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episode 3

10月28日(金曜日)


 看護師になって4年目。いつのまにか白衣に着られている感が無くなってきたかなぁ……と思えるようになりました。変わった点と言えば、指導看護師の研修を終了し、今年、1つ歳上の2年目の男性看護師の指導を任されています。採血を少し苦手としている所が見られるので、繰り返し指導しています。


「先輩、上手いっすね」

「でもさぁ、眉間に深い皺寄ってるんだよねぇ」

「そこは愛嬌でしょう」


 など普段の日常が流れていた午後に……。



「よつ葉ちゃん、病棟入口にお客さんです」


 病棟事務員さんに声をかけられました。

 えっ? 誰? 


「ありがとうございます、今行きます」


 事務員さんに声をかけて後輩君にも声をかける。


「ごめんね、ちょっと席外すね」

「ごゆっくりぃ〜〜」


 病棟入口に行くと、初めて受け持った患者さんのお母さんが、立ってました。半年、一緒に戦ったので良く覚えています。お母さんの後ろから、ひょっこり出てきたのが、私が担当していた子でした。


 しゃがんで視線を合わせ

「大きくなったね」


 と声をかけますが、なにせ相手は4歳、当時を覚えているはずもないのでモジモジしていましたが、


「幼稚園で作ったんだよ。あげる」


 と言って、画用紙に折り紙で作ったお花とか貼った花束をプレゼントしてくれました。


「ありがとう。綺麗だね」

「ボクもありがとう」


 4年前もここで退院の時、一緒に写真撮ったなぁ。と懐かしく感じながら、大きくなったこの子とまた同じ場所で記念写真を撮りました。


 一生懸命作ってくれたプレゼントは、病棟の壁に飾られナースの励みに、そして入院してる子たちの頑張りに繋がっています。



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― 新着の感想 ―
[良い点]  こうやって元気になった顔を見せてくれるのっていいなぁ。
[良い点] ほっこりするいいお話ですね(〃´ω`〃) まさか4年前の患者さんが会いに来てくれるなんて。 しかも折り紙で作ったお花のプレゼント付き! 今は小学生でしょうか。 きっとよつ葉ちゃんのこと…
[一言] 「天使」により、ふさわしくなられたと感じました。
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