26.白の転校生
「智慧理、おはよっ!」
「おはよう、睦美」
ゴールデンウィーク開け。登校した智慧理を教室で睦美が出迎えた。
「知ってる智慧理?今日から私達のクラスに転校生が来るんだって!」
「転校生?こんな時期に?」
智慧理は首を傾げた。智慧理のクラスに転校してくるということはその転校生も高校1年生のはずで、入学して1ヶ月で転校したということになる。無い話では無いのかもしれないが、かなり特殊なケースだ。
「やっぱり転校生ってテンション上がるよね!ねぇねぇ、智慧理はどんな子だと思う?男子かな?女子かな?」
「さ、さあ……どうだろうね」
異様にテンションの高い睦美に智慧理は若干気圧される。
睦美はその後ホームルームの時間まで、まだ見ぬ転校生に対する予想をマシンガンの如く話し続けた。智慧理は圧倒されるばかりだったが、睦美のそういうところが智慧理は案外嫌いではない。
転校生のことを話題にしているのは何も睦美に限った話ではなく、教室のあちこちから同じような話が漏れ聞こえてくる。智慧理も徐々に影響されて、転校生がどのような人物なのか気になってきた。
「は~い、みんな席ついて~」
やがて智慧理のクラスの担任教諭代理である烏丸が教室に現れる。
「みんなおはよう。早速だけど、今日はみんなに大事な話があるの」
教壇に立つや否や鴉丸はそう切り出した。大事な話というのは転校生のことでまず間違いなく、教室中がどよめいた。
「鹿籠さん、入って」
烏丸が教室の外に向かって呼び掛ける。すると教室の扉がゆっくりと開き、御伽原学園の制服に身を包んだ女子生徒が入ってきた。
「えっ……」
その女子生徒を一目見た瞬間、智慧理は驚きのあまり危うく立ち上がりかけた。
「皆さん、初めまして~。鹿籠露華って言います~」
白い長髪に白い肌に色素の薄い瞳、そして気の抜けたようなその喋り方。
その少女は智慧理がこれまでに3度ウェンディゴの魔の手から助け出した、例の白い少女に他ならなかった。
「じゃあ鹿籠さん、あそこの席に座ってくれる?」
烏丸が指定した露華の席は、智慧理の1つ後ろの席だった。
「分かりました~」
智慧理の方に向かって歩いてくる露華。
智慧理が変身形態でしか会ったことの無い相手と素顔で会うのは、これが初めてのことだった。何となく気恥ずかしさのようなものを感じ、智慧理はさりげなく露華から顔を背ける。
とはいえ露華が智慧理の正体に気付くことは有り得ない。露華が知っている智慧理はマスカレイドで目元を覆っていた上、マスカレイド自体に認識攪乱機能が搭載されている以上、ブラックエンジェルと智慧理をイコールで結びつけることは不可能だ。
……と、智慧理は思っていたのだが
「あっ!」
智慧理の席までやって来た露華が、智慧理の顔を見てパッと表情を輝かせる。
「私と同じクラスだったんですね~、ヒーローさん」
「……は?」
露華のその言葉に、智慧理は頭が真っ白になった。
「へぇ~、面白い偶然もあるのね」
昼休み。屋上で智慧理から今朝の出来事を聞いた紗愛は、ウインナーパンを齧りながらそう言った。
「面白くないですよ!なんか私の正体バレてるんですよ!?」
紗愛とは対照的に、智慧理はかなり焦っていた。
「正体がバレたって言っても、その転校生の子に気付かれただけで、クラス中に正体が広まった訳じゃないんでしょ?」
「それはまあ、はい……必死で誤魔化しましたから……」
露華が智慧理のことを「ブラックエンジェル」ではなく「ヒーローさん」と呼んでいたのは不幸中の幸いだった。おかげで「緋色さん?誰ですか?私は緋色じゃなくて黒鐘ですよ?」という言い訳を辛うじて通すことができた。
