人物紹介・世界観・用語説明
紹介編です。今後新しい情報が出た際に追加することがあります。
また、今後のネタバレを含むので閲覧注意です。
5/21全体的な修正・世界設定に追加をしました
5/27今後出てくる人物の設定を追加・修正を少ししました。画像を追加しました。
⚠︎注意⚠︎AIイラストなので受けつけない方は気をつけてください。
5/28物語の都合上で柚葉の年齢を変更しました
5/30複数の画像追加・今後出てくる人物の設定を追加
一一一人物紹介一一一
◆ 御影 蓮也
偽名: 霧島 朔夜/浅葱 燈弥(戒所属時)/瑠(裏の名)
年齢: 25歳(舞失踪時20歳)
この物語の主人公。
生まれながらに空を飛ぶことができる特異体質の持ち主。
幼い頃に捨てられ、空の上だけが自分の居場所だった彼は、舞という少女との出会いをきっかけに地上で生きる決意をする。
表向きは治安機構《戒》の一般部隊・第5班班長。
裏では、精霊が宿る糸霊器を駆使し、数々の事件に関わる危険人物“瑠”として追われている。
常に冷静で、どこかおちゃらけた雰囲気を纏うが、心の奥底には深い闇と喪失を抱えている。
舞は彼にとって“全て”であり、彼の行動原理の中心。
黒髪に青の毛先、青紫の瞳を持つ。
ヘビースモーカー。
蓮也(柚葉)の裏の仕事着(柚葉は青の部分が赤)
一一一一一一一一一一
◆ 神城 柚葉
偽名: 神城 柚葉(医師)/Tōka(アーティスト)/紅月(裏の名)
年齢: 29歳(舞失踪時24歳)
蓮也の相棒であり、世界屈指の天才外科医。
表では「成功率100%の執刀医」として名を馳せ、裏では天才細工アーティスト“Tōka”としても活動(金属細工、宝石細工、ガラス細工、革細工、木工細工、魔装細工(詠刻術)など。その他の細工もできる)。さらに深い裏の顔を持つ人物“紅月”として、血を操る異能を使う。
蓮也に対しては深い愛と依存と執着を抱いており、そのために空を飛ぶ能力も努力で極めた。
舞の存在は認めており、姉のように接していた。
普段はクールで飄々としているが、蓮也の前では感情的かつ情熱的な一面を見せる。
黒髪に青の毛先、赤紫の瞳を持つ、ロングヘア。
(蓮也に合わせるために髪を染めている)
ヘビースモーカー。
一一一一一一一一一一
◆ 御影 舞
年齢: 蓮也と同じ
本名: 不明(蓮也が名付けた)
魔力を一切持たない“異質”な少女。
5歳で捨てられた後、路地裏で泣いていたところを蓮也に拾われ、“舞”という名前を与えられる。
それ以来、蓮也と共に生きてきた、彼にとっての「初めて心を開いた存在」であり、「陽だまりの中に咲く一輪の花」、「唯一の存在」。
蓮也にとって妹のような、恋人のような関係。
おっとりとした性格で、優しく泣き虫。
現在はとある事件により行方不明、生死不明となっている。
銀髪に赤の毛先、青紫の瞳を持つ、ショートカットの女の子。
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◆ 時雨 隼
年齢: 30歳(舞失踪時25歳)
所属: 治安機構《戒》 特殊部隊・特指令クラス
瑠(蓮也)を執拗に追う男。
正義感が強く誠実だが、必要とあらば違法行為にも目を瞑る冷静な判断力を持つ。
瑠と舞の関係を知る数少ない人間であり、舞の失踪を知る人物でもある。
魔力による追跡やマーキングの能力に長けた部下を持ち、本人は剣術や肉弾戦をこなす戦闘型。
普段はまったりした雰囲気だが、戦闘時は冷酷かつ的確。
ミルクティーベージュの髪にグレーの瞳を持つ。
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◆ 葉山 悠真
年齢:25歳(蓮也と同い年)
所属:治安機構《戒》 一般部隊・第7班班長(蓮也と同期)
蓮也と同期で、現在は《戒》一般部隊の第7班班長を務める青年。
明るく人懐っこい性格で、誰とでも気さくに話すムードメーカー。
その一方で、要所では真面目な判断力と責任感を見せるため、周囲からの信頼も厚い。
