序章 高校生活のはじまり
「本日は入学おめでとう御座います」
校長先生の声が体育館に響く
ついに私も高校生か…
第一志望の高校ではないけど私の胸には緊張と期待で胸がいっぱいだった
「どこ中出身ー?」
隣の男子が声をかけてきた
中々イケメンで私のテンションは絶好調
でも私の中学知ってる人いないだろうな
「西駅の方の学校だよー!」
「あーごめんわかんないや」
そう言って少し申し訳なさそうに笑う顔がなんだか可愛らしかった
彼は海野蒼というらしい
名前までかっこいいとか罪深かすぎ
それから私たちは受験生時代の話、中学の時の思い出、高校で何したいかなど他愛のない話で盛り上がった
私の高校生活絶好調かも…??
入学式が終わったあとは同じクラスになる女子達とRINEを交換した
明るい高校生活が見えて私は幸せな気持ちで家路へとついた
翌日、学校に行くと教室中に緊張が走っていた
そりゃほぼ初対面だもんね
私も緊張でいっぱいになりながら近くの席の女子に話しかける
「どこ中出身ー?」
「私内部進学生なの!わからないことあったらなんでも聞いてねー!」
そういえばここは中高一貫校だった
私たちはすぐ意気投合して盛り上がった
他の女子達も私達の方へ来て話し始める
なんだろう…
いつのまにか会話に入れなくなっていた
次の日、女子全員でお弁当を囲った
私のクラスは特進コースのせいか女子の人数がたったの6人!
みんなで仲良くしていかなければいけない
会話がポンポン交わされていく中で私は言葉を発することができなかった
どうしよう、みんなともっと話したいのに、やばい
そんな思いが全身を駆け巡る
そう思えば思うほど上手く喋れなくて愛想笑いばかり
自己嫌悪でどうしたらいいか分からない
それからは友達ができないかもしれないという恐怖に陥った日々を過ごした