その時の露華は何か言いたげな様子だったが、智慧理は眼力でそれを黙らせた次第である。
「でも鹿籠さんが私の正体に気付けたのって何でですか?鹿籠さんとは変身形態でしか会ったこと無かったのに……」
「多分その鹿籠って子は、精神干渉に耐性があったのよ」
精神干渉に耐性というのは智慧理には聞き慣れない語句だったが、智慧理が尋ねるよりも先に紗愛が説明し始めた。
「精神干渉って言うのは言葉の通り、魔術とかで知性体の精神に干渉することよ。こないだゼットが使ってた<認識の攪乱>の魔術とか、ザララジアの精神汚染なんかが分かりやすいかしら。当然<認識の攪乱>と同じ仕組みの智慧理のマスカレイドもそうよ」
「はぁ……じゃあ精神干渉に耐性があるってことは、そういうのが効かないってことですか?」
「あら、察しがいいわね。効かないっていうよりは効きづらいって言った方が正確だけど」
いずれにせよマスカレイドの認識攪乱機能は絶対のものではないということだ。
「精神干渉に耐性がある人ってどれくらいいるんですか?」
「<認識の攪乱>を完全に無効化するレベルだと滅多にいないわ。だからその鹿籠って子が特別で、普通は変身形態の智慧理の正体はバレないから安心していいわ」
「今の状況だとあんまり安心できないですけど……」
露華に正体がバレた直後に「多分普通はバレないから安心して」と言われても、「ああよかった」となるのは中々難しい。
しかし心配したところで、智慧理自身に正体バレを防ぐ手立てが無いのもまた事実なので、智慧理は結局安心はしないが心配もしないことにした。
屋上から降りた智慧理が自分の教室に戻るべく廊下を歩いていると、噂をすれば影というべきか、向こうから露華が歩いてくるのが見えた。
「あっ、ヒーローさ……じゃなかった、智慧理さん~」
露華の方も智慧理に気付き、小さく手を振りながら近付いてくる。
「智慧理さん、どこ行ってたんですか~?」
「ちょっと屋上……じゃなかった、お手洗いに……」
紗愛が生徒会長特権で鍵をちょろまかしているだけで、本来屋上は立入禁止の場所だ。そのため智慧理は行き先を誤魔化した。
「そうだ鹿籠さん、ちょっと聞きたいことが……」
「露華って呼んでください。ヒーローさ、じゃなかった、智慧理さんに苗字で呼ばれるのは寂しいです~」
「じゃあ露華、ちょっと聞きたいことがあるからこっち来てもらえる?」
「は~い」
智慧理は露華を人気の少ない廊下の隅に誘った。
「聞きたいことって何ですか~?」
「その……露華はどうして私がブラックエンジェルだって分かったの?」
露華が精神干渉に耐性を持っているため、マスカレイドの認識攪乱機能が充分に働かなかった、という推測は紗愛から聞いた。しかし認識攪乱機能を抜きにしても、変身形態の智慧理はマスカレイドで物理的に顔を隠しているのだ。
つまり露華の精神干渉耐性以外に、智慧理とブラックエンジェルを結び付けることのできる要因が何かあるということになる。
そう考えての智慧理の質問だったのだが、露華はそれには答えず不思議そうに首を傾げた。
「ブラックエンジェル?」
「……あれ、ブラックエンジェルって知らない?」
「ごめんなさい~」
「謝ることは無いけど……」
2人の間に気まずい沈黙が流れる。
ブラックエンジェルというのはSNSの一部から自然発生した通り名で、時々御伽原のローカルニュースで取り上げられることこそあれど決して有名とは言えない。にもかかわらずさも露華が知っていて当然と言わんばかりにブラックエンジェルの名前を出してしまったことが、智慧理は急激に恥ずかしくなった。
「えっと、じゃあ聞き方変えるけど……露華はどうして私が、あなたの言う『ヒーローさん』だって分かったの?」
