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思い出アーティスト①

完結から約2年。


時を得てやかましい奴らが帰ってくる――――。


書く書く言ってだいぶたってる(笑)ごめんね(o・ω・o)きゅぴ~ん✨


よろしくお願いいたします❗

―――人は、小さな頃から『夢』を持つ。


アイドルになりたい、漫画家になりたい。


サッカー選手になりたい、料理人になりたい。


歌手になりたい。


その夢ってヤツは、人それぞれで…それを本気で追うヤツは、極少数で、掴みとるヤツは、もっと少なくて…それでも、人に無理だと言われても、諦めたくないと、こんなところで終わるもんかって、必死に足掻く人もいて、これは、俺が旅の途中で出会った、そんな頑固で一途な、アーティストの話―――。


信号が赤から、青に変わる。



「さぁ、行こうか」




―――――――― Back Again ―――――――――




◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆



【日本一周の旅に出たら、家出少女ひろった!!~ばっかげん!~】


△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△◆△




バイクが壊れ、車に乗り換えたリサ(イギリス人)を後ろに引き連れ、俺達は旅を続けていた。


―――ブロロロ……


「なななな…なぁ、しししし…しょしょ…翔馬…まま…」


「なななな…なんだだだだだだよ…? せせせ…世良、ちちちち…ち○こでも、ははは…生えた……たたた…か……?」


「いいい…いや、はははは、はえねぇかかか、ら! あたたたしも車のりりりたい…」


「……ま、まままま…まぁ、ととと…東北だだだだだ…しなぁ…」


とある交差点の赤信号、世良(チビッ子ヤンキー)にそんな事を言われながら俺は、白い息をはく―――。


めっちゃ震えながら。


優愛の件で単身北海道に突撃し、こいつらと合流してから約1ヶ月たった、季節は秋の終わり、てか……たぶん、もう冬、この寒さは冬。東北なめてた……


「せせせ…世良」


「ななな…なんだよ翔馬まま…? あぁ…ああ…あたた、し! つつ…次の信号でででで、ううう、(リサ)に乗せてもらうかかかからな…!」


俺は信号が青に変わると同時に


「いい、いかせねぇ!さささ、寒いの俺だけとかごめんだからなっ! さぁ、い、いい、行くぞ」


「お、おお、おい、ふ、ふざけんな! 行かせろよ?! やや、やめろっ!」


一方、後ろで車に乗るリサと孝輔(ドMメガネイケメン)は、そのやり取りの光景を見て、


「ちょっと孝輔見なさい! はっはっは! チビロリがなんかバタバタしてるわよ!」


「ははは、ホントだ、世良は元気だなぁ」



――季節は秋の終わり…いや、きっと冬。



俺達は、北の大地北海道を目指し、東北地域に突入していた。にしても、寒い。場所によっては雪も積もっていて、その時その時で運転に気を使うため、だいぶ疲労もたまってきた黄昏時、俺達は秋田県へと突入した。



秋田県あきたけん】は、日本の東北地方の県のひとつで、日本海に面する。県庁所在地は秋田市。気候区分は日本海側気候に分類される。日本海側気候の中でも特徴として沿岸部の冬季の降水量自体はそれほど多くないが、日照時間が極端に少ないことが挙げられる。【wikipedia調べ】


ちなみに、秋田県はスギの人工林面積は、日本一を誇り367,469haもある。他にも、意外なとこだとカメラのレンズ生産量や、人間の睡眠時間が日本一である【ココペディア調べ】