戦闘では剣士としての腕もあるが、素手の格闘戦を得意とする。
交渉や尋問など対人コミュニケーションを武器に現場を動かすタイプで、情報収集は少し苦手。
茶髪に茶色の瞳、ラフな服装を好み、蓮也より少し背が高い。
蓮也とは信頼関係を築いており、何かと気にかけている。
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◆ 嶋田 慧
年齢:22歳(蓮也の3歳下)
所属:治安機構《戒》 一般部隊・第7班副班長(悠真の部下)
《戒》一般部隊で副班長を務める若き分析官。
悠真を尊敬しており、そのために副班長の座まで上り詰めた努力家。
常に冷静沈着で毒舌気味だが、内には強い忠誠心と責任感を抱えている。
戦闘スタイルは遠距離型で、悠真のサポートを得意とする。
データ分析や支援能力に長け、悠真の不得意分野を補う参謀的存在。
眼鏡をかけ、薄紫の髪に紫の瞳を持つ。常に腕時計を確認している几帳面な性格で、執事のような落ち着いた雰囲気を纏っている。
蓮也のことは警戒しており、「胡散臭い人物」と見ている。
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◆ 真壁 陸
年齢:28歳
所属:治安機構《戒》一般部隊・第5班副班長(蓮也の部下)
蓮也の班を支える無骨な副班長。
言葉数は少なく、ぶっきらぼうだが信頼は厚い。実直で部下想い。
過去に任務中命を救われたことがあり、それ以来蓮也には深く恩義を感じている。
盾役として最前線に立ち、班員の命を守るのが彼の信条。
黒髪に茶色の瞳で、筋肉質な体を持つ。老け顔。
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◆ 第5班・一般隊員 & 新人隊員
【一般隊員】
・瀬戸 宙/24歳/男/接近戦担当
明るく兄貴分なムードメーカー。誰とでもすぐ打ち解ける性格で、隊の雰囲気を和ませる存在。前線での突撃が得意。
・新見 涼/23歳/男/狙撃手
寡黙で冷静。任務外でもほとんど喋らないが、狙撃の腕は超一流。常に一定の距離を保ちつつも、信頼関係は築いている。
・安西 葵/25歳/女/支援担当
優しく包み込むようなお姉さん系。回復や結界展開が得意。戦闘時には後方から支える縁の下の力持ち。
・唐澤 楓/22歳/不明(中性的)/諜報担当
淡々と任務をこなす頭脳派。冷静な分析と諜報スキルに長ける。性別を意識させない中性的な外見と雰囲気を持つ。
【新人隊員(仮配属中)】
・小野田 陽翔/19歳/男/接近戦担当
熱意はあるが空回りが多い新人。失敗を重ねながらも成長を目指す努力家。瀬戸を尊敬している。
・佐々木 澪/18歳/女/索敵魔法に適性
引っ込み思案な性格ながら観察力に優れる。失敗を恐れて前に出るのが苦手だが、判断力は光るものがある。
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◆ 榊 晃司
年齢:29歳
職業:白凰医科大学附属病院・心臓外科医
白凰医科大学出身の外科医で、柚葉の同期。
実家が病院で、親に言われるがままに医学部へ進学。入学初日、学内で柚葉を見かけて一目惚れし、以降は彼女の進む道をずっと追いかけ続けている。
学生時代は気後れしてほとんど話しかけられなかったが、現在はしつこいくらいのアプローチを繰り返しており、周囲からは呆れられつつも憎めない存在。
担当は心臓外科だが、複数の科をこなす柚葉に若干の嫉妬を抱いている。
柚葉の気を引こうとするたびに空回りしがちで、彼女からはうっとうしがられているが、それでもめげずに絡みに行く熱血バカ系。
髪は金に近い明るい茶髪、瞳は茶色。白衣の下は常にスクラブ姿で、柚葉の真似をして金平糖を持ち歩いている。
普段はややヤンキー口調だが、真面目な場面ではきちんと敬語に切り替える。
裏の顔などは一切ない。登場する姿が全てであり、単純でまっすぐな男。
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◆ 神代 鷹臣