「ヒーローさんは、ブラックエンジェルっていうんですか?」
「まあ……自分から名乗ってるわけじゃないけど……」
智慧理の顔がどんどん羞恥で赤く染まっていく。自分の中でブラックエンジェルという名前が徐々に馴染みつつあった智慧理だったが、誰かに面と向かってブラックエンジェルと呼ばれるのは気恥ずかしいということを改めて認識した。
「智慧理さんがヒーローさんだって私が気付いたのは、匂いが同じだったからです~」
「に、匂い?」
智慧理は焦燥に駆られて自らの体の匂いを確認する。しかし得てして体臭というのは自分では中々分からないものだ。
「えっ、私臭いですか!?」
「臭くないですよ~、いい匂いです」
露華は智慧理の首筋に顔を近付けて鼻をスンスンと鳴らす。明らかにパーソナルスペースを侵している露華だが、一切の毒気が無いため智慧理は拒む気にはなれなかった。
「私、鼻がいいんです。だから智慧理さんがヒーローさんと同じ匂いだってすぐに分かりました」
「そ、そう。匂いなんだ……」
これからは変身形態の時には香水でも付けるべきだろうか、などと考えながら曖昧な笑みを浮かべる智慧理。
すると露華が智慧理の顔をまじまじと眺め、それからふにゃっと頬を緩めた。
「それにしても、やっとお話できましたね~、智慧理さん」
「やっと?」
「午前中はいろんな人が私のところに来てくれて、智慧理さんとはお話しできませんでしたから~」
転校生のお約束というべきなのか、午前中は休み時間になる度にクラスメイトが露華の席に殺到し、露華は質問攻めにあっていた。そのため智慧理が露華と真正面から話をするのは今が初めてだ。
「そう言えば露華、この前会った時は『昼間外に出ると太陽の光で火傷しちゃう』って言ってたけど、それはもう大丈夫になったの?」
「はい~、おかげさまで~。やっと肉体が安定してきたので、学校にも通えるようになりました~」
「肉体が安定……?」
日常生活であまり聞くことの無い言い回しに智慧理は眉根を寄せる。
「肉体が安定ってどういうこと……?」
「生まれたばっかりの頃は肉体がまだ安定してなくて、お日様の光で火傷しちゃうのもそのせいだったんです~。だけど3ヶ月くらい経ってやっと肉体が安定して……あっ」
言葉の途中で露華は「しまった」と言わんばかりに口元に手を当てる。
「これは言っちゃダメなやつでした~。智慧理さん、忘れてください~」
「えぇ難しい……」
忘れ去るには気になるワードが多すぎた。
「あっ、そろそろお昼休み終わっちゃいますね~。智慧理さん、一緒に教室戻りましょ?」
「う、うん……」
露華と一緒に教室に戻る間も、午後の授業中も、智慧理は露華の発言の数々のことばかりを考えていた。
「な~んかやっぱり怪しい気がするんですよね~」
御伽原の夜空を飛び回りながら、智慧理はインカムの向こうの紗愛に話しかける。
「怪しいって何がよ?」
「露華ですよ露華。今日転校してきた」
「ああ、精神干渉耐性強い子ね。怪しいって何が?」
「今日の昼休み、紗愛先輩と話した後に露華ともちょっと話したんですよ。そしたら……」
智慧理は露華との会話の内容を、覚えている限り正確に紗愛に伝えた。
「……って感じで、なんかやたら意味深なことばっかり言ってたんですよあの子。絶対何か隠してます」
「まあ人間なんて誰でも隠し事の1つや2つあるでしょうけど……確かにやたら意味深ね」
「ですよね!?」
紗愛の同意を得て智慧理は声のトーンを上げる。
「なんか露華の言ってることそのまま受け取ると、露華がまだ生まれてから3ヶ月しか経ってないみたいじゃないですか?」
「額面通りに受け取るとそういう解釈になるわね」