途中、俺はコンビニへとはいる。俺の後ろからリサの運転する車も曲がってきた。


ヘルメットをおき、世良と二人して我先にと店舗内へ入ろうとする。


「ちょ! 翔馬邪魔だっ!」


「バッカ! おまえ! 俺とか運転してたから、モロに風受けてんだぞ!! 俺が先だっ!」


「知るか! レディーファーストって言葉知らないのかよ?!」


「黙れチビッ子! レディーになって出直してこ……っ!?」


ごすっ!次の瞬間には、俺のみぞおちへと、衝撃波がくりだされる。その衝撃たるや、背中を突き破るほどであった。


――どさっ


「ぐあっ…!」


「ふんす!」と息をはき、横たわる俺を無視して、店舗内へ入る世良。と、後ろから


「あなた達は何をしているのよ?」


呆れた顔をしたリサが倒れた俺に声をかける。


「気にするな…ただ、勝負に負けただけだ…リサ、俺の屍を越えて行け…」


「は?…ほんと、何を言っているのよ…ほら、孝輔も先行くわよ」


リサも店舗へ、孝輔が俺を横切りながら


「翔馬、気持ち…良かったか…?」


「いや、なんでだ。んな訳ないだろ」


俺は突っ込みながら立ち上がる。服についた雪と土を払うと、二人をおって孝輔と店舗内へ、向かった。


コンビニの中へと入ると、小気味いいチャイム音と外とは別次元の暖かな風に顔を撫でられる。


「おー! あったけぇ!」


「本当だな、外とはだいぶ違うな」


そんな話をしていると、世良がやってきた。


「翔馬…」


「あ! おまえな、急に人を叩くなよ!」


「わ、分かってるよ!だから、その…なんだ…さっきは叩いたりして、悪かったな…」


え?なになに?珍しく世良がしおらしく謝ってきた。ちなみにあれは、叩いたじゃなくて、殴ったが正しいと思う。とか、そんな野暮な事は言わないでおく。言ったらその後が怖いし。


「いや、気にすんなよ、てかおまえが謝るのめずらしくね?」


そんな会話をしていると、背中に何かがぶつかる。


ドン、「あ、すみません」俺が謝り振り替えると、ギターケースを背負った女の人が、不機嫌そうな顔でこちらを見ていた。わりと…美人だ…。


「……っち」


女の人は、軽くしたうちするとその場を去ろうとする…が、その舌打ちをみた世良が、黙っているわけもなく……


「おい、アンタ…こっちは一言謝っただろ。なんで舌打ちされなきゃなんねぇんだよ…?」


とまぁ、絡んじゃうわけで…


「いや、世良、 いいから、悪いのは俺だし!」


「翔馬、アンタはそう言うとこ甘いんだ」


すると、舌打ちをした女の人が


「おい、チビてめぇ喧嘩売ってんのか?」


「あ? なんだよアンタ。買ってくれんの?」


おい…おいおいおい、マジでめんどくさいことになりそうなんですけどっ! てか、何でこの姉ちゃんも喧嘩買っちゃうんだよ! ここは、とりあえず穏便に…


「あのさ、とりあえずここ店だし、場所かえて話した方が…」


「「誰のせいで揉めてると思ってんだッ?!」」


ですよねー…俺は二人に怒鳴られる。


「だいたい、翔馬がぶつからなきゃ!」


「余計な手間とらせやがって!」


二人にぎゃーぎゃー言われていると、何事かとリサと孝輔がやってくる。それから俺は二人に一通り事情を話し、改めてギターの女性に謝り、コンビニから出る。


「いやー、ビックリしたな」


「くっそ! あのギター女めっ!」


「チビロリイラつきすぎよ。カルシウムたりてないんじゃないの?」


「あ?」


「なるほど、リサ様はカルシウムで胸がそうなって…」


孝輔が、余計な事を言ってリサ(おっぱい大きい)にどつかれる。


「ありがとうございまスッッ!!」(早口)


それから、またバイクに乗りエンジンをかけ、出発する。世良のヤツはまんまと裏切りリサの車へと乗り込んで、おいしそうにおでんの大根を頬張っている。


(車揺れてつゆかかれ!)


