表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ジェネリック同士の喧嘩

作者: ぬぅん

とあるイギリスに素晴らしい功績を収めた貴族がいました。

その貴族は自らの純粋な遺伝子を残すために親近婚をくり返し、やがて自分の子孫が王家として君臨することを望んだのです。

しかしそんなことをすればいずれは近親交配による遺伝的な欠陥を抱えた人間が生まれるのも時間の問題です。

そこで貴族は違う方法を考えました。

一つは電子的なデータを残し後世に伝えること。

もう一つはクローン技術により同じ人間を生み出すことです。

貴族は最初はクローンを生み出しました。

「そうして君が生まれたのです。アルター。まぁ私と違って、不完全なようですが。」

「……」

やがて、技術が進歩し電子的な遺伝子データをコンピューターの中で完全再現できるようになったとき電子生命体としての人工人間が生み出されました。肉体を持たない方が朽ちないからと貴族の方は電子生命体になることを選んだそうです。

「そうして生まれたのがタイター、私なのですよ。」

「ボクが不完全ってどういう意味?」

「肉体を持たないからこその強さを持つ私に勝てなかった時点であなたにはもう先がないということです。」

「なんだって……!?」

「なにしろ、あなたの体は出来損ないですからね。アルターさん、我々のオリジナルである王家の人間は既に完成された存在だったんですよ。だからいくらクローンで血筋を増やしたところで結局は劣化コピーにしかならない。でも、我々は違います!我々こそが真なる人間の体現者なんです!」

「……うるさいよ。」

「おっと失礼。口が滑りました。」

「黙れよ!!」

「おやおや、怒らせてしまいましたか?ではそろそろ終わりにしましょうかね。」

「くっ……」

「あーあ、残念ですね。もう少し遊んでいたかったのですが。仕方ありません。それでは皆さんごきげんよう。さようなら。」

そう言って、タイターは消えていった。

そして、次の瞬間。

世界が崩れ始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