生まれたばかりの頃は肉体が安定せず、日光の下に出られなかった。3ヶ月経ってようやく肉体が安定し、学園に通うことができるようになった。
露華が語ったこの2つを統合すると、露華はまだ生まれて3ヶ月しか経っていないという結論が導き出される。言うまでもないことだが、生後3か月の人間が高校生として学園に転入できる訳がない。
「鹿籠さんの言い間違いか、智慧理の聞き間違いってことは無いの?」
「私の聞き間違いはちょっと何とも言えないですけど……少なくとも露華の言い間違いってことは無いと思います。これ言った時の露華、口が滑ったみたいなリアクションしてたので」
「そう……じゃあ鹿籠さん、ホントに生後3ヶ月なのかしら。それか嘘ついてるだけかもしれないけど」
「……もし嘘じゃなかったとしたら、露華って人間じゃないですよね?」
智慧理が最も危惧しているのは、露華の正体が人間に擬態した邪神眷属であることだった。身近に紗愛という実例がいる以上、露華が人間に擬態している可能性は否定できない。
「まあ……その可能性は否定できないわね」
「ですよね……紗愛先輩、私どうしたらいいですか?」
「とりあえず様子見でいいと思うわ。仮に鹿籠さんが人間に擬態した邪神眷属だとしても、だからって鹿籠さんが人間に対して悪意を持ってるとは限らないわ。私もそうだけど、この街で人間としての暮らしを望んでる邪神眷属もいるにはいるから」
分かりました、と智慧理が返事をしようとしたその時、智慧理の邪神眷属感知機能に反応があった。
「っ、紗愛先輩!邪神眷属出ました!向かいます!」
「了解!」
智慧理は邪神眷属の気配を感じた方向へと速度を上げる。
「数が多い……10体くらいいます!」
「10体!?やけに多いわね……」
智慧理が邪神眷属と戦い始めてそろそろ1ヶ月経つが、1度に10体もの邪神眷属の気配を感知したのは、夜のパトロールでは初めてのことだった。
一体何が起こっているのかと思いつつ智慧理がやって来たのは、ザララジア眷属との戦闘が記憶に新しい中央公園だった。現在は閉鎖されている公園の広場には、未だ火災の痕跡が色濃く残っている。
「うわ……!」
上空から公園を見下ろした智慧理は、怪しく蠢く複数の影を発見して顔を顰める。頭部に1対の枝角を持つその姿は、今となってはお馴染みのものだ。
「ウェンディゴがあんなに……」
智慧理はこれまでウェンディゴと何度も戦ってきたが、1度に現れるウェンディゴは5体が精々だった。しかし眼下のウェンディゴは、数えてみると12体もいる。
「ウェンディゴは基本的に複数で狩りをするものだけど……それにしてもこの数は異常ね」
紗愛もウェンディゴの集団には驚いている様子だ。
「まあ何体いても結局全部殺すだけだから同じですけど……え、嘘っ!?」
「どうしたの智慧理?」
「ま、また邪神眷属出ました!ここから結構離れた場所に……」
「嘘でしょ!?」
報告を受けて愕然とする紗愛。智慧理も同じ心境だった。邪神眷属が同時に2ヶ所に出現するというのは、智慧理にとって初めての事態だ。
「と、とにかく中央公園のウェンディゴを殲滅して!その後急いでもう1ヶ所に向かうしか無いわ!」
「わ、分かりました!」
智慧理は両手にそれぞれオズボーンとヘリワードを召喚し、ウェンディゴの集団目掛けてヘリワードを発砲しながら急降下する。
ヘリワードの銃口から放たれたビームは1体のウェンディゴの頭蓋を貫き、そのウェンディゴは襲撃者の存在にすら気付かぬままに絶命する。
「何だ!?」「何が起きた!?」「敵か!?」「おい、上を見ろ!」「何かいるぞ!」
