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幕間・おとぎ話~聖女と竜の物語~

 それは最初の聖女が世界に平穏をもたらしてから、三百年ほどが過ぎた、ある日のことでした。

 空に亀裂が走り、巨大な魔物がこの世界に現れたのです。

 その魔物はとてもどう猛で、残忍でした。翼をはためかせて空を駆け、人々に向かって炎を吐きました。多くの村や町が、魔物のせいで滅びてしまいました。

 王様は兵士たちに命じ、魔物を倒そうとしました。でも、だれも倒すことはできません。兵士たちは、みんなやられてしまいました。

 困った王様は、聖女に相談しました。聖女は「世界の滅びを止めるには、みんなが本当に手を取り合わねばならない」と言いました。

 その頃、世界は平和でしたが、人々の心は一つではありませんでした。海の人とも、山や森の人とも、氷の人とも仲が悪かったのです。

 聖女は、●●から若者を呼びました。若者の名前はフヒトといい、聖女とともに、世界中の王や人々にうったえ、力を合わせて空の魔物を倒すよう呼びかけました。じょじょに、人々はわだかまりをすて、手をとりあってゆきました。最初はかたくなだった●●●●も、ついには凍れる剣をフヒトに託し、扉を開けたのです。


 人々は心を一つにして、巨大な魔物と、その眷属けんぞくたちに戦いを挑みました。魔物の攻撃はかれつでしたが、フヒトが凍れる剣を振るうと、炎はたちまち消えました。傷ついた人々も、聖女の祈りがいやしました。

 そしてついに、聖女は塔の力を借り、空の魔物を封じたのです。

 こうして、世界に平穏が再び訪れました。


 魔物とその眷属は竜と名付けられ、塔の近くで永い眠りにつきました。

 やがて土が積もり、アルトグレンツェの丘になったと言われています。

13日、若者の名前を「フヒト」にしました。

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