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5 七龍温泉街

ふたてに別れたイロハと菜の花は桜生国の代6温泉にました。


「ねぇ菜の花、サクね何で国家試験受けるかわかる?」


「どうして?」


イロハは考えていました。

サクのことを、最近来たばかりの菜の花にどう伝えるか。菜の花の姿か七尾姫にだぶって見えたからかも知れません。


「そらーははるか、、、」


イロハが歌い出すと、菜の花も合わせて歌い出しました。


「空は遥か海をわたり

音の無い世界へ向かう

霧は晴れたもう水もない

光の闇の帰らぬ場所」


「知ってるの?菜の花。」


「うん、私だってこれでもこの国の国民よ?毎朝ラジオから流れる国歌くらい唄えるわ。」


空は遥か海を渡り

音の世界へ向かう

霧は晴れたもう水もない

光の闇の帰らぬ里


太陽は知らない僕の心

時は旅人雲を渡る

罪なき命は血を流して

僕らの声と生きる


命の色を君は知るかい

透明じゃなく緑を彩る

鮮やか過ぎて見えないならば

心の目を開けてみろ


残酷過ぎる運命は

心切り刻んで

踏みにじられた涙さえも

癒してあげる風に乗せて


空は遥か海を渡り

音の無い世界へ向かう

霧は晴れたもう水もない

光の闇の帰らぬ里


言葉の毒は風に乗せて

光の森へと運びます

世界樹が毒を浄化して

美しい言葉をまた君へ運びます

だから泣かないで


笑ってください


愛されて産まれたその命

輝かせるため生きて下さい


僕は、いつも呼吸のなか

君の生きる命のなか



「すっごーい!全部歌えるなんて、さすが優等生違うや」

イロハは素直に感心しましたが、そんな話をしに来たわけではありませんでした。

サクをわかってもらいたかったのです。


「じゃなくてね、菜の花さ、サクってどう見える?話せないし何考えてるかわかんないし、不気味だよ、、、ね?、はぁ、」

そんなことを言いたい訳ではないのに、イロハは上手く説明できず、二人は遠くのそらを眺めました。



その頃やろーどもは、

「行くぞ、せーのでいくからな、

押すなよ、押すな、押すな、押すな、、、、」

「行こう、サク!イッェーイ!!」ザッバーン

「あっずりーぞサク、風、押すなは押せの合図だろーが!

ばっかちんが!」

「ぷぱー、いつまでもグダグダやってるユーリが悪いんだよ」

「なにをー、、、、ん?噴水の奥から美女の歌声が!?」


空は遥か海を渡り、、、


「あれー、この声って、ねぇ?サクわかるよね?って鼻血!?ユーリサクがのぼせた!ってえ!ユーリ何してんの!」

「ふん、純粋な君たちにはこの壁は上れないさ」ツルッ

「あっ」

ユーリは勢い余って女湯の方に落ちて行きました

「きゃー変態」「出たわね野獣」「覚悟っ」バシバシ バキバキ

「馬鹿だなー人間ってみんなこうなのか?いや、サクは違うや。あっ、サク!血の海になっちゃってるよ!大丈夫!?」

ついつい湯船に浮かぶ、くちづさむ菜の花が浮かび、、、

なんてことはないかな



七龍温泉街には今日も楽しげな声が響くのでした。


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