残る11体のウェンディゴ達が一斉に夜空を見上げる。しかしウェンディゴが襲撃者を認識して臨戦態勢に入った時には、智慧理の姿は既に地上にあった。
「てやぁっ!」
智慧理はウェンディゴの集団に突撃し、右手のオズボーンを目にも留まらぬ速さで振るいながら左手のヘリワードを乱射する。
ウェンディゴ達は碌に反撃もできないまま、ある者は首を刎ねられ、またある者は額に風穴を開けられ、智慧理によって次々と命を刈り取られていく。
智慧理が12体のウェンディゴを全て始末するまでにかかった時間は、30秒にも満たなかった。
「智慧理、ウェンディゴの死体は私の方で処分しておくから、あなたはもう1ヶ所の邪神眷属の方に向かって!」
「了解です!」
智慧理はオズボーンとヘリワードを送還する暇も無く夜空へと飛び立つ。
「今から行く方も多分10体以上います……!」
「どうなってるのよ今夜は!?」
智慧理の顔に焦燥の色が浮かぶ。10体以上の邪神眷属が散開して人間を襲い始めた場合、智慧理ではどうやっても対処が遅れてしまう。街に被害を出さないためには、邪神眷属が散開する前に智慧理が現場に到着し、邪神眷属を殲滅しなければならない。
最高速で現場へと急行する智慧理だったが、ここで奇妙な現象が起きた。
「えっ!?」
「智慧理、どうしたの!?」
「……邪神眷属の気配が減りました……」
10体以上いたはずの邪神眷属の気配が、何の前触れも無く8体まで一気に減少した。
更にその後も7体、6体と邪神眷属は急速に数を減らしていく。
「ど、どんどん減ってます!紗愛先輩どういうことですか!?」
「わ、私にも分からないわよ!智慧理が現場に着かないことには……」
2人が困惑している間にも邪神眷属の気配は減っていく。
そして最後の1体の気配が消えるのと同時に、智慧理は現場に到着した。
「え……?」
呆然と地上を見下ろす智慧理。
現場となっていたのは御伽原南小学校という学校の校庭だった。日中には小学生が元気に遊んでいるであろうその校庭には、黒い体液を撒き散らしたウェンディゴ達の死体が散乱している。
そして凄惨な殺戮の舞台となった校庭の中心には、1人の少女が凛とした姿勢で佇んでいた。
「あれ、は……」
フリル付きのレオタードのような際どい純白の衣装に、前面が大きく開いたスカート風の装飾品。白銀色の髪の隙間から伸びる1対の洞角に、背中に広がる蝙蝠のような翼。
智慧理の姿を「黒い天使」と形容するのなら、その少女は正反対の「白い悪魔」とでも形容すべき姿をしていた。
「紗愛先輩……あの人のこと知ってますか?」
「全っ然知らないわ。智慧理の方はどうなの、その女は邪神眷属なの?」
「邪神眷属ではないと思いますけど……」
智慧理が感知していた邪神眷属の気配は既に全て消滅している。つまり白い悪魔のような少女は邪神眷属ではなく、そして恐らく少女がウェンディゴを殲滅したために邪神眷属の気配が消失したものと推測できる。
「気を付けて智慧理。その女がウェンディゴを皆殺しにしたとしても、だからって私達の味方だとは限らないんだから」
「分かってますよ……」
智慧理は少女に接触すべく徐々に高度を落とす。
すると舞い落ちる黒い羽根に気付いたのか、少女が頭を上げて智慧理の方に顔を向ける。少女は智慧理と同じように、仮面舞踏会で用いるようなマスカレイドで目元を隠していた。
「あっ!」
智慧理を認識した少女は口元に笑顔を形作ると、智慧理に向かって大きく手を振った。
「ヒーローさ~ん!」
のんびりとした口調で呼びかけながら、少女は目元のマスカレイドを外す。
「えっ……」
言葉を失う智慧理。
仮面の下から現れたのは、紛れもなく鹿籠露華の顔だった。
次回は26日に更新する予定です




