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気がついたらJS4の保護者になってました。  作者: 軽羽春
たまちゃんと里琴
31/56

#31 招かれざる客②

「誰?また隠れておく?」

「いや・・・誰も、いないみたいだ」


 インターホンには誰も映っていなかった。ただ、ザーザーというノイズ音は聞こえてくる。何かと思ったが、雨の音だった。夕立ちだろうか。いつの間にか外は豪雨になっていたようだ。リビングの窓から外を見た里琴も、急な雨に驚いている。


「うわ!もうちょっと遅かったら危なかったな。傘、持っていってないし」

「いたずらかな。一応確認してくる」

「じゃあ、また隠れておくね!」

「ああ。・・・って、ダメだ!ベッドの下は!」


 俺は仕事場兼寝室に向かおうとする里琴を慌てて止めた。


「え?ダメなの?」

「散らかってて隠れられないから。そうだ、とりあえずお風呂場に隠れておいて」

「わかった!」


 里琴はランドセルを背負ってお風呂場に駆け込んでいった。


 そういえば初めて里琴がここに来たときも、モニターには誰も映っていなかったのだった。今回もモニターに映らないぐらいの背丈の小学生がいたりして。そんなことを考え、ひとり苦笑しながら玄関ドアを開けた。


「あの、こんにちは・・・」

「・・・!」


 果たして、そこに小学生はいた。

 背丈は里琴より少し小さいぐらいだろうか。か細い声だった。この夕立ちが直撃してしまったのか、女の子はずぶ濡れだった。メガネからは雫がしたたり、かぶっている帽子もぐしょ濡れだ。そんな格好で俺を見上げている。


「・・・こ、こんにちは」

「・・・あの」


 女の子は一瞬迷うような表情を浮かべ、黙って下を向いてしまった。

 寒いのだろう。カチカチと歯があたる音がする。


「どうしたの?何かあった?」

「・・・」


 俺はしゃがみ、女の子と目線を合わせた。メガネが大きく見えるのは、この子の顔が小さいからだろう。


「あの・・・」


 女の子は一瞬俺と目を合わせ、また反らしてしまった。


 おや。

 一瞬、脳裏に何かが走った。どこかで見覚えがあるような気がしたのだ。どこだったか。俺は女の子の顔を観察した。里琴のような美人顔ではないものの、可愛げのある顔をしている。

 やがて女の子は俺に目を戻し、何かを決意したような表情で口を開いた。


「あの・・・リコちゃんのお父さん、ですよね?」


 思いもよらない言葉に衝撃を受けた。里琴を知っている?そして、なんだか誤解はしているようだが、俺と里琴のつながりも知っている?


「り、里琴ちゃん?」

「はい。この前、お洋服の売り場にいましたよね」

「・・・!」

「試着のお手伝いをしてたとき」


 思い出した。あの子だ。試着室の前で目が合った女の子だ。そして、友達に「里琴を見かけた」と話していた子。


「えーと、何のことかな」


 俺はとりあえず誤魔化そうとしたが、その必要は一瞬でなくなった。俺の言葉を遮るように、後ろから里琴の声がしたのだ。


「たまちゃん・・・!?」

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