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蓮に舞う  作者: Momamo
第1章
5/26

4.第1節:静かなる再出発

ここからが本編です。

よろしくお願いします。

初心者あるあるなのかわからないのですが、投稿した文章がめっちゃ気になるんですよね…

コロコロ細かい部分変えるかもしれませんが、よろしくお願いします。



一一一あの日から、もう5年が過ぎた。

舞を奪われた、あの雨の日から。


4年前の施設潜入以降も様々な方法で手がかりを探したが、まるで霧の中を歩いてるような感覚に包まれる。



生きているという情報も、死んだという情報も入らない。


姿が見えなくてもせめて、情報だけでも一一一



パタパタ、とスリッパの音が背後から近づいてくる。


「れ〜ん〜??なぁにしてるのっ。」


急に頭に重いものが乗っかった。


「…………ん、あぁ、柚か…。いや、舞のことを考えてたんだ……。」

「5年も見つからないなんて思わなくて。生きているのか死んでいるのかさえ……。」


「………。大丈夫。きっと、まいちゃんは生きてるよ。」


「そうだと、いいがな。そういえば、何か用事か?」


「!!、そうなの!!あのねっ、仕事で静岡行くことになったんだけど、れんもど〜かなって思ってさ。」


頭から重い感覚が消え、柚がクルクル回りながら話を続ける。


「あの悠命樹(ゆうめいじゅ)で有名な、静岡だよっ。天まで届く巨木!なんか〜いろんな縁が増えるらしくて、私、れんと行きたいな〜って思って。どうかな、だめ?」


「静岡か。」

……そういえば、昔一一


一一一あのね、えっとね、あのね……

一一一どうした?ゆっくりでいい。

一一一あのね……静岡っていうところにね、でっかい木があるらしいの。

一一一それで、どうした?行きたいか?

一一一うん……れんくんと、いつか一緒に行けたらなって思って。それだけなんだけど……

一一一ふっ、そうだな。いつか、行こう。必ず。



一一一一一・・・


懐かしい、舞とのやり取りだ。


俺は少し穏やかな気持ちになりながら返事をした。


「静岡ってたしか和牛が一一『和牛っ?!?えっ、めっちゃ食べたい〜!!!』一一有名らしいから、一緒に食いに行くのも、悪くないなって言おうとしたんだが……。」


「えっ、なになに?」


俺は溜息をつきながら言う。


「人の話を遮るのは良くないぞ、柚。」


「あっ、ごめん、ごめんなさい…興奮しちゃってつい……ごめんねれん、ごめん、怒ってる?どうしよう、私、そんなつもりじゃ……あああ!!!私はもう死んだ方が…!!!」


柚がその場に崩れ落ち泣き出した。

今にも死にそうな顔をしている。


「待て待て待て話が飛躍しすぎだ。ごめんなさいひとつで十分だってのに。ほんっとお前、すぐ暴走するよな。」


「ごめんね、ごめんね……」


「もういいって、わかったから。それより!!肉、食いに行くか?」


「いいの…??えへへ、やっぱりれんはれんだな〜、大好き!行こっ!一応予定ではね、4月の6日から8日なんだけど。」


俺は手帳を取りだし日付を確認する。


「4月の、6…6………7、8、あぁ、大丈夫、戒も裏の仕事も入ってない。いけるぞ。」


「やったぁ〜〜!じゃあ、約束ねっ?」


「あぁ。」



上機嫌になった柚は涙を拭いて、踊りながら部屋から出ていった。


「……まるで嵐だな。」


ぽつりと呟き、俺も立ち上がる。


今日は3月29日。

《戒》の者たちが、決意を新たにする日一一戒始(かいし)の日だ。



今回は短いです。

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