表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜 小説版  作者: REN'sJackson
第一章 ルシファンブルク強襲編
3/880

第三話 ルシファンブルク強襲編-3

──レンゲイサイド──



「くっ……おかしいですね……こんな数の魔進(ましん)が、一体どこから……60体は居ますか」



 先程まで居た場所を離れたレンゲイとゲイジュ。その眼前にもまた、魔進(ましん)の集団がひしめいていた。(おびただし)い数の魔進(ましん)の侵入に違和感を覚えるレンゲイに対し、ゲイジュが応える。



「そうみたいですね。隊長、いけますか?」


「神の刃を身に宿す僕ら鞘花(しょうか)の身体は

刀の(さや)(ごと)く頑丈です。

容易く傷付けることなど出来ませんよ」


魔進(ましん)の皆さーん、聞いてるかぁあ? ナーベルク帝国にはなぁ! 鞘花(しょうか)が何人いると思ってんだ!! ここはダリア城の ど真ん中だぞ!! ただで済むと思ってんのか!?

ってレンゲイ隊長……そもそも、あの魔進(ましん)に人って乗ってるんですか?」


「乗ってませんね! なので手加減無用です!」



 レンゲイはそう言うと、胸に手を当て口上(こうじょう)を唱えた。辺り一面に暖かな光が差し込むように

次第に木々が生い茂る──



『『天輪(てんりん)波濤(はとう)(めぐみ)鉤爪(かぎづめ)

芽吹(めぶき)花咲(はなさき)()()贄木(にえき)

巡れ生命よ 深淵に染まれ!!!』』


『『散桜突刃(さんおうとつじん)桜雌鹿(さくらめろく)』』



 (さや)を解放した直後、少し離れた場所にアナスタシアの姿を確認したレンゲイは、一瞬動きを止めてしまう。



「何!? アナスタシア……さん!?」



 しかし、間もなくアナスタシアの姿は揺らぎ、霧散(むさん)していく。


そして、事態に戸惑うレンゲイの背後から、銀色の刃が その腹部を貫いて現れた。



「レンゲイ!!」



 二階の踊り場から息を切らしたアナスタシアが叫ぶ声がする。しかし、レンゲイが振り返ると 自身を貫いた者もアナスタシアだった。



「アナスタシア……さん……グハッッッ──血? 鞘花(しょうか)の身体を……貫くとは……まさか……グッ……貴様……その……刀は……」



 銀色の刃が勢いよく引き抜かれると、傷口から鮮血を噴き出しながら、レンゲイは声を絞り出す。



「ゲイジュゥゥゥウ!!!!!!」



 アナスタシアの姿が霧の様に消え

そこに現れたのは、不敵に(わら)七刃花(ななじんか)隊 副隊長

ゲイジュ・アダミーシン・アダモフであった。



「まさか……キスツスを……僕の、ウグッ……人を……殺したのかァァア!! カハッッ」



 レンゲイがブンッと拳を振るうも、またもや霧の様にゲイジュの姿が消え、その拳は空を切る。



「ヌフッ そぉっちぃじゃぁ!! なぁあぃよぉお! ヌフフフッッヌハハハハハッ!! レンゲイ……お前はよくやってくれた!! 本当に、笑いが……笑いがァァァァ止まらないヨォォォォオ!! バカみたいに動いてくれたおかげで、今日この日を迎えることが出来た!!」



 ゲイジュは全く別の場所から現れ、瞳孔を開きながら叫んでいた。それを聞いたレンゲイは更に激昂(げっこう)していく。



「なん……だと!? ふざけるッッッ──」


「──あなただけ少し離れた所に飛ばす」

黒是波無(くろぜぱむ)



 更に声を荒げるレンゲイの言葉を遮って アナスタシアは囁き、黒雛(くろびな)の能力により無重力の結界を展開。しかしゲイジュがそれを阻もうとする。



「させるかぁあ!! アナスタシ──くっ!?

 十六壁の炎……これは」


「── 八岐ノ双璧(やまたのそうへき)! リナリア!! レンゲイを頼む!!」


「任せて!! レンゲイ!! アナスタシアさんの無重力結界でこのまま水平移動する!」



 ゲイジュによるアナスタシアへの妨害は 駆けつけたアキレイが繰り出す炎の壁によって阻まれ、共に駆けつけたリナリアがレンゲイと共に離脱していった。



「リナリア……さん……キスツスが……」


「ええ。二刃花(にじんか)隊 隊長……キスツスさんの(さや)をゲイジュが持ってた。あのクズ野郎……銀狼の力で、レンゲイや兄さん……そしてこの城みんなに幻を掛けて騙してた」


「リナリア……さん……僕ら……鞘花(しょうか)は……(さや)が身体から無くなると…………」


「えぇ、分かってる。分かってるわよ。今はいい。アンタは桜雌鹿(さくらめろく)の力で傷を癒しなさい。今は兄さんとアナスタシアさんに任せるの」


「そう……ですね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