序章
私は実に愚かなる人間でした。
人の子を産む生物を汚らわしく思っていました。
それはとても聖なる生き物であると言うのにー。
つきに一度血にまみれ
時には身体を売ることもあるそれは
私のなかで悪魔を思わせていたのです
私もその悪魔から産まれたと気付いた時には何億もの魂の転生が行われ、すでに私の体は大木となり、森の中に祭られていました。
これは天罰でしょうか。
多くの天女を傷つけたのが祟ったのでしょうか。
醜い姿のまま私の体は朽ちる事を知らず、ただでかくなっていきました。ジャンヌダルク、そう呼ばれた天女は、どの文献にも知られてはいないが、1人の子を産んでいる。なぜ私がそれを知っているか?それは彼女とは長い付き合いだからだ。
それは私が大木となって間もない頃、1人の天女が子供を抱え私の元へ来た。そして、我が子へ向け錬金術を使うと、凍らせ私の根本においた。更に「この子をお願いします。どうか神様私が神精霊側につき、人間を裏切る事をお許しください。私は夢で見たのです。この森の奥深くに眠るゼムルユグドラシルの樹に子を授けて、これから始まる神精霊と人間との戦いに立つ私の姿を。きっと私は帰って来ないでしょう。」といって背を向けたので私は瞳を開けて彼女に言った。「待ってくれ天女よ、君の事はしっている、そう、ジャンヌダルクと言ったか、とても有名だ、私達神に仕える自然界のものにはな。君に礼を言いたい者が沢山いるが代表して風の君を送ろう。」
後に100年戦争と呼ばれた神と人間との戦いは、人間が敗北し
神人心同和平が組まれ、戦地の魂を供養するため桜生国が設立され、戦いは終戦した。かに思われたが、ジャンヌダルクは二重スパイとみなされ私の目の前で処刑された。風の君が彼女の遺品として彼女の刀、草剣・カヤブランディスを私に渡した。
これから始まる物語は、ジャンヌダルクの子と風の君との一生だ。