルトちゃんと閉めました?」


「あ、ああ。こう、でいいんだよな」


 慣れない仕組みに手間取っていると、ミナトが器用に自分のベルトを固定し終え、身を乗り出して確認してくれる。指先がバックルを軽く押し込み、カチン、と小さな音がした。


「はい、これで完了です。時層トンネル突入時は、身体感覚が一瞬ぐらつくかもですけど、このベルトが“感覚”ごと支えてくれるんで」


「感覚ごと……って、どういう……」


「えっと、難しく言うと長くなるんで、あとで工房で図付きで説明します!」


 そう言って、ミナトは笑った。


 窓の外には、トンネル入口の施設が近づいてきていた。


 山をくり抜いたような巨大な構造物。その中央には、円形の開口部が口を開けている。開口部の周囲を取り巻くように、リング状の装置がいくつも重なっていた。その一つ一つが淡い光を放ち、ゆっくりと回転している。


 リングからこぼれる光が、霧のような粒子となって空中に漂っていた。それは雪とも埃とも違う、時間そのものの細片のように見える。光の粒が列車の窓に触れるたびに、ガラス越しにチカリと瞬き、一瞬だけ、外の景色が遅く流れたように感じられた。


 列車の進行方向に向かって、光のリングが何重にも重なり、やがて一本の眩いトンネルを形作る。


 時層トンネル。


 未来列車が、その中へと滑り込んでいくための、光のレール。


「……すごい」


 思わず漏れた瞬の言葉に、隣のミナトが、静かに頷いた。


「いよいよだね……瞬先輩」


 彼の声は、いつもの軽さを保とうとしながらも、その奥に震えるものを隠しきれていなかった。工房で模型を弄っているときとは違う、本物の「未来」が、目の前に広がっているのだから当然だ。


 瞬は、窓の外の光景から目をそらさずに、拳を軽く握る。


 列車の内部に、低く澄んだ音が響いた。トンネル入口のリングが、列車の到来を受けて、共鳴するように振動を始めている。床下から伝わる振動も、徐々に強さを増していく。


 胸の奥で、何かが同じリズムで高鳴る。


(ここからが、本番だ)


 リエールで見た崩れた街。砕けた柱。欠けた記憶。フォルの言葉。すべてがひとつの線になって、この瞬間に繋がっていくような感覚があった。


 怖い。


 だが、それ以上に――。


(確かめたい。未来列車が走る、この“未来”そのものを)


 光のトンネルが、窓いっぱいに広がる。


 白く、青く、時に金色にきらめく粒子の奔流。その中へ、列車は音もなく滑り込んでいく。


 未来を走る煌めきの中へ、瞬とミナトは、固くシートに固定されたまま、自分たちの時間を乗せて踏み出していくのだった。

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