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if.のはじまり

この話を起点に、各キャラクターとのifエピソードに分岐します。

時系列は明確にはしていませんが、夜会編(四十話~)の直前くらいを想定しています。

「ゆりさん。いつも頑張っていらっしゃるから、たまには息抜きなさらない?こちらを差し上げますわ」


 ララミアはにっこり笑うと、白い封筒をゆりの前に差し出した。

 その封筒に入っていたのは、二枚の歌劇の観劇チケットだった。演目は『異界伝説~女神とその愛~』と書かれている。


「いかいでんせつ……?」

「あら……そうでしたわ。ゆりさんは召し人様だから、『異界伝説』をご存知ないのね。ブリアーの乙女の間では鉄板のラブロマンスですの」

「ら、らぶろまんす……ですか」

「私自身も頂いたものなので恐縮ですけれど、それを意中の方とご覧になれば、愛が深まること間違いなしですわ」

「えっでも、ララミアさんが行かれる予定だったんじゃあ?」


 ゆりがチケットを返そうとすると、ララミアは口元を隠して微笑んだ。


「うふふ。私、主人とは既にこれ以上ないくらい愛が深まっておりますの。ですからこれは、ゆりさんに差し上げますわ」




 ――『異界伝説』。


 女神教が奉じる豊穣の女神サーイーは、元々はこの世界の神ではなかった。

 この世界が創造神に打ち捨てられ存亡の危機に瀕した時、「世界の求め」に応じてこの世界に顕現したのだ。

 サーイーは創造神の代理となり、この世界で最も強く美しい一匹の獣に自身の力を分けた「神剣」を授けた。

 そしてその力を奮うため、獣は人の姿となった。これが勇者オスティウスである。オスティウスは神剣を用いて獣達を従え、荒廃した世界から魔物を祓い、平和を生み出した。


 ――ここまでは教会の教義と変わらない。

『異界伝説』とはこの先である。



 “平和になって後、勇者オスティウスに恋をした女神サーイーは、人の娘になった。そうして二人は結ばれて、幸せに暮らした。”

 ――これが、『異界伝説』の肝だ。



 教会の教えでは、女神は女神のまま、今も天上にてこの世界を見守っている。

 しかし、ロマンティックなこの『異界伝説』は、古今東西様々な戯曲や絵画などの芸術作品の題材となり、特に夢見がちな世の乙女に絶大な支持を誇っている。

 過去の教会も困ったのだろう。女神が人になってしまっては、信仰が成り立たない。だが、これだけ世間に広く認知されてしまった伝承を、否定することもできない。



 そこで出された結論はこうだ。



 それは異界――この世界のパラレルワールドで起こった出来事なのだと。

 この世界の正史ではないが、別の世界では女神と勇者は結ばれた。これは教会の正式な解釈である。

 かくてサーイーとオスティウスの恋愛譚は、『異界伝説』と呼ばれることとなる。




「この物語を、ゆりさんは一体どなたとご覧になるのかしら?」


 ララミアは、次にゆりと会う時にはその答えがわかるだろうと期待に胸を膨らませた。


明日から、ナオト、アラスター、エメ、ドーミオ、テオドール編(順不同)になります。

誰が最初に来るかは、おたのしみ。


「キスの格言」に基づき、各キャラがゆりの身体の何処かにキスをしますので、それぞれのキャラが何処にキスをするのか予想しながら読むのもまた一興?

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