ポスト(1/23追加)
意味が分からない。
学校からの帰り道、私の家は林を抜けた先にある。特に冬の夕方には、学校から帰る頃には周りは真っ暗になっている。田舎は、街頭の数も少なく、家と家の間も広いので、真っ暗になると周囲が見えなくなるくらい視界が悪くなった。
家に続く細道の入口に、街頭と郵便ポストがたっていた。その郵便ポストが最近変なのである。昨日、その道を通ったときに、郵便ポストの上になんと子供の頭が乗っていたのだ。短髪の男の子の頭だ。子供の顔は青白く、血の気がない。目も虚ろである。首という物体よりも、質量は軽いように見えた。私は気味が悪いと思い、走って帰路を急いだ。
その次の日からポストの上に子供の頭が見えるようになった。3日後、その男の子の頭の上に、今度は女の子の頭が乗っているようになった。おかっぱ頭の女の子で、同じように生気がない。意味が分からない。そのさらに3日後、今度は別の男の頭が乗っていた。これからどんどん増えていくのだろうかー。子供の生首にも慣れてきた頃、気づくと頭がすべて消えていた。ようやく日常が取り戻せると思っていたら、しばらくしてまた別の子供の頭が乗っていた。頭は3つ集まると消えてしまい、しばらくしてまた1つ増えるという具合だった。賽の河原には成仏できない子供が石を積んで、天を目指すと聞いたことがあるが、まさかポストの上に子供の頭を積むということはあるまい。
意味が分からない。私の学校時代の遠い記憶のお話だ。