3 国家騎士への道
「腐っていく体が悲鳴をあげない日はなかった。
さて、この文で始まる小説は甘い日常であるが、この作者はだぁれだ?
これは馬鹿でもわかるぞー、
まぁ、未来有望な騎士のたまご、サクに解いてもらおうか
サク、前に出てきなさい」
サクは言われた通り席をたちました
「きゃ、サク君だ!私ちょっと気になってるんだけど」
「えーずるい、私もなのに」
「何故ヤツばかりが、ミスしてしまえ!」心ない声を出したのは自称サクのマブダチ、ユーリでした
サクは(話せない)以外には、知能や身体に何の異常もなくむしろ女子から見てかっこいいというジャンルにあったため、意外にもモテていた。
甘い日常の作者、シュガー・スポットマンの名を書くと女子らの視線を気にもせずさらりと席についた。
「すごいぞサク!シュガー・スポットマンを知ってるなんて先生は見直したぞ!皆にはまだ教科書にも載ってないし紹介してないんだが、そもそもシュガー・スポットマンは、、、ぴーちくぱーちく」
「っだー長いっての!教科書載ってないなら喋ってんじゃないわよ」
始めにしびれを効かせたのはイロハでした。国語バカなフォルス先生を止めるのは、誰が決めたか知らないがイロハの役目と決まっていました。イロハがイライラしてるのはサクに黄色い声を発する女子らがメザトいからでした。恋など遠い世界なイロハには思春期の男女の色恋沙汰は目に余るものでした。
「自分がモテないからって、ひがむのよねーイロハって」
「ってかマジうざい」
「あ、あのさ放課後さー」
一部の女子は、サクのおさな馴染みのイロハを妬み余りよく思っていませんでした。
イロハの危険にいち早く気づいたのはもちろんユーリでした。
そして菜の花も。
「あの、イロハちゃん、あのね、放課後一緒に帰りませんか?」
「はっ?何で私があんたなんかと、第一サクと仲いいみたいたけど、あんたもサク好きなわけ?」
「あっいや、私は、その、」
「可愛い子、いじめてんじゃねーよイロハ、あと、俺も放課後一緒に帰るから」
「はっ?ユーリまでなんな訳?キモいんですけど、あんたたち」
二人の声に耳を傾ける事もなく、イロハ去っていきました。
ーー、放課後。
「ねー、あんたたさー、スゲーウザいんですけど
サク様のなんな訳?ぷっ」
「あっ笑うのズルいっ」
「だってさー、見るからに、」
「デブで」「デブで」
「バカで」「バカで」
「不細工でっ」「不細工でっ」
「あっめっちゃハモったうちらー、マブダチだねー」
案の定女子らに捕まっていた。
「だーかーらー、何で私が、、、」 ドンッ!
「黙りなさい!あんたの意見なんてどうでもいいのよ!
それとも、二度と口答え出来ないようにその口切り刻んでやろうか?キリ、キキキ、、、」
「ちょっと、カッターはヤバイって!」
「うるさい!」
女子の一人はサクにとてつもなく好意を寄せているようで、勢いよくイロハ目掛けてカッターを振りかざしました。
その時、疾風のごとく長い足が飛んできて女子の体ごとカッターを吹き飛ばしました。
それは怒りに満ちたサクにでした。
「俺の大事なおさな馴染みになにしてんだ、ブスッ!」
「いったー、ぅうー、頭いたい、何なのよ」
「追伸、俺は心の痛みを知らない女は嫌いだってサクは思ったかなー?」
「ふへっサク様!?あっううっ、こ、これは、その
来週の、そう、演劇のれんしゅ、」バチンっ!
サクは彼女の口を遮り、思いっきり頬を叩きました。
嘘なんて、お見通しだ、と言わんばかりに。
「な、何で私ばかり、ううっうわーん」
「あーめんどくせー泣き出したぞこいつ」
「あのね、」菜の花は優しく声をかけました。
「サク君はあなたのことも嫌いじゃないと思うの。でもね、話すことが出来ないの、知ってるよね?そのぶんサク君、孤独とか心の痛みとか誰よりも強く感じてるって思うんだ。だから、誰が一番とかじゃなくて皆でサク君の友達になって、
支えてあげよう?ね、サク君?」
菜の花があまりにも優しく微笑むので、サクも温かく微笑み返しました。この心の温かさが、いつまでも消えないように。そう、願うように。
「騎士にとって、大切なものが1つわかったようだね」
突然現れた緑色の猫に誰もが、サクまでも驚きました。
「わっ、猫ちゃんがしゃべった!」
「ちょっと、びっくりさせちゃったかな、ってサクは驚かなくてもいいとでしょ?僕だよ、風!」
あっ、としてサクは納得しました。
風って言うのは、、、サクがノートに書き出しましたが、風が止めました。
「ストーップ、長くなるから僕が話す。
でも一人足りないなー。カノンってその野蛮な女?」
その時、忘れ去られていた女も立ち上がりました。
「あんたたちねー、私のこと忘れてんの?
にしても、不気味な猫ね。何、サク。はぁー。そんな顔しないでよ怪我もないしね。
あと、カノンはここにはいないわ。」
サクは心からホットしました。
「だよねー知ってるよ、男の子だよね」
「知ってんだったらとぼけてんじゃないわよ」ボソッ
「うわー、人間ってホントにするどいだねー」
風とイロハはまるで初めてじゃないみたいに息が合いました。
「仲いーなお前たち」ユーリに誘われるようにみんなつられて笑いました。
国家試験を明日に控えたサク以外は。