金欠
小説を書く事が初めてなので稚拙な文章ですが見ていただけたら幸いです。
「将太、私ね、ずっと隠してきたことがあるんだけど」
そう言って青村御白は僕に話始めた。
そして、彼女は不安そうな顔を浮かべながら僕に告げた。
「私、ね。人間じゃないの。」
一年ほど前の話をしよう。
僕こと青村将太は双子の姉、青村御白と共に大学に通うために田舎から上京してきて数週間が経過しある問題に直面していた。
「御白〜、お金がないんだけど...」
僕はそういいながら、キッチンのテーブルに突っ伏し数百円しか入っていない折りたたみの財布をお味噌汁を作っている白髪赤目の彼女、青村御白に見せつける様に振り回した。
「だーめ!生活費としてお父さんが毎月振り込んでくれてるお金なんだから!それにお小遣いならちゃんと渡してるでしょ!」
彼女は僕の頭をお玉でコツンと叩くと、そのお玉を洗いはじめた。
「お小遣っていっても3千円じゃん!よっちゃんイカ100個も買えねーよ!!」
「3千円あれば充分でしょ!よっちゃんイカが買えないなら蒲焼さん太郎でも買ってなさい!あれなら300個買えるから!」
「いや駄菓子の話は置いといてお小遣いを増額してくださいお願いします!」
「じゃあ千円増額するけど、これから日課のよっちゃんは将太の分抜きね!」
「よっちゃんイカ抜きは勘弁して下さい。なんでもしますから。」
「なんでも...ねぇ。ふぅん、なんでもかぁ。」
失言をしてしまった。長年の経験から何か面倒くさいことを言われるに違いないことだけは分かる。
「じゃあさ、アルバイトしなよ!」
「へ?」
アルバイト。御白の口から割とまともな提案が出てきて逆に驚いてしまった。
「だからアルバイトだって、ほら社会勉強にもなるよ〜」
確かに、一理ある。しかも毎回お金をもらう時に電話して「父さん今月もお小遣いありがとう!!」なんて小っ恥ずかしいことをやらなくてすむ。しかし...
「アルバイトかぁ〜。お金も今のお小遣いよりは稼げるだろうし、だけど...」
お金よりも優先したい気持ちが、俺にはある!!!!
「働きたくないでござるぅぅぅ!」
瞬間、僕の頭上には先ほど御白が作っていた熱々の味噌汁の入った鍋が現れた。
そして、背筋に悪寒が走る様な声で僕に聞いてきた。
「働く、よね?」
「はい。」
そう答えるしか僕には選択肢が残されていなかった。