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蓮に舞う  作者: Momamo
第1章
23/26

22.第19節:ただいまを言える場所

投稿時間遅くなり申し訳ありません。


それと、今回少し短めです。



昼休憩後も色々なことがあった。

主に陽翔が原因なんだが…………。


例えば、昼休憩後すぐの机仕事の時に、「眠気覚ましの飲み物入れました!」と言って持ってきたのが"睡眠誘導ハーブブレンド"でみんなが夢の国に旅立ちそうになったり、訓練の時間「完璧な動きを見せます!」と言って相手チームに突っ込んでいってすぐ転倒・魔力爆発でちょっとした騒ぎになったり、掃除の時間に張り切って掃除当番を引き受け、なぜか重要書類を破棄したり………(書類は何とか元に戻ったが)。


あいつはトラブルメーカーすぎる。

やる気があるのはいいことだが、もっと周りをよく見て行動して欲しい。


そんな愚痴が頭に浮かびながらも家に着いた。


「ただいま。」


「あっ、れん!おかえり〜!ご飯今作ってるよ!」


「そうか。いつもありがとう。」


「えへへ、いいんだよっ!」


「先風呂入って大丈夫か?」


「うんっ!まだ作り終わるのに時間かかるから、むしろ入っててくれると嬉しいかもっ!」


「わかった。」


俺は自室に戻って着替えを持つとお風呂に向かう。

着ていた服は洗濯機に入れ、浴室内に入る。


俺は髪と体を先に洗ってから湯船に入るタイプだ。

シャンプーを手に取り、頭で泡立てる。

ここで軽くツボを押しながら洗うと少し気持ちがいい。


リンスは少なめに髪につけ、すぐに洗い流す。

リンスを長く置くか置かないかで効果が変わる、みたいなのを聞いたことがあるが、俺は気にせず早く洗い流したいタイプだ。


体は、左腕→お腹→右腕→背中→右足→左足→股の順番で洗う。

順番に意味があるのかと言われれば意味はないが、この順番で洗わないと洗った気になれないからいつもこの順番で洗う。

洗い流す前に顔も洗い、全て一気に流す。



全部洗い終えた俺は湯船にゆっくりとつかる。

少し熱めのお湯で、一気に温まるのが好きだ。

5分~10分ほどお湯につかりながら明日以降のことを考える。


4日後の4月6日から2週間ほど静岡に行く。

そこで新しい情報が分かるかもしれないし、何も手がかりが無いかもしれない。

だが、この2週間でやれるだけの事はやって調べないといけない。

はやく、舞を取り戻すために。


俺は1人で色々なことを考えて、それからゆっくりと湯船からあがる。

軽く体を流してから、浴室から出る。


用意してあったタオルで体を拭き、パジャマを着る。

髪の毛はある程度自然乾燥させてから乾かすからしばらくそのままだ。


リビングへ向かうといい匂いがした。


「いい匂いだな。今日のご飯はなんだ?」


「あっ、お風呂上がったんだね!今日はね〜、鮭ときのこのホイル焼きっ!それと、炊き込みご飯も作ってあるよ!」


「なるほど。」


「もう出来上がるから椅子座ってて!」


「わかった。」


俺は言われた通り椅子に座り、料理ができるのを待つ。


数分経ったくらいだろうか、柚が料理を机に運んでくれた。


「それじゃあ食べよっ!いただきま〜す!」


「あぁ。いただきます。」


まずはホイル焼きの包みを剥がす。

包みを開けた瞬間、湯気と共にバターと醤油の香りがした。

鮭とキノコと玉ねぎを一口分とり口に入れると、脂ののった鮭がしっとりとしていて、きのこの旨みと玉ねぎの甘みがじわっと染み出して、バターのコクが全体をまろやかに包み込んでいた。

しっかりとした味だけど、濃すぎず、計算して作られてる感じがする。


その後に炊き込みご飯を一口食べる。

口に入れた瞬間だしの香りがふわっと香る。

ほんの少し甘めの味付けに、人参や油揚げ、しめじの優しい食感。

それを包み込む米の存在が素晴らしい。


「柚、いつの間にこんなに料理が上達したんだ?砂糖と塩を間違えるくらいだったのに。」


「も、も〜!いつの話してるのっ!れんのために料理は頑張って覚えたんだよ!」


「そうなのか……。ありがとうな」


「えへへ、うんっ!いいんだよっ!」


俺は一緒に出されていた冷奴と胡瓜の浅漬けも食べる。

さっぱりしていて、メインの料理にとても合う。


俺は無言でご飯を食べ進めた。



「ごちそうさまでした。今日の料理も美味しかった。」


俺は食器を片付けながら感想を言う。


「ほんとっ?!よかったぁ!また美味しいもの沢山作るねっ!」


「あぁ、楽しみにしている。」


食器を片付け終わった俺は再び椅子に座った。


「「ところで」」


「あっ、ごめん!先どうぞ!」


「いや、俺のは後でいい。柚の話から聞こう。」


たまにこういう被る時ってあるよな、って考えながら柚の話の続きを聞く。


「そう…?じゃあ話すねっ。今日はなんもなかった?大丈夫だった?」


俺は驚く。


「!!、俺も同じことを聞こうとしてた。」


「えっ!そうなの?話し始めるタイミングも一緒だったし、すごい偶然だねっ!!」


「そうだな。それで………俺の方は、今日火事があった。」


「えっ?!大丈夫だったの?!」


「あぁ。最終的にはみんな無事だったんだが、新人のひとりの行動が褒められたものじゃなかったというか……でも結果的にそれで救われた命もあるから、どう扱えばいいのかが分からなくて。」