年齢:不明(見た目は50代〜60代前半)
職業:白凰医科大学附属病院 院長
かつては外科医として名を馳せ、研究者としても高い評価を得ていた人物。
現在は全国屈指の医療機関である白凰病院の院長を務め、表向きは温厚で信頼される人格者として知られている。
だがその裏では、柚葉に対して強い執着を抱いており、様々な魔道具を駆使して彼女の行動を密かに監視している。
ただしその魔道具はすべて、蓮也によって破壊されている。
もともとは柚葉の“血を操る能力”を偶然見かけ、その能力を医療に活かすべくスカウトした。だが、次第にその興味は執着へと変わり、今では彼女を“自分のもの”にしたいという歪んだ欲望を抱いている。
彼が本当に狙っているのは、柚葉の力を使った「不老不死の実現」であり、その計画のためには蓮也の存在が邪魔で仕方ない。
柚葉がかつて無意識に口にした「れん」という存在を執拗に調べ、以来ずっと彼を警戒・敵視している。
戦闘能力はなく、あくまで「裏から支配しようとするタイプ」。
表では決して本性を見せず、優しい口調と笑顔で圧をかけてくる策略家。
一一一一一一一一一一
◆ 黒刃
コードネームのみで活動する謎多き女性。
蓮也と柚葉に仕事を依頼する存在だが、その正体や素性は一切不明。どの組織に属しているのか、何を目的に動いているのか、すべてが謎に包まれている。
立場はあくまで「依頼人」であり、指揮権や上下関係は持たない。
性格は冷徹かつ合理主義。
蓮也たちにとっては信頼と警戒が混ざった存在。
ただの依頼人――しかし、彼女の背後には、より大きな「何か」が潜んでいる気配がある。
髪型や顔立ち、年齢に関しても詳細は不明。直接会う時も必ず深くフードを被っている。
明かされる日は来るのか、あるいは永遠に謎のままなのか。
一一一一一一一一一一
◆ ジア(黒の糸霊器に宿る精霊)
性格: 乱暴・破壊衝動・お調子者
能力: 攻撃・デバフ特化
蓮也の黒の糸霊器に宿る、破壊を好む精霊。
普段はデフォルメされた悪魔のような姿をとり、非常時には人間に変身することも出来る。人間の姿になると赤い目と黒髪に赤の毛先、尖ったエルフ耳を持つ。
「テメェ」「クソ」「ぶっ壊してぇ」と荒っぽい口調で喋るが、蓮也には忠実で相棒のような立ち位置。
一一一一一一一一一一
◆ ティア(白の糸霊器に宿る精霊)
性格: 清楚・献身的・上品
能力: 回復・支援・バフ特化
蓮也の白の糸霊器に宿る、癒しを司る精霊。
普段はデフォルメされた天使のような姿で、非常時には人間に変身することも出来る。人間の姿のときは白金の髪に淡い青の瞳、清らかな雰囲気を持つ。
「〜ですわ」「〜まし」「〜ですのよ」といった優雅な口調で話し、蓮也を絶対的に崇拝している。
ナニとは言わないが、ついている。
胸は偽物。
デフォルメ・小さい時はこんな感じ
一一一世界観について一一一
◆ 世界「ユグリス」
魔力を源とする文明が発展した世界、「ユグリス」。
現代の世界のパラレルワールド。
世界名が「ユグリス」、地球、日本、東京…など、地名は現代の世界と同じ。
人々は日常生活のあらゆる場面に魔力を用い、料理、清掃、移動、通信、医療に至るまで、魔力は不可欠なエネルギー源となっている。
しかし、そこには秩序を守る力と、力に取り憑かれた者たちの争いも存在していた。
人類は全てIDで管理されている。
現代日本で言うマイナンバーカード。
一一一一一一一一一一
◆ 魔力と空を飛ぶ者たち
この世界では誰もが魔力を持って生まれる。
魔力によって物を動かし、身体を強化し、空を飛ぶことさえもできる。
ただし、その飛行時間には限界がある。
一般人の飛行可能時間はおよそ30分。それ以上飛べば、数日間は身体が動かなくなるというリスクを伴う。
だが、数百年に一度一一その限界を超え、「生まれながらにして空を飛ぶことを許された者」が存在する。
御影 蓮也もその1人だ。
一一一一一一一一一一
◆ 武器《糸霊器》
近年現れた特殊武器のひとつ、糸霊器。