にしても…寒い…俺達はそのまま走り抜けていき、秋田駅へと到着した。今日は流石に寒いと言うことから、近くのホテルを予約したのだ。てか、このままだと冬の間は出費嵩みそうだな…なんて事を考えながらホテルにチェックイン。女性陣と別れ、部屋で少し休む。


「なぁ、孝輔」


俺はベッドに横になったまま孝輔に話しかける。


「どうした翔馬」


「いや、晩飯どうしようと思ってな…」


「ふむ…今日は世良も腕を振るう場所はないわけか」


「そうなんだよなー…」


うちの旅仲間の世良は、実家の居酒屋を継いで立派にしたいと言っているだけあり、料理は得意だ。だから、日頃はキャンプ場等であいつが食事当番をしている。


と、そんな話をしているとドアがノックされる。


「ねぇ、翔馬、晩御飯なんだけど」とリサがドア向こうから話しかけてくる。俺はベッドから立ち上がりドアを開ける。


「あ、翔馬晩御飯なんだけどチビロリが…」


「おお、俺らもちょうど今その話ししてたんだよな」


と、リサの後ろで見えなかったが、世良といたらしく、


「決まってないなら、あたし食べときたいモノがあんだけど、いいか?」


「あー、マジか、俺は別にいいけど」


俺は部屋で荷物をいじっている孝輔にも声をかける。


「孝輔ー、世良が飯行きたいとこあるって!」


「そうか、俺はかまわないぞ」


「よし、なら決まりな」


と、言うことで俺達は町へと繰り出す。


「さむっ」


「さむい」


「さむいわね」


「冷えるな…」



そして、目的のお店へと足を運んでいる途中。


「~♪」


駅前あたりで、歌声が聞こえてくる…。が、正直、うまくはない。だが、声はハスキーな感じで耳には残る…そんな風に感じていると、


「おい、へたくそ!」「知ってるヤツ歌えや!」


と、ヤジが飛ばされる。俺はなんの気なしにそちらへと顔を向ける。すると、サラリーマン風のおじさんが二人、その歌い手へと絡んでいる様子で、持っていた飲み物を振りかぶっているのが見えた――


「おいおいおい…マジか…っ!」


俺は咄嗟に歌い手の方へと走り出した。孝輔とリサの声が聞こえる。


「翔馬!?」


「翔馬!」


と、俺の横を全力で走り抜ける小さな影。


「ォォォォオオオオラアアアアアアァァァァァッ!」


飲み物を振りかぶっていたサラリーマンがこちらを見る。と、次の瞬間、その小さなうちの問題児は、リーマンの手前で軽く跳ねて、"ちょん"、と振りかぶられた飲み物の底を小突いた。


―――バシャッとリーマンに飲み物がかかる。


「あっつ…! アッ……ツッ!」


そしてきょとん、としている歌い手の腕をつかむと、ギターケースを拾い上げ、全力でこちらへと戻ってくる。


「お、おおおおお?!」


そして、俺の横を歌い手をつれて、すれ違う。


「逃げるぞ」


ぼそっとそう言い残した世良の、走って来た方を向くと…落ち着いたのか酔っぱらいリーマンが全力でこちらへと向かってきているのに気づく。


「マジか…」


俺は慌てて振り替えると、すでに皆走り出していて――。


「おおおおい?! 俺、おいてけぼりなんですけどッ?!」


「急ぎなさいよ! ああもう! なんでご飯前に!」


「はっはっは! さすが世良だな」


「いいから! いそげいそげ!」



これは、そんな破天荒な物語――。旅を終えた後にも、俺達の中で、ずっと話される事となった思い出の話。



一人の、不器用な人間が、全力で夢を追った話――。


「はぁはぁはぁ…てか、あんた…さっきコンビニで…」


リーマンをまいた後、世良の言葉に全員が歌い手を見る。


「「「あ、あああああああああああああああ!」」」


「はぁはぁはぁ…は…はは…おまえら、マジ半端ないな…こっちの事はおかまいなしか…はぁはぁ…」


その女性は、コンビニで出会ったギター女だった。


(ヤバい…これまたもめるんじゃ…)


俺はそう思い、少し様子を伺う…と、彼女は、


「……っぷ! あはっ…あははは!」


ケタケタと笑いだし、町の灯りにキラキラと光る白い息を夜空に飛ばしながら、


「おまえら、なかなかロックじゃん」


って、そう言った。






【日本一周の旅に出たら、家出少女ひろった!!~ばっかげん!~】





20話完結の中編となる予定です。


ブクマしてくれたら嬉しいよ❗(o・ω・o)きゅぴ~ん✨

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