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非戦の盾、魔法の凱歌(がいか)

国家は、あるいは軍と言い換えてもいいかもしれない。ある段階まで戦争の準備を進めてしまうと、もう止めることができなくなる。シュタインベック王国は、まさにその段階にまで来てしまっていた。


ユルゲン王は、シュミット公からの報告を聞き、ダベンポート王国に脅威はないと判断していた。だが、戦争の準備をすでに整えてしまった軍部は、そこで戦争がないとなれば、これまでの投資が無駄になるという思いに駆られ、王に開戦を迫った。開戦すれば、さらに戦費が嵩むというのに。軍とは、どうもこうした性格のものらしい。


ユルゲン王は、軍部の圧力に屈し、彼らのガス抜きのためだけに、侵略を許可したのであった。


シュタインベックの軍が国境を越えて入ってきたことは、すぐにキャリントンシティの公爵の耳に入った。公爵は、ただちに王都への救援軍の派遣を依頼するとともに、領都守備隊に戦闘準備の指示を出した。


シュタインベックの軍は、進軍を始めると、驚くべき光景に直面した。事前に集めた測量結果や情報が、まるで役に立たないのだ。通れるはずの道路が通れず、なかったはずの丘陵が、重量物の運搬を阻害する。渡れるはずの橋には、結界が張られ、渡ることができない。軍の指揮官は、事前に情報を集めた使節団に同行した調査部隊を、激しく叱責した。


進軍の速度は、思いのほか遅く、シュタインベックの軍が、ようやくキャリントンシティにたどり着いたときには、ダベンポート王国の軍が、すでに準備万端で待ち構えていた。戦いは、シュタインベック軍の甚大な被害で終わり、彼らは、撤退を余儀なくされた。


ウェンディの魔法は、多くの命を救った。アマンダは、遠い王都で、親友の活躍に胸を熱くしていた。だが、二人は知っていた。この戦いは、始まりに過ぎない。彼らの背後で、再び、大きな物語が、静かに動き出していることを。


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