ヨーヨーのような外見を持ち、魔力によって糸の硬度・長さ・属性を自在に変化させることができる。
空中戦に特化した武器であり、地上では扱いが難しいことから使用者は極端に少ない。
武器には精霊が宿ることがあり、確認されている存在は世界に10体のみ。
蓮也が持つ黒と白の糸霊器には、それぞれ破壊と癒しの精霊一一ジアとティアが宿っている。
一一一一一一一一一一
◆ 魔装細工(詠刻術)
魔力を込めた装飾や道具を生み出す技術、それが「魔装細工(詠刻術)」である。
古くは「術式を刻む技」として呪具や武具に用いられていたが、現代ではアクセサリーや義肢、魔導機械、魔力結晶など、さまざまな場面に応用されている。
「詠刻術」とは、魔力の流れを言葉(詠)と意志で操り、物質に刻む術式体系のひとつ。
魔核、魔石、結晶、金属、宝石など、多様な素材が用いられ、術者の個性や精度が作品に色濃く反映される。
中には、命を宿す「生体装飾」のような危険な細工も存在し、魔装細工は芸術でありながら、しばしば戦いや裏の世界とも関わりを持つ。
美しさの裏に秘められた力──それが「魔装細工(詠刻術)」である。
一一一一一一一一一一
◆ 治安機構《戒》
世界の秩序を守る巨大な組織、治安機構《戒》。
現代日本で言う警察組織。
その内部は「一般部隊」「戦闘部隊」「調査部隊」「収容部隊」「特殊部隊」に分かれており、それぞれが独自の任務と思想を持つ。
それぞれの部隊は孤立しているが、協力することもある。
また、「特殊部隊」は個人で動くことが多い。
蓮也はこの《戒》の一般部隊に班長として所属し、裏の顔を隠して表の秩序を保っている。
一方、蓮也を執拗に追う追跡者一一時雨 隼は、特殊部隊の特指令クラスに属する優秀な剣士であり、正義の名のもとに蓮也を追い詰め続けている。
彼らの追跡車両《戒機〈斥〉》は魔力駆動で動く追跡用車両であり、高速機動・遠隔操作・情報連携に特化している。
現代日本で言うパトカー。
3月29日は「戒始の日」と呼ばれ、《戒》の者たちが決意を新たにする集会が開かれる。
一一一一一一一一一一
◆ 世界樹《悠命樹》
雲すらも突き抜けて立つ、超巨大な木一一 悠命樹。
世界が誕生したとされる神話において、邪神を封印するために天より植えられたと伝えられている聖域である。
悠命樹の根元には神社のしめ縄のような結界が巻かれ、封印の力を支え続けている。
未だその頂にたどり着いた者はおらず、頂上には「何か」があると噂されている。
その存在は人々の信仰の対象となり、悪を断ち切りたい者、癒しを願う者たちが悠命樹を祈りの対象として拝んでいる。
一一一一一一一一一一
◆ 魔力社会と階級
ユグリスの社会では、魔力の強さが直接的に社会的地位を決めるわけではない。
魔力の大小に関わらず、一般市民は会社員や医師、職人として生計を立て、教育や医療、交通などの公共サービスは日本と同様の制度に則っている。
ただし、治安機構《戒》のような公的な武装組織に所属するには一定以上の魔力量と資質が求められるため、そこでは魔力の強さが一種の指標となる。
一一一一一一一一一一
◆蓮也の封環・糸霊器
蓮也の手には2つの指輪が付けられている。
右手の親指と、左手の薬指。
左手の薬指の指輪は、舞とお揃いのものだ。
右手の親指の指輪は生まれた時から着いており、着脱不可。
指輪には小さく「Primor」と掘られている。
その指輪自体がアーティファクトのような存在で、物の収納をすることができるようになっている。
名前を「封環」という。
また、「何か」の鍵としての役割も果たす。
蓮也の糸霊器は最初から封環に入っていたものだ。
通常の糸霊器よりも高性能で扱いやすい。
黒と白の2つの糸霊器があり、黒の糸霊器にジア、白の糸霊器にティアという名前の精霊が宿っている。
一一一一一一一一一一
◆ 組織《夜哭》
《鍵》を巡る影の動きを追う中で、その名が囁かれるようになった謎の組織——それが《夜哭》である。
構成員や目的は一切不明。ただ一つ判明しているのは、彼らが《鍵》に強い執着を示し、全国的に極秘裏に活動しているということ。
近年、各地で頻発する“人の消失”とも関係があるのではないかと囁かれており、表の機関ですらその存在を公には認めていない。
夜の深淵にひそむように、静かに、だが確実に動き始めた《夜哭》——
その真意は、未だ闇の中にある。
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◆ 店舗「刻環堂」
名古屋・大須の賑わいの一角にひっそりと佇む、細工道具の老舗店「刻環堂」。
一般には金属細工や木工など、クラフト向けの道具を広く取り扱う店として知られているが、店の奥には“選ばれた客”しか気づかない小さな棚がある。
そこには、ごく一部の魔装師にしか使えない特殊な器具や魔力伝導素材が並ぶ。
店主は代々この土地に根を張る一族であり、詠刻術に必要な基礎道具を少量ながら仕入れ続けている。
初心者や見習いの魔装師が、最初に足を運ぶ場所としても知られている。
店主は気のいいおじいさん。
一一一一一一一一一一
◆ 店舗「詠刻商会」
栄の裏路地。華やかな通りから少し外れた静かな石畳に、小さな宝石店「詠刻商会」がある。
外観は上品なショーケースと静かな接客が売りの、いかにも格式ある店だ。
だが、この店には“本当の顔”がある。
詠刻術を極めた一部の魔装職人や、組織に所属する者たちのみが知る裏口では、希少な魔装用宝石や触媒、さらには独自加工された術式刻印器なども扱われている。
「お得意様」として信頼を得た者だけが、魔術と芸術が融合する秘密の品々に触れることができる。
店主は真面目そうなスーツで眼鏡をかけたお兄さん。
髪の毛はオールバックにしている。
一一一一一一一一一一
◆ 店舗「七縁屋」
名古屋駅の地下街、ユニモールの最奥。
通常の地図には存在しない“通路”の先に、その店はある。
「七縁屋」。
裏の人間のみが出入りを許されたこの店は、裏の詠刻術師の間では知らぬ者はいない“禁制の工房”である。
通常の市場には出回らない素材や、高リスクな術式道具、法律で使用を禁止されているものまで揃っている。
滅多に表に姿を見せることのない店主が選び、売る。
買う者にも覚悟が求められる。七つの縁のうち、何を切り、何を繋ぐのか。
それは全て、ここで手に入れる“道具”次第だ。
店主は中華風の服を着て、目元に黒の狐のお面をつけている。
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◆ 宝飾工房《紡》
名古屋・栄の裏通りにひっそりと佇む、小さな宝飾工房。
綺麗な工房風の建物で、店先には小さな看板が一つ出ているだけ。
中に入るとすぐ横に小さなガラスのショーケースがあり、繊細で美しいアクセサリーが整然と並ぶ。
店の奥は工房になっており、魔力を通す特殊な工具や魔導刻印用の器具、宝石の鑑定機器などが整然と並ぶ本格派の作業空間が広がる。
店主は金髪のギャル風の若い女性で、チャラそうな見た目に反して腕は超一流。いつも頭にはタオルを巻いており、ノリの軽さと情熱的な語り口で客を圧倒する。
一度話し始めると止まらず、買う気がなくてもその熱意に押されて購入してしまうこともあるが、「買ったものに後悔はさせない」が信条。
特定の客(蓮也など)にはなぜか妙に懐いており、プレゼント感覚で特典を追加することもしばしば。
《紡》の品は贈り物に込めた“想い”や“願い”を“紡ぐ”とされ、ただの装飾品ではない何かを宿すと噂されている。
「本気の贈り物をするなら《紡》へ」と密かに噂されている。
この姿に頭にタオルを巻いている
一一一一一一一一一一
◆ 運命を交差させる者たち
この世界には、数奇な運命に導かれた者たちがいる。
・蓮也。能力と指輪を持ち生まれ、困難に立ち向かうことを強制された者。
・舞。魔力を一切持たず、蓮也に名付けられた唯一の存在。現在は生死不明。
・柚葉。蓮也に執着し、飛行も医術も彼のために極めた天才。
・隼。正義の名のもとに、蓮也の影を追い続ける者。
そして、彼らの戦いは、
世界に封じられた“何か”へと繋がっていく一一。