俺はため息をつく。


「何したの?その子。」


「指示に従わずに1人で燃えてる家の中に突入したんだ。すぐに俺も後を追ったんだが、中に子供が2人倒れててな。そいつが突入したおかげで子供二人を助けることが出来たってことになる。」


「う〜ん、難しいところだね………怒らなきゃいけない場面だけど、褒めてもいい感じでもあるし……」


「そうなんだ。だからとりあえず、叱って、少しだけ褒めておいた。」


「そっかそっか、まぁ次何もやらかさなきゃいいんじゃないかなっ!」


「…………それがな。」


「えっ、まだ何かあるの?!」


俺は再び溜息をつきながら、午後の話をする。


「みんなに眠気覚ましのはずの飲み物を配ったらそれが睡眠誘導ハーブだったり、訓練中にコケて魔力爆発を起こしたり、最後には掃除の時間中に重要書類を破棄したんだ、あいつ。」


「えぇぇっ?!?!そんなことある?!」


「あったんだよ………。その後始末に追われてさ、今日は1日、ほんとに、大変だった。」


「そっかぁ………お疲れ様だね……」


「それで、柚の方はどうなんだ?」


俺は柚の方に話を切替える。


「私?私はね……今日は肝臓癌の手術だったんだけど、今日も完璧に血をほぼ出さずに終えれたよ!」


「おぉ、すごいな。」


「でしょ!ただね、今日も厄介なのに絡まれて……しかも2人!」


「誰だ?」


「1人は榊っていう、まぁ、同期なんだけど。何故か一緒に働き始めてから凄いちょっかいかけてくるの!!すっごい迷惑!!吸えないタバコくわえながら喫煙所で待ち伏せしてくるんだよ?どう思う?」


「それはちょっと鬱陶しいな。なにかいい対策は無いのか?」


「何してもダメなの……あっ!でも、今日は私のネックレス見て、『大事な人からもらった』って伝えたら泣きながら逃げてったよ!………なんでだろ?」


(それ……………もしかして、柚のことが好きなんじゃ………………)


俺は思ったことを口に出さずに話題を変える、


「それで、もう1人は誰なんだ?」


「あっ、そうそう、もう1人はね、神代先生。いつも私の手術を監視してくるんだよ〜。しかもね、今日なんかれんを捨てて私のところに来ないか?だって!!行くわけないじゃん!」


(神代………多分、病院から帰ってきた時柚についてるマーキングや魔道具の主だろうな。鬱陶しいから、見つけ次第魔力妨害したり破壊したりしているんだが、まだ懲りてなかったのか。)


「なんかいつも、『君がどこで何をしていようと私は気にしない。最終的に私の元に帰ってくればいいのだから。』みたいなこと言ってくるんだけど、そもそも帰るも何も私の居場所はれんのとこだけなのに!」


「めんどくさいやつに絡まれてるな………」


(今日も追跡魔術のようなものがかかっていたから帰ってきてすぐ消したんだが、何故そいつはそこまで柚に執着するんだ…?)


「執着される理由とかはわかるのか?」


「う〜ん………唯一言えるとしたら、血の力のことかなぁ……」


「そいつは血の力のことをしってるのか?」


「うん。血の力を見て、医者にスカウトしてきた人だから。」


「そうか………それなら、十中八九それだろうな。病院を変えることは出来ないんだったよな?」


「うん。白凰病院でしか働けないっていう契約魔術使ってる。」


「そうか………何かしらの対策を考えなければいけないが、今すぐ答えが出るものでもないな…」


「そうなんだよね……だからとりあえず、しばらくは我慢してみようかなって。」


「そうか………でも、あまり無理はするなよ。」


「うんっ、わかった!」


話が終わって自然に俺たちは立ち上がる。



「じゃあ、俺は早めに寝るから、柚もあんまり遅くまで起きてるなよ。」


「うんっ!おやすみ、れん!」


「あぁ、おやすみ。」


笑顔で抱きついてこようとした柚をスっと避けて俺は洗面所に向かう。

乾きかけている髪を軽くドライヤーで乾かし、少し整えてから自室に戻る。


明日は何も無いといいけど。

でも、何かは起こるんだろう。


そう思いながら俺は部屋の窓を開け、タバコを1本吸う。

机の上に立ててある写真立てを手に取り、眺めながら。


早く昔のように3人で過ごしたい。

舞が帰ってきたらペットを飼うのもいいかもしれない。


そんなことを考えて、俺はタバコを灰皿に捨てる。


全ては舞が戻ってからだ。

そのための最善の行動を。



俺は布団に潜り、目を閉じる。


明日はいい日になることを願って